Voyage of Life

3人の子育てパパが日常と読書から学んだコト

今年の夏は暑くなるらしいが停電は大丈夫なの?2014

 

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■ この夏は暑くなるのか?

この夏は涼しいかも。。というような噂もあったが、どうも最近の熱気を考えると違う気が・・。
調べてみると、なんと、状況が変わっているではないですか。
気象庁は10日、エルニーニョ現象が今夏に発生する可能性が低くなったと発表した。エルニーニョが原因で冷夏となる心配はほぼなくなり、今後1カ月の気温は北日本と西日本で平年並みか高く、東日本は高い見込み
 
「冷夏となる心配はない」って、確かに農業をされている方にはラッキーなのかもしれないが、電力需給の観点からは、原発が全て止まっているこの夏を乗り切れるのかということの方が不安で仕方がない。
 

■ 電気の供給は大丈夫か?

9電力全体のこの夏の供給力は1億7434万kW。

これに対して、需要の見通しは、1億6666万kW。
768万kWの余裕があると言えばありますが、比率としての余裕(予備率)は4.6%
西日本だけだと2.7%になってしまうのですが、下記の通り周波数変換して東京電力から融通してもらい、なんとか安定した状態にするために必要とされる3%を確保できる状態です。
この夏は東日本から、具体的には設備に余裕のある東京電力から58万kW。内訳は関西に38万KW。九州に20万KWを周波数変換して送る。
これによって、ようやく関西も九州も予備率3%を確保する。西日本全体でもなんとか3.4%確保できる計算になります。 

 こんな余裕で大丈夫なのでしょうかねぇ。

一応、この需要は過去の猛暑時を想定しているらしいですが、以下のとおり2度ほど温度が上がったらアウトかもしれないのです。

猛暑になれば日中、更に1度、気温が上がれば電力需要は急上昇します。たとえば関西電力の「糊しろ」である供給予備量の87万キロワットは、1度を少し上回る気温上昇によって、たちまち吹っ飛んでしまう危うさです。

時論公論 「綱渡り この夏(14年)の電力需給」 | 時論公論 | 解説委員室:NHK

  しかも、頼みのベース電源である火力が担う2700万KWは40年以上稼働していて、かつ、最近メンテナンスできていない老朽火力。
何があってもおかしくない状態でしょうから、ぎりぎり凌ごうとしている感じなんですね。
問題は火力のうち2700万キロワット弱、火力全体のほぼ2割が40年以上稼働を続けている老朽火力だという点です。
 

■ つまり、停電は起きるかもしれない。

 
つまり、以下によって停電は簡単に起こりうる状態だということです。
・猛暑の想定が少し上回ること。
・火力発電所がトラブルを起こして停止すること。
 
現に、先日7/17には、気温が上がったけれど、電源開発の橘湾火力発電所1号機がトラブルを起こし、関西電力への供給が減ってしまい、予備率が5%を切るという状態がすでに起こっています。
 
 
熱中症などで毎年亡くなる方がおられますので、適切にクーラーをつけましょうということになってますが、停電が起こると対応できません。
 
現在、原子力発電の稼働に向けて、地震条件の余裕が少ないとか、津波の想定高さが足りないとか、想定する余裕の是非を問う議論をつつけていて、それによって電力の需給が余裕を失っているのですが、一方で、2度気温が上がれば、人の命が危険にさらされてしまうような状態をスル―しているのです。
 
それは原子力規制庁の管轄ではないから ということなのでしょうか。
 
バランス感覚、おかしいと思いませんかーー。
 
今日は、いじょうでーす。