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原子力機構職員のもんじゅ意識調査結果を公開した意図はあるのか?

2014/4/22の読売新聞の記事によると、日本原子力研究開発機構の多数の機構職員が高速増殖炉もんじゅのプロジェクトを進めていく自信がないと考えているとのこと。

機構が全職員(約3700人)を対象にした意識調査の結果を明らかにした。機構の山野智寛理事は「もんじゅは(多くの職員にとって)人ごとで、もんじゅを支えようという意識が低い」と話している。 

もんじゅ推進自信ない…原子力機構が意識調査 : 科学 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 

このニュースは、何気に驚くべきものである。

まず、実態としてこんな逃げ腰で職員は働いているのか?ということと、この恥ずかしい自主的な意識調査の結果を公開する意図はなんだったのか?ということである。

 

公開する意図として考えられるのは次の3つだ。

1.技術的に、もう原子力機構では手におえないことをアピールしたい。

2.このような世論の中ではとてもやってられないことをアピールしたい。

3.組織にとって恥ずべき内容であっても、公開するという透明感をアピールしたい。

 

 

1の意図だったとすれば、もうダメだ。その態度こそが逃げ腰だからだ。

ロシアでは高速増殖炉が運転を続けていて、また大きなプラントを動かそうとしているし、中国やインドでも運転開始されている。

こういう中で、高速増殖炉という技術そのものが実現不可能なほどレベルが高いとは言えない。

振り返れば、もんじゅが止まっているきっかけは、凡ミスとその後の対応のまずさ。つまり、技術管理能力の欠如にある。

ダラダラやっているから、設計の意図をよく知るベテランが抜けていったという技術伝承の問題もあって、残された人たちが不安に思っているのかもしれないが、なんとかしようという気概がないというのであれば、さすがに難しい。

 

2や3の意図だったとしたら、こういう形で調査結果を公開しても、あまりご利益はない。組織の信頼をかえって欠くのではないだろうか。

 

回答した職員が、こんなに軽水炉の再稼働で苦労しているような逆風の世論の中で、高速増殖炉を立ち上げていくのはとても厳しいと思っているのだとしたら、非常に素直な気持ちだと思うし、そういう気持ちになるのは分かる。

それは逃げ腰ということではなく、純粋に気持ちの状態を示している話になる。

今回、「たにん事」「意識が低い」という表現とともにアンケート結果が公開されているのだが、回答者の気持ちや実態がそうなのかどうかを確認すべきである。

 

いずれにせよ、この調査結果を公開する意図もメリットもよくわからないし、センスがないと思う。

 

こういう意図では?というのがわかった方は、どうか教えてください。