この本で言ってるエリートとは、ゴールドマン・サックス、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ハーバード・ビジネス・スクールで活躍するような人たちのことです。
企業からハーバードへ入学する人のうち1位と2位は、マッキンゼーとゴールドマン出身らしいです。また、ハーバードの卒業生の進路の1位と2位もこの2社で、彼らは、強い結びつきを保ちながら、転職したり、起業したりして、ビジネス界のトップアスリートとして活躍していくので、彼らのルールが世界の産業や金融で指導的な役割を果たしているとのこと。
そんな「エリート」たちが大事にしている「基本」とは何か?について、まさにこのエリートの道(ゴールドマン→ハーバード→マッキンゼー→起業)を歩いてきた筆者、戸塚隆将氏が語っている本です。
特に印象的だったところを、勝手な解釈でまとめてみました。
■人とのつながりを大事にする
彼らは、利害関係を超え、人とつながることをとても大切にするそうです。
そのために、以下のような方法が挙げられています。
・相手に自分から関心を持つこと
・相手の名前を覚えること
・非日常的な場所で、時間を共有すること
・先輩や上司との飲み会などで積極的にフィードバックをもらうこと
・意識的に社外交流に取り組むこと
利害関係を超えたといっても、いつかそれが自分のためになるという思いもあるのでしょうけれど。
■ 心に余裕を持つ
例えば、心に余裕を持つために、彼らは以下の精神を大事にしているとのこと。
アフターユー(お先にどうぞ)
サンキュー(ありがとう)
確かに、忙しい日々のなかで心がやせ細っていくと、相手に優しくなれなくなったり、感謝の気持ちが表現できなくなってくる。それはイカンということだ。
■良く考える
本を読んだら、その3倍の時間だけ考えなさいとのこと。章ごとに読むのを一度やめて、考えを整理してみる。これが大切とのこと。
どうしても、本はどんどん読みたくなる。達成感を求めているのかもしれない。でも、整理しないと、結構忘れてしまうことも感じている。だから、ブログを書いてるのですが、、
■時間を有効に使う
朝一の1時間は、行き詰った作業の打開策を考えるとか、新しいアイデアを考えるようにし、メール処理やTO DO確認は行わないとのこと。
これも、わかってはいるが、なかなか実現は難しい。
彼らが実践しているのは、前日に机を片付けることなど、些細なところだ。こういうことが、明日朝一のスタートダッシュの準備を整えることになっていたりするわけで、そんなに背伸びをするような話ではないのだから、もう少し意識してやってみよう。
■メールの返信スピードを高める
仕事のできる人ほど、メールのレスポンスが速いらしい。
なんだか、メールだけで仕事をするなと言う人がいたり、たくさんの人を宛先に入れてメールを送ってくる人がいたり、僕の周りでは、メールにいちいち反応していられない環境があるのだが、「エリート」の世界では、メールのレスポンスというのは重要なことだという共通認識があるようだ。
世界で通用する人材になるには、メールのレスポンスを大切にするという心掛けが必要だ。
これは、メールだけでなく、依頼された仕事に対しても、途中でもよいから、簡単にホウレンソウするというのも大事なようだ。
■プレゼン資料はまず手書き
伝えるメッセージを明確にし、それをどんな図表で表すのか。
考えるプロセスに集中するため、いきなりパワーポイントではなく、紙に鉛筆で書きこんでいくそうです。
そして、プレゼンの信頼感を高めるためには、細かいところ(文字サイズ、てにをは、統一感)を確実にチェックし、詰めておくことが大切だそうです。
■さいごに
どれも、まあ聞いたことがある話というのが、正直なところでした。
しかし、え?あのマッキンゼーやゴールドマンサックスの人も、飲みニケーションとか、人への感謝とか、整理整頓とかを大事にしているんだ。というのが、とても新鮮でした。
なんとなく、「エリート」企業では、超実力の世界が広がっており、クールに仕事をしているような気がしていたので、ウェットな日本企業などで大切だと言われていることは、グローバルには通用しないと考えていたからです。
あ、ゴールドマンでも、そうなのね。
という感覚で、行動が変わってしまうのもどうかとは思いますが、結局、すべては人と人が作り上げている社会なのだから、世界のエリート企業とて同じ。我々が日々磨くべきものやセンス、大事にすべきことは同じなんだと、強く信じることができた、1冊でした。
いじょうでーす。