ライフネット生命・代表取締役社長の出口治明さんの「「思考軸」をつくれ-あの人が「瞬時の判断」を誤らない理由」 を読んでみました。
歴史に詳しい人という印象くらいで、これまであまり出口さんの本を読んだことはなかったのですが、ありきたりではない良いアドバイスが、腹に落ちる感じで語られており、これはよかったです。
いくつか、グッときたポイントを紹介します。
直観で決めて速く行動せよ
ゼロから考えて、新しい価値を生み出す時代では、猛スピードで試行錯誤を繰り返すことが大事になる。
神は詳細に宿るというが、現場の方がよく知っている。
そんな中で、わからないなりに、決断していくのがリーダーの勤めである。
だから、自分の脳を信じて、直観で決めて行動するべきだ。
そして、その行動の結果を受けて、また次の動きを決めていけば良い。
サッカー選手のように。
ノウハウではなくインプットが足りない
直観を支えるのは、自分の脳の中の情報である。
ビジネス書でノウハウを学ぶのも良いが、直観力を磨くのに必要なのは、圧倒的なインプットの量である。それは、現場での経験はもちろん、読書や旅、人との出会いによって蓄積される。
出口氏は、読書や旅などの量では、誰にも負けないくらいの自信を持っているようだった。日々、新しいことを取り込み、直観を磨き続けているとのことだ。
「毎日、世界はシンプルになっていく」という言葉が印象的だった。
日々チャレンジしていれば、不確実なことは減っていくということだ。
歴史と世界を見て、現実を正しく捉えよ
今立っているところを正しく理解するには、縦軸と横軸を見ることが大事だという。
縦軸とは歴史であり、横軸は世界だ。
戦後の日本が目まぐるしく発展してきたのは、日本人が類稀なる才能をもっていたわけでもない。単に、幸運が重なっただけ(アメリカの寵愛の対象が中国から日本へ変わったこと、朝鮮戦争による特需、超円安)だという例が挙げられており、とても印象的だった。
モノの見方というのはこういうことを言うんだなあ。
そういうモノの見方ができるためにも、インプットを増やしたいと強く思った。
根本を見つめ直して考えよ
モノを見るときのもう一つの考え方が「根本を見つめ直して考えよ」というものだった。
保険というものが、そもそもなぜ必要になったのか。
そこに立ち返った上で、保険とはどうあるべきかを見つめ直し、理想の保険会社を設立し、マニフェストに落とし込んだらしい。
自分の携わっていることが、そもそもなぜ生まれたのか?という根源を正しく理解するというのは、ぶれない縦軸をつくるのに、とても役立ちそうだ。
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まとめ
ごちゃごちゃ言ってないで、ほいほいと何かを決めて行動していくために、もっともっと普段からのインプットを増やして、直感を磨き、思考軸を太くしておこう。
そう素直に思えた本であった。