先日の記事「読書感想文のコツと課題図書 2015」で、2015年の読書感想文全国コンクールの課題図書として挙げた「クレヨンからのおねがい」は、小学校低学年(1、2年)の部の課題図書になっているものです。 今日は、この本について、少し具体的に紹介したいと思います。
■どんな本か?
ある日ケビンの元にたくさんの手紙が届きます。それは、いつも使っているクレヨン1本1本からの手紙でした。
クレヨンの色によって違う様々なメッセージ。これらを受けて、ケビンが最後に描いた絵は見ものです。
子供が描いたようなかわいい絵と文字が印象的なこの作品ですが、「ニューヨークタイムズ」のベストセラーリストで第1位を獲得したのだとか。なかなかグローバルな作品ですね。
■読むポイント
・モノの気持ちになって考える視点
色によってクレヨンの考えていることが違うことを感じることで、モノにもし感情があったらという視点を身につけることができます。
しかも、それぞれのメッセージは、なるほどあるあると、納得できるものになっており、楽しく読むことができます。
例えば、次のようなものです(どのメッセージがどの色かはあえて書きません)。
- 使ってくれない。もっと使ってほしい
- 使いすぎ。ちょっと休ませてほしい。
- 白い紙に書くと目立たないからやめて。
- 太陽の色はボクだ(黄色とだいだいがケンカしている)
- 線を引くだけに使うのは寂しい
- 巻いてある紙をはがさないで
クレヨン以外に、あなたや子供たちの周りにあるモノの気持ちを考えてみてはどうでしょうか?
・ものを大切にする気持ち
モノの気持ちを考えてみると、全く使わずに押入れに眠っているカバンとか、汚れても平気で乗っている自転車とか、かかとを踏んで履いてる靴などの声が聞こえてくるかもしれません。
そうしたら、ちょっと自転車を掃除してみようとか、そういう気持ちも生まれてきます。
この本が、モノを大切にしたくなる優しい気持ちを思い出すきっかけになればいいですね。
・クレヨンの声にちゃんと耳を傾けて描いた絵が素晴らしい
最後に、ケビンはクレヨンたちの想いを汲み取って、素晴らしい絵を描きます。
- 輪郭を黒で書かずにどうしたか?
- 白をどう使ったか?
- 太陽をどう塗ったか?
なかなか見ごたえがあります。
■まとめ
シンプルなストーリーですが、話がよくできていて、絵や字が可愛らしい。
オススメの一冊ですよ。
読書感想文の書き方と2016年の課題図書は、こちらの記事も参照ください。
グッとくる読書感想文の書き方と2016年の課題図書(青少年全国コンクール)