野口敏氏の「一瞬で心をつかむ話し方」を読んだ。
これは、まさにコミュニケーションの基本が書かれたものだ。
すぐに忘れてしまいがちなので、何度か読み返せるように、心に留めておくべき大事なところを整理しておく。
☑心をつかむ話し方のポイント
- 言葉だけで人を動かすことはできない。言葉の奥にある感情こそが人を動かすのだ。
- 「自己開示」によって生身の自分をさらけだせば、相手の心を一瞬にしてつかめる。
- 自分の気持ちを素直に表現する人は、他人から見ても安心だ。
- 最も重要なのは心が通じ合うかどうか。通じ合えば、意見の相違があっても、理解し合おうという気持ちが生まれる。
- 初対面の相手はわずか数秒間で、あなたがどんな人かということを判断している。(顧客や上司も、その第一印象を引きずり続ける)
- 印象をきめる因子:言葉7%、その他(アイコンタクト、表情、声、しぐさ)93%
- アイコンタクトで初対面の壁を越えていく。
- 声も大事にする。力を抜いて温かい気持ちをイメージすると優しい印象を与える。
- 相手に身体の正面を向ける。
- 笑顔にあふれた人になる。
- ほめなくてもよいから、相手の存在や行動を認めて伝えることでつながりが産まれる。
- 人は自分の話を聞いてもらえると安心し、聞き手から大切に扱われていると感じる。大切にされると人はやる気になり、協力しようと思う。たとえ、言い分が通らなくても。
- 話を聞くというのは、話を分析して解決しようとしたり、励ましたりすることではない。相手の気持ちに共感し、思いやりを示すことだ。
- 感情は吐き出され、誰かに受け止めてもらえると、小さくなり、やがては消えていくもの。
- 相手を主人公にした質問や気持ちを引き出す質問をすることで、相手は自分に興味を持ってくれたこと、価値を認めてくれたことを感じ、親しみを抱く。
- 自分の意思をきちんと表明しなければ存在意義は失われ、他人からも尊重されず、いい加減な扱いを受けることになる。自己主張できるようになるには、まずは好きと嫌いをはっきり意識し、それだけでも意思表示する習慣をつけること。
- 「すみません」ではなく、「ありがとう」か「ごめんなさい」という。
- 「私は、・・・と思います。」など、「私」という言葉で、意思を伝えよう。
- 言い訳やアピールを捨て、まず結論。あとで理由を言う方がわかりやすいし、信頼される。
- 説得とは、相手の気持ち、希望、不安を知ったうえで、明るい未来が来ることを信じてもらうことである。まずは相手の気持ちを聞くことから始まる。
- 最初の15秒にキーワードを入れる。まずはポジティブな言葉から。
- 説得は語尾で行う。「です」「ます」を力強く言って締めくくり、責任をもって相手と付き合う。
- 自信家は人からコントロールされることを嫌うから、間違いを指摘したり、上から目線で説得せず、「助けてください」というスタンスで対応する。
☑ 感じたこと
どれも大切だと知ってはいるが、なかなか実践は難しいことだ。
ボクは、コーチングの資格をとったときの勉強で、大体のところを学んだつもりだが、会社のなかは実に殺伐とした雰囲気である。
言いたいことだけをいうオジサンたちが多いし、相手の行動を認める言葉などはあまり聞かれない。
そんな中で、せめて自分だけは、相手の気持ちに寄り添うような会話を交わしたり、相手を認めるような言葉をかけたりしていきたいなとは考えている。
しかし、殺伐とした雰囲気にのまれるがちであり、実践は難しいのだ。
家庭でも、嫁さんの悩みや疲れている話を聞いたときに、ついつい解決方法を考え出してしまう自分がいて、「そんな言葉いらんねん」と言われて、はっとすることもある。
相手の気持ちに共感することが、本当に心をつかむための近道だ。
これを胸に留めて、習慣にしていきたい。
ちなみに話し方といえば、「その話し方では軽すぎます!」のことを思い出す。こちらは、エグゼクティブが重みのある話し方をするための方法論であるが、こちらにも忘れがちな大事なことが書かれているので、もう一度読み返しておきたい。
その話し方では軽すぎます!(重みのある話し方をする方法) | Voyage of Life
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今日は、話し方というか、聞き方というか、相手の気持ちを大切にする心掛けが何より大切という話でした。