ここしばらく、夏休みの子供たち(と、それを支える親たち)のお役に少しでも立てたらという記事を集中して書いてます(読書感想文のコツと課題図書 2015など)。
今回は、自由研究についてです。
せっかくの夏休み。子供の頃、自由研究をなんとなくこなしてきた感のある自分に悔いがないか?と聞かれたら、悔いはあります!
子供たちには、そんな大人になって欲しくないです〜。
せっかくの自由を謳歌し、すばらしい自由研究をやってほしい。
子供らしく尖ったアイデアで、子供ならではのアプローチをとってみるのは、大人になった時の良い思い出になるでしょう。
今回は、自由研究のコツやヒント、テーマの探し方やレポートのまとめ方についてまとめてみました。
プロの研究者、長沼毅先生に学ぶ研究のヒント
研究のベースになるのが探究心、アイデアを生み出す発想力、そして実行力です。
そのヒントになる広島大学、長沼毅先生のレクチャー映像があります。
長沼先生によると、大切なのは次の2点ということです。
- 結びつけて考える。
- 実際にやってみる。
長沼毅先生のわかりやすいお話のなかで感じ取れるのは、アイデア(よい疑問や仮説)は自分で生み出すのだ!ということ。そして、それに向けて行動を起こすことの大切さです。長沼先生が生物学者だというのは聞いたことがありましたが、宇宙にも生物がいるはずだという問題意識を強く持っていて宇宙飛行士に応募して準決勝まで行っていたなんて知りませんでした。
自由研究の良好事例
良好事例から良いところを学ぶことは、成功の近道です。
知らなかったのですが、自由研究大賞というのがあるのですね。
このなかで、過去の受賞作品が小気味よい動画でまとめられています。
個人的にすごいなと思った受賞作品を紹介しておきます。
・「ダンゴ虫は本当にジグザグ進むの?」(中学年の部グランプリ)
ダンゴ虫がジグザグに進むという習性を、実際に迷路にダンゴ虫を置いて試してみたというものです。
まず、この習性を知ったきっかけって何なんでしょうね。これは大人が手がかりを与えたものなのかわかりません。しかし、それを本当かなあと手を動かして確かめてみたり、あれ、そうでない場合が有るけれど、そもそもなぜジグザグに進めるのだろう?とか、素朴な疑問を大切にしながら深堀りしていっていることがすごいと思いました。
・「やる気の出る条件」
やる気の出るときって、どんなときだろう?
この疑問を解決するため、自分を実験対象にして分析したという研究です。
場所はちゃぶ台がいい。後で楽しみがあるときがいい。などという整理がされており、「自分の考え方を考える」というメタ思考を小学2年生ですでにやれているところがすごいですね。
そして、家族の誰かがやる気だったらやる気が出る。自分がまずやる気を出したら、それが反射して跳ね返ってくる。というようなことを言ってたのが、すごいなあと感じました。
良い自由研究を行うためのポイント
自由研究については、以下の記事で、まずはよい疑問を持つことの大切さとポイントを書きました。
そして、よく考えてみると、自由研究の流れは、先日の記事「問題の本質を外さず効率よく考える5つのステップ(「イシューからはじめよ」より)」にも書いた5つのステップのまんまでいいのだ!と気付きました。
つまり、
- 本当に解くべき問題(イシュー)を設定する。
- 強引にでも具体的な仮説を立てる。
- 仮説に基づいて調査する。
- 人に伝えるためにストーリを組み立てる。
- あいまいなところを排除して伝える。
自由研究のまとめ方
自由研究レポートの書き方について、一つの型としては次のようなものがあります。
材料というのが入るのは、実験を伴う研究だけかもしれません。
このような型は、大人の研究でも同じなので、迷わず真似をしましょう。
(ディスカバリーチャンネル×アニマルプラネット 教育プロジェクト)
- 目的:〜を調べようと考えた。
- 予想:自分では、こうなると思っている。
- 材料:必要なものは〜である。
- 方法:やり方は〜である。
- 結果:そうしたら、〜となった。
- 考察:予想と比べると〜であった。そのわけは、〜からだと思う。
- 結論:だから、〜のようなことが言える。
- 感想:このことを通じて、〜のようなことを感じた。
自由研究のテーマの探し方
ということで、面白い疑問や仮説を発見し、良いテーマを見つけることが最も大切で、難しいのですが、その方法を3点挙げておきます。
・とにかく観察してみること
ディスカバリーチャンネルの自由研究のヒントでは、とにかく観察を始めてみることで疑問が湧いてくる、つまり、よいテーマを持てるよと言ってます。
具体的には、次のような観察があります。
まずは1日、観察デーを作ると、今まで気づかなかったことが見えてくるかもしれません。
- 野原を観察
- 公園を観察
- 夜空や宇宙を観察
- 畑や野菜を観察
- 川やキャンプで観察
- 山や旅行先で観察
- 街中やスーパーで人々を観察
・少し科学的な本を読んでみる
いままで気づかなかったことに気づくきっかけをくれる、ちょっと科学的な要素のある本があります。毎年の読書感想文コンクールの本にもありますね。
参考になりそうな本について、いくつか挙げておきます。
・いわゆる自由研究の参考書を読む
自由研究のテーマ本ややり方などが載っている本は、たくさん売られていますから、それらを読んで、気になるテーマに取り組んでもよいでしょう。それがきっかけに新しい疑問に出会えるかもしれませんし。
すぐできる!よくわかる! 学研キッズネットの自由研究 小学生
- 作者: 学研キッズネット編集部
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2011/06/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 79回
- この商品を含むブログを見る
中学生の理科 自由研究 チャレンジ編 改訂版 (学研の自由研究)
- 作者: 学研教育出版
- 出版社/メーカー: 学研教育出版
- 発売日: 2013/06/18
- メディア: 大型本
- この商品を含むブログを見る
その他のアイデア
自然科学系とは異なりますが、社会系の自由研究のテーマとして、次のようなアイデアもあると思います。もしヒントになればと、ボクの思いつくことを挙げてみます。
・インタビューで街のことを調べる
街を観察していれば、疑問が出てくるかもしれません。
あの商店街の店は儲かっているのかな?とか、
近所のおじいさん、おばあさんの楽しみはなんだろう?とか。。
この疑問に自分なりの予想を立てた上で、街の人にインタビューしまくる。
子供から、自由研究なんです〜と言ってお願いすれば、多少のことなら答えてくれるはずです。
この際、普段から疑問に思ってることを街の人にぶつけたら、おもしろいんじゃないでしょうか。なにより、インタビューで度胸がつくことが後々大きいと思います。
・旅行記を書く
夏休みに旅行する人も多いんじゃないでしょうか。
見知らぬ土地のことを調べ、特産物や名所はなんなのか?
なぜ、その土地でそのような特産物が採れるのか?
移動ルートや出会ったこと、気づいたことなどとともに、レポートにまとめてみましょう。スケッチブックなどもよいかもしれませんね。
・自分の先祖のことを調べる
お盆などでお墓まいりをすることもあるでしょう。
この際、自分のご先祖様のことを調べてみても面白いのではないでしょうか?
なかなか、おじいちゃんに聞いてもわからないかもしれませんが、ひょっとしたら、自分のひいひいひいひいおじいちゃんは有名人だったということだってあるかもしれません。
まとめ
ということで、今回は、自由研究のヒントとコツ、まとめ方、テーマの探し方についてでした。