2014年にガンバ大阪の3冠を成し遂げ、今回のアジアカップで日本代表150試合出場を果たすなど、サッカー選手・遠藤保仁選手の活躍には目を見張るものがあります。
平均的な引退年齢は20代後半と言われるサッカー界において、彼は35歳を目前に今なお成長を続けているのです。
ビジネス界では、最近は40歳定年制(「日本成長戦略 40歳定年制 経済と雇用の心配がなくなる日」)という言葉が出てくるなど、どこが引退時期なのかという議論は様々ですが、ビジネスマンにとっても、脂がのりきった年代をどういう風に過ごして、いかに成長力を維持し、組織で生き残っていくかという課題について、遠藤選手から学ぶところは多いのではないかと思います。
今日は、Numberの記事(「まだまだ若い、いろいろとトライ。遠藤保仁が語った「意欲と度胸」 Number Web - ナンバー」)にある遠藤選手のインタビューから、彼の成長力を支えるキーワードを6つ抽出してみました。
1.成長できる自分を信じる。
「自分のなかでは、まだまだ若いと思っています。周りの方々のサポートのおかげでもありますし、自分のなかでは常に向上心を持っていろいろとトライしているので、それが良い方向にいってるんだと思います」
自分の中で、自分はこれくらいだなという壁を作ってしまうと、そこで成長は止まってしまいます。
まだまだいける!と自分の成長を信じることが大切です。
2.周りの人への感謝を忘れない。
上のコメントにも「周りの方々のサポートのおかげ」という言葉があるように、彼は周りへの感謝を言葉に出して表現しています。
自分だけがよければよいという姿勢には限界があります。
自分をサポートしてくれている周りの人への感謝・配慮を忘れず、謙虚な姿勢を持つことで、周りからのサポートを受けることができ、己の成長が可能となるのです。
3.信頼を得るための努力を怠らない。
「ジーコジャパンのときに一番感じたのは、ピッチに立つか立たないかでどれだけの差が出るかということ。自分の評価がものすごく変わるというのも痛いほど感じたし、ピッチに立つために何をしなきゃいけないか、そのことばかりを考えていた」
ピッチに立つか、ベンチに座るか。
この雲泥の差を痛感した彼は、ピッチに立つためにどうすればよいかを考え続けました。
「チームとしても自分としても、良いスタートを切れたのが一番。それに、こういう大会は信頼を勝ち取らないとピッチに立てない。そういう意味で個人的にも大きなゴールだったと思っています」
そのためには、信頼を勝ち取ることが大切という結論に至ったようです。
サッカー選手にとっては、やはりゴールを挙げることのインパクトが大きいようです。ただし、ディフェンシブな選手にとっては、相手の動きを予測して早めに攻撃の芽を摘み取るとか、1対1で負けないとか、そういう地道なプレーが信頼を勝ち取ることにつながるのだと思います。
ビジネスマンの世界は、以下の記事のとおり、実はそれほど単純ではないのですが、上司の信頼を得ることを意識することが重要なのです。
4.上司に合わせつつ、チームへの貢献にフォーカスする。
「監督に合わせられる選手が、一番賢いとは思う。でも合わせるだけじゃダメで、それにプラスしてチームのためにどれだけ働けるか」
試合に出場することの難しさと大切さを痛感している彼は、監督に合わせることが賢いが、それだけではダメで、チームへ貢献することが大切と考えています。
上司の基本的な考え方にフィットした動きを最低限こなしつつ、チームにとって良いと思えることをどれだけ献身的にこなせるか。
チームがよくなること、勝つことこそが上司の希望なので、その予想や期待を超えたプレーで、チームに貢献することが、サプライズにつながり、上司にとって特別な選手になっていきます。そして信頼を獲得し、成長の場を確保し続けていくのです。
時々は、え、あいつ、あんなシュート打てるの?とか、そういうこともやっていき、チームの勝利に貢献するのです。
5.度胸をもってチャレンジする。
「うーん、どうですかね。言うなら、度胸……じゃないですかね。やるか、やらないか。まあ僕の場合は何も考えずにやっているだけなんですけど(笑)。そういうトライができるかどうか。(自分の考えが)100%合っているわけじゃないんですけどね」
アギーレ監督から、自由にやれと言われた遠藤選手はそのチャンスを活かすために何が大事かという質問に対して、「度胸」を挙げました。
失敗をおそれず、時にはチャレンジしないと、自分やチームの成長はありません。
惰性で仕事をするようになってはダメで、うまくいくかどうかわからないエリアに飛び出す勇気が必要ということでしょう。
6.地道な努力を続ける。
このインタビューでは、彼の地道な努力の部分はあまり語られていません。
しかし、「プロフェッショナル 仕事の流儀 遠藤保仁 - Dailymotion動画」では、彼が地道な努力を続けている姿が映し出されています。
90分走りきるために若手より多く走りこんだり、体幹トレーニングを取り入れたり、正確なボールコントロールを磨くためのキックの練習を日々繰り返す。
90分走りきるために若手より多く走りこんだり、体幹トレーニングを取り入れたり、正確なボールコントロールを磨くためのキックの練習を日々繰り返す。
このような地道な努力が信頼を得ることや、チャレンジの成功を支えているのです。
ビジネスで言えば、このような基礎力にあたるのは次のようなものになります。
・新しい情報を取り入れる力
・論理的に考えをまとめる力
・コミュニケーション力
・語学力(英語など)
・課題やアイデアに気づく力
・問題解決能力
・リーダーシップ
・健康と体力
ボクたちも、これらを磨く努力を怠ってはならないということです。
まとめ
というわけで、遠藤保仁選手のインタビューから、成長力を維持していくための6つのポイントをまとめてみました。
遠藤選手のこの本も読んでみたいな~。