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Voyage of Life

日々の読書、子育て、暮らし、仕事から学んだコト

ETC渋滞から得られた2つの教訓(ボトルネックとイノベーションの普及論)

 

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少し前の話ですが、ゴールデンウィークに車で淡路島にキャンプに行ったとき、淡路島に渡る明石大橋に入る料金所を起点としてものすごい渋滞ができてました。
ETCが普及して、料金所を通過するのはスムースなはずなのにどうしてなんだ。
ハヤる気持ちを抑えつつ、料金所に近づくと、愕然としました。

  ETCゲートで渋滞の理由

2個ある料金所ゲートの1つは一般専用。もう1つはETC専用。
今や、ほとんどの車がETCを搭載しているので、2車線で進んできた車がETCゲートの方の1本に絞られます。その車線変更を起点に渋滞が発生していたのです。
このことから得られた教訓が2つありました。 
 

教訓1:ボトルネックは変わっていく

何かを改善するというとき、例えばスピードや効率を高めようというときには、ボトルネック(制約条件)をつかむことが大切と言われます。
いわゆる、「制約理論(TOC理論)」と呼ばれ、イスラエル人の物理学者、エリヤフ・ゴールドラット博士が考え出したものです(参考:生産管理基礎講座-TOC理論の基礎)。
 
しかし、実際にはなかなか難しい。
なぜなら、ボトルネックは変わっていくからです。
今回のETCの例では、おそらくETCゲートが車載カードを検出してからゲートを開くまでを何秒にする!という仕様があって、それを目指してゲートが開発されたのだと思います。
しかし、ボトルネックはゲートの通過時間ではなく、車線が絞られるために生じた割り込みに要する時間に変わってしまいました。
 
このように、ボトルネックになってるところを解消しようと手を打つと、別のところがボトルネックとして顕在化することがあります。
 
ボトルネックは変わっていくものだ ということを肝に銘じて、顕在化したボトルネックにこまめに手を打っていくか、シミュレーションして事前に予測して手を打つことが大切だと改めて感じました。
 

教訓2:併用期間に対応すべし

もう一つは、併用期間を想定し、これに対応することが大切ということです。
社会学者のロジャースが提唱した、イノベーションの普及プロセスを示す曲線があります。
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新しい技術を早々に導入する人もいるし、ゆっくりと導入する人もいる。
つまり、必ず、新しい技術と古い技術を併用する時期がある。
このため、新しい技術を実用化するには、必ず併用の期間を乗り切る必要があるのです。
新技術を普及させようと思ったら、この併用期間を乗り切るための仕組みやシステムを備えることが大切です。
 
ETCの例からすると、やはりまだまだ、「ETCでも一般でも」支払えるハイブリッドなゲートが必要というわけです。(普通は、「ETC/一般」のハイブリッドゲートが多いんですけどね・・)
 
他の例を挙げると、

・スマホとガラケー

スマホとガラケーの両方を必要とする人がいるので、ガラケー開発を容易に辞めるという話は難しいわけです。
といっても、さすがにガラケー製造は辞める時期にきているみたいですが。(参考:従来型携帯の生産終了 国内各社、17年以降 :日本経済新聞)。
 

・燃料電池車とガソリン車

燃料電池車を普及させたいと言っても、ガソリン車と併用される期間に問題が起きないことを考えなければなりません。トンネルで事故があって、水素とガソリンが同時に漏れたとしても大丈夫か?とか、そういうことを考えておく必要はありそうです。まあ大丈夫なのかもしれませんが・・。
 

・自動運転者と人運転者

また、Googleらが開発を進める自動運転の車が、人の運転する車と共存できるかというようなことは、よく考えねばなりません。
人の運転する車がいる以上、事故を避けられないと思いますが、自動運転の車は完全に悪くないと言えるのかどうか。少しは悪いとなった場合、その事故の責任は乗車していた人が負うのか、自動運転者メーカが負うのか・・。
 
ということで、今日は、「ETC渋滞から得られた2つの教訓」についてでした。
 

 

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イノベーション普及学

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