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Voyage of Life

日々の読書、子育て、暮らし、仕事から学んだコト

原発オンカロ処分場を描いた映画「100,000年後の安全」を観て感じたこと

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映画「100,000年後の安全」が2014年2月10日まで無料公開されていたので、観てみた。

映画『100,000年後の安全』本編をYOUTUBE無料配信 - 2014年1月22日(水)正午12時~2月10日(月)正午12時

 

これはフィンランドに実際に建設が進んでいる原子力発電の使用済燃料を地中深くに埋める施設「オンカロ」を題材にした映画である。

オンカロは、小泉純一郎氏が「即原発ゼロ」を言い出すきっかけになったことでも有名な施設だ。

 

原子力発電に反対する人たちが是非見るべしと言っている映画なので、どのようなものか気になっていたが、思ったよりも客観的で公平に事実が描かれていて、考えさせる内容だった。

 

つまり、単純に「怖いから原発なんてやめましょうね」というメッセージだけではなかったのが意外だった。

まあ、スローなタッチで、無機質な処分場の現場が映されると、「怖い」という感情が刺激されるのは間違いないが、同じような映像は、二酸化炭素を吐き出し続ける火力発電やシェールガスの採掘現場でも撮ろうと思えば撮れるだろうから、まあ冷静に受け取るべきだろう。

 

オンカロを運営する人たちがインタビューに答えるシーンが多く出てくるが、彼らの印象的なことばを、ざっくりとひろっておく。

  • どうすれば、10万年後の人たちが間違ってオンカロの扉を開けてしまわないかを考えることが大切。むしろ何の看板も無く埋めてしまった方が気づかれないと思うが、法律では放射性廃棄物の貯蔵方法について後世に伝えていく義務がある。
  • しかし、10万年後の世界がどのようになっているかは想像が難しい。
  • ネアンデルタール人が今のような世の中を想像できていたはずはない(我々も効果的なメッセージを残せるかわからない)。
  • 将来、使用済み燃料が宝の山になっているかもしれない。ウランやプルトニウムや銅をたくさん含んでいるから。
  • 取り出されたプルトニウムは核爆弾の原料になりうるので、再処理して燃料を再利用すべきでないと思う(だから、オンカロは使用済燃料を減容せずにそのまま埋める選択をしているようだ)。
  • 二酸化炭素を排出しない原子力エネルギーはやはり必要と考える声が大きい。
  • 中国やインドが欧米並みの生活レベルに引き上げようと思ったら、新しい原子炉を毎日3基ずつ作らないといけない。
  • ウランもそのうちなくなるから、原子力発電に頼る時代はそう長く続かないのではないか?
  • エネルギー資源がなくなってくると、また戦争が起きるかもしれない。

彼らは原子力という選択肢はそう長く続かないかもしれないが、現在の世の中が平和に発展していくためには必要だと考えている。だからこそ、10万年という長い年月に対して、人類の知恵をしっかりと出して、科学的に前向きに行動することを選んでいるのだ。

彼らには、原子力発電の必要性だけでなく、そのデメリットをしっかりと受け止める覚悟と責任に基づく行動がある。

フィンランド人て、偉いわ。

 

しかし、日本だってフィンランドと違って、次のような方針がある。

  • 資源のない島国日本は、再処理によってプルトニウムを獲得し、高速増殖炉を運転することにより持続可能なエネルギーを確保する。
  • 唯一の核被爆国である日本だからこそ、プルトニウムを平和的にアメリカと協力して管理していく
  • 国土が狭いので、再処理によって廃棄物を減容し、コンパクトに安定なガラスに閉じ込めて埋める。

国によって環境や考え方も異なるのだから、フィンランドと方針が違うからといって卑屈にならずに、我々に相応しいやり方を考えていけばよい。

しかし、やはり10万年というのはかなり先のことなので、替わりとなる環境負荷の小さい発電方法の開発や、放射性物質を早く半減させる技術の開発なども合わせて進めていく必要があると感じた。