Voyage of Life

3人の子育てパパが日常と読書から学んだコト

ドイツの生産性が日本より高い2つの大きな理由

 

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最近、ドイツの人と一緒に仕事をする機会がある。

以下の記事にあるように、ドイツの生産性は高いといわれるが、その理由をドイツ人と議論してみた。

OECDによれば、2012年の労働1時間当たりのドイツの生産性は58.3ドル。日本の40.1ドルよりも高い。有給休暇が多く、労働時間が短いと生産性が上がるのだろうか。両国で働いた経験のある西山さんはこう話す。

「ドイツ人はとにかく早く帰宅したいという意識が強いので、仕事の効率を重視します。社員は皆それぞれ専門分野を勉強してきてプロ意識がありますから、効率化も含めた提案を上司にどんどんしますね。それが受け入れられて、評価につながります。日本の会社では、手書き書類をさらにパソコン入力し直したりと、今思うと無駄な作業が多かったように思います」

「仕事が残ってても休みます」経済大国ドイツの人の働きかた

  

ドイツでは法律で休暇取得が義務付けられていたり、休暇を取ることへのハードルが低いというか、むしろプライベートを重視するのが当たり前という文化が根付いているのは大きいだろう。

そして、ドイツ人の話を聞いていて、これこそ、ドイツの生産性が日本より高い理由であると感じた2つのことを、ここで挙げてみたい。

 

■ 仕事の効率化への執着が恐ろしく高い

ドイツ人は、「仕事の効率への執着」というのが恐ろしく高い。

これは、無駄なことは絶対にやりたくないという職人気質のようなものである。

だから、仕事をしていて、何かを依頼したとしても、必ず彼らは聞いてくる。

「なぜ、それをしなければならない?」

「本当に、それは必要なのか?」

と。

そんな議論をしているうちに、やれてしまうではないかということについても、入口で反論してくる。

 

そう。彼らは「やる必要がないことをやらないことが一番の効率化への道である」ことを知っているし、実行しているのだ。

 

これは、驚くべきことに、デパートのおばさんでもそうだった。

お土産用にチョコレートの箱を4つ買って、小袋を4つ頂戴といったのだが、おばさんは「なぜ、小袋が要るの?」と聞いてきた。

「お土産に渡すときに入れたいんだ」と言ったら、

「じゃあ、3つあげる。1つは、今4つをまとめて入れた袋があるでしょう」

と言われた。

 

彼らは、無駄なことをいっさいやりたくないのだ。

効率化への執着心の国民への根付き方は、半端ないものだと思う。

 

■ 上司にも客にもNOと言える

そして、ここで紹介したおばさんもそうだし、仕事をしている相手もそうなのだが、その効率化への執着をしっかりと相手に伝えられる。

客に対して、平気で「NO」が言えるのだ。

ドイツ人が言うには、上司に対しても、これをやってくれと言われても、やる必要がない理由やもっといい提案があれば、「NO」をしっかりと言うらしい。

 

「やっても意味がないのではないか?」とか、「別の方法の方が合理的ではないか?」と思ったら、それを率直に提言できる文化があるのだ。

 

これに対して、日本はどうだろうか。

じつは、僕は入社5年目くらいのときは、こんな感じでドイツ人のように効率化を求めて、無駄だと思ったことは率直に提言してきた。

しかし、今振り返ると、その態度は会社では受け容れられず、それなりに仕事の成果は上げているのに、上司からよい評価を得られないという理由のひとつになっていたように思う。

日本は、無駄だと思っても、まずやってみて、ダメなことを示すことが重視される。

頭で考えて、無駄だからやめましょうよ。と言っても、お前に何がわかる。生意気だ。という風になってしまう。

つまり、率直な提言を受け容れあう姿勢が日本人には足りないのではないだろうか。

お客様と自分、また、上司と自分の関係がフェアではないのだ。

 

だから、無駄だと思っても、とりあえずやってみせることが求められてしまい、効率化が妨げられるのだ。

 

これこそが、日本の効率を落としている最大の原因だと、僕は思う。

(あと、あるとしたら、働かないオジサンが多いという可能性はあるが・・)

 

だから、残業代ゼロとか、そういう話をする前に、上司と部下、発注者と受注者がフェアであるという世界を根付かせる必要がある。

部下の率直な提言に対して、生意気だと言わずに、良いものはどんどん採用して、そういう部下を評価していくようなことが必要なのだ。

 

今日は、いじょうでーす。