先日の記事「読書感想文のコツと課題図書 2015」でも、2015年の読書感想文全国コンクールの課題図書として挙げた「お話きかせてクリストフ」は、小学校中学年(3、4年)の部の課題図書になっているものです。 今日は、この本について、少し具体的に紹介したいと思います。
■どんな本か?
ルワンダから、内戦を逃れてイギリスに来た男の子クリストフ。いじめられながらも、前向けに学校に通い、彼の体験した戦争の話を語る機会を得ることでみんなを惹きつけ、自分の居場所を見つけながら少しずつ強くなっていく物語です。
■読むポイント
・強い気持ちを持つことの大切さ
戦乱の続くアフリカ、ルワンダから命からがら逃げてきた1人の男の子が、イギリスで新しい生活を始めます。
縦断の飛び交う中を逃げたような過去の恐怖や、その中で自分の妹が殺された悲しみ、祖父は一緒に来れなかったという無念さなどを小さな身体に背負いながらも、新しい学校ではイジメられたりします。
それでも、彼は強い気持ちを失わず、負けなかったし、サッカーという楽しみを見つけて前向きに日々を送ったのです。
強い気持ちを支えていたのは、祖父やお父さんからの言葉でした。そして、家族の愛でした。
こんな状況に追い込まれた時にも、僕たちは強い気持ちを持ち続けられるでしょうか?
・人間の価値は同じ
イジメというか、異国のアフリカから来たものへの差別をクリストフは受けたのかもしれません。
クリストフの父は教えました。
人はみな平等なのに、自分のほうが価値があるんだと言うことを押し付けたり、上に立とうとする人がいる。そういうことが、戦争にもつながっている。だけど、本当は、人の価値は同じなんだと。
「人の価値は同じだということを忘れてるんじゃないか?」という例って思いつきますか?
・文化の違い
口で話すことを文字にすることに対して、クリストフは大きな抵抗を示します。祖父の教えらしいです。
ボクらからしたらなんてことないと思ってしまいますが、それは文化の違いなのです。
自分にとっての普通は、他人にとっての普通とは限らないのです。
これまで、他の人と「文化の違い」を感じたことはあるでしょうか?
あなたにとって普通でも、他人にとって普通ではないかもしれないことってありますか?
・戦争のこわさ
突然家に銃を持った敵が襲ってくる。必死で銃弾をお腹に受けながら生き抜いて逃げる。しかし赤ん坊だった妹はその中で死んでしまった。
戦争のなかでは、そんな悲惨なことが実際にありうるのです。
日本にも戦争があったことを少しイメージしながら、戦争がもし起きたらということを想像してみましょう。
外国に逃げるとしたら、どこに逃げますか?
■まとめ
クリストフが様々な出来事を乗り越えて強く生きていく様子が、クリストフ自身の目線と言葉で描かれていて、とても心を動かされる物語でした。