なにせ、東京都知事選が熱い。
それは、ボクと同じ30代の家入一真氏が立候補してくれたからだ。
彼は新しい政治のやり方を提案している。その動きに注目していると、「リーダーに必要な5つのこと」が見えてきた。
1.目標とする理想の姿を示す
家入さんは、最初から具体的な政策とか公約を定めず、ツイッターやインターネットでみんなの声を集めている。
しかし初めに、どんな東京にしたいかという基本方針をしっかりと打ち出した。
それは、次の3つである。
- どんな人にも居場所がある東京
- 新しい技術でもっと豊かな生き方ができる東京
- 遠い政治がもっと近くなるぼくらの東京
他の候補者の公約などは、いきなり手段を述べていることが多い。
東京都知事選挙2014立候補者の公約を読む | ポリタス - 「東京都知事選2014」を考える
ますぞえ要一氏の公約は、「大災害にも打ち勝つ都市」「安心、希望、安定の社会保障」「中小企業の育成で世界をリードする産業・人材都市」「世界に通用する人材の育成と骨太の教育改革」などであり、比較的、どんな東京をめざすのかを語っているほうであるが、それでも「教育改革」というような「手段」が混ざっている。
細川氏の「原発ゼロ」なんて、最たるものである。
それは手段の一つであって、それによって、どのような東京を目指そうと言うのかが見えない。「脱成長」という発言から推測すると、「スローライフな古き良き東京・江戸」を目指しているのではないだろうか?
「脱原発」と「脱成長」で若者に未来はあるのか | 池田信夫 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
2.手段はみんなの知恵を借りて考える
つまり、家入かずま氏は、自分はそんなに知らないから専門家の意見を聞いたりして、そのビジョンを実現するための手段を考えていこう というスタンスなのだ。以下のツイートがそれを端的に表している。
正直、リーダーとして僕は頼りないと思います。人前で話すのは苦手だし、カリスマ性もありません。でもみんなと同じ目線で、対話しながらみんなと参加型の政治は出来る自信があります。委員会方式で、苦手なことは若い専門家にお願いしていきます。経営も上場もそうしてきました。僕に賭けてください。
— 家入一真 電凸→08044431800 (@hbkr) 2014, 2月 6
ここが他の候補とは決定的に違う。
色々勉強したらわかった。脱原発だ。と言っている小泉氏や細川氏は、本当にどこまで技術の詳細や他の選択肢の実現性、メリット・デメリットを知って、語っているのだろう。
およそ30分にもわたる細川護煕候補のインタビュー映像(8bitnews)を見たが、彼は数字には強くないし、なんとなく浅い知識で話していることがバレバレだった。
そこをソフトにえぐっていく堀潤さんもナイスだったが。
しばらくしたら、「よーく勉強したら、火力は二酸化炭素を放出するしかなくて、これでは地球が持たない。命の問題だ。」と言い出すのではないだろうか。ちなみに、命と経済は裏腹で切っても切れないと思うので主張の論理もイマイチだが。。
【東京都知事選挙・候補者インタビュー②】細川護煕氏 | 8bitnews
とはいえ、細川さんが知らないのは仕方がない話である。たくさんの問題を考えなければならないリーダーがそのすべてのイシューに対して専門家並の知識を持てるわけはないのだから。
だから、良いやり方は、みんなの意見を聞いて、本質は何かを見極め、考えをまとめていくことである。
そこでは、いわゆるファシリテーションの力が求められるのだ。
経営者としての実績を持つ家入氏には、その力があると感じた。
3.スピーディーに実行する
家入氏は、都知事選に立候補を決めた後、わずか数日でみんなの投稿を元に「ぼくらの政策」を決定するということをネットで宣言し、昨夜「120の政策」を決定して公開した。
家入一真(いえいりかずま)東京都知事選立候補者 120政策決定
ツイッターなどの意見は偏りがちなので、そこからバランスのとれた政策をつくるのは難しいかもしれないという不安もあったが、この120の政策を見ていると、どれも地に足がついているし、あー、それはイイねと思うものが多い。
それぞれ政策の元になったツイートなども載せられており、本当にまとめちゃったんだ という実行力を感じる。そして、速い!
4.仲間の目線に合った言葉で語る
家入氏の基本政策演説では、非常に心に届く言葉が使われている。
東京は挑戦する人を応援する街でありたいし、失敗した人や挑戦できない人にも優しい街でありたい。インターネットをはじめとして新しい技術を使うことで、可能になることはたくさんあります。たとえば、街中にWi-Fiを充実させることだけでも、場所に関係なく仕事しやすくなる。移動が多い人だけの話ではなくて、身体が悪い人や子育てて忙しいお母さんが会社に行かなくても働けるようになるかもしれない。2020年のオリンピックに向けて、東京を新しいライフスタイルに溢れた、外国の人が思わず住みたくなる働きたくなる街にしていきませんか。
他の候補者の公約にある「安心、希望、安定の社会保障」など、なんとなく聞いたことのあるそれっぽいフレーズは心に響かない。
家入氏の飾らないけれど、相手の立場に合わせた言葉遣いは、心にまで届いてくる。
「ぼくら」とか、「居場所」とか、「お母さん」とか。。
きっと人の気持ちがわかる優しい人なんだろう。
その人となりが言葉の違いとして、くっきり出てきている。
5.かっこつけない
都知事への立候補を決めるまでのツイッターでの言動などを見ていても、彼はオープンだ。
迷っていることも、びびっていることも、すべてさらけ出している。
そういう、ある意味スキがある人間だからこそ、愛されるし、みんな助けたいと思うのだろう。
大きなことをやる。または、小さなことだけどたくさんのことをやっていくには、みんなの力を集める力が大切になる。
そのためには、「かっこつけない」ことが大切だと感じた。
都知事選まであとわずか。
家入氏からはこれからもどんどん学んでいきたいので、本当に頑張ってほしい。
いじょうでーす。