すっかり40代のボクではありますが、30代の頃に読んでいた本の読書メモを読み返して、ちょっと気持ちが高まりました。
その本は、中谷彰宏氏の「30代で出会わなければならない50人」です。
30代を過ごすためのヒントを11個、まとめてみました。
30代の方も、その前後の方も、ちょっとだけ、熱い気持ちが出ます。
1. 万人受けを狙わない。
30代になって最も大事なことは「万人受けを狙わないこと」です。
とにかく周囲に認められたい。振り返ると、20代はそんな年頃だったのかもしれません。 しかし、周りの人は、そんなに自分のことを見ていないし、その頑張りや難しさを分かってくれないことが多いものです。 そして、分かってくれたとしても、それをあえて伝えてくれる人は、少ない・・。
寂しいですが、それが現実です。
一生懸命頑張れば頑張るほど、それに対して悪口を言う人が出てきます。
前向きに頑張り、それなりにいろいろなことができるようになってきた30代では、逆に、悪口を言われることも出てきます。
例えば、会社でも、目先のことしか考えていない対応があったとしても、周りの人は特に何も言わないことがあります。 そんなことをしたら、1年後に現場が困ってしまうのは目に見えているのに。
そんなとき、たまらず、「ちょっと待ってください」と言う。
そうすると、あいつはうるさいやつだとか、生意気だという声が聞こえてきたりするのです。
言い方をうまくすることが大切なのでしょうが、こういう壁にぶちあたるのが30代の宿命なのです。
この本は、そういう30代を猛烈に励ましてくれます。
もっと一生懸命頑張ることで、やがてその悪口も聞こえなくなってくる。見る人が見たら分かる。自分と同じように戦っている人なら分かってくれる。 その人を信じることだ。周りはどうでもよいのだと。
自分と同じように戦っている人というのは、おそらくそんなに多くはないと思いますが、その人を心から信じて、万人受けを狙わずに、行動することが大切だということです。
何かを語るときにも、(たとえ大勢の人がいても)、信じる一人に向かって、語りかけることが大切なようです。
たった一人でも、その人と何かが通じ合えば、それでよいのです。
早く、そんな人に出会い、その人を心の支えにして、前を向いてやっていきましょう。
2.大きい仕事をやったあとの谷を乗り越える。
30代になっても、小さい仕事をコツコツできる人が成功するのです。
30代はアップダウンが激しいようです。
1つめの大きい仕事をやったあとには谷が待っているかもしれないが、謙虚に小さい仕事でもコツコツとやり、そこで出会う「本当の仲間」や「本当に好きなこと」が、次の仕事や成功を呼んできてくれるとのことです。
軽いフットワークを維持することが大切だということに、通じる気がします。
もう、自分はだいたい分かっているからとか、こんな細かいことは自分の仕事ではないからとか、そういう気持ちがあると、フットワークが重くなっていきます。
そうすると、新しいことに気付いたり、人と出会ったりすることが減ってきます。
それでは、次のいい仕事ができないのです。
3. 相談を一生懸命に聞いて、そこから学ぶ。
相談を一生懸命聞いていると、莫大なノウハウが集まってきます。
30代は、確かに相談されることが多くなります。
ここで、相談を一生懸命聞くことで、莫大なノウハウが集まってくるとのことです。
確かに、これは心当たりがあります。 後輩が調べてきたことで、実は新しいことを知ることができ、そして、それをベースに議論する中で、新しいことに気付くことができます。 相談を受けながら、どれだけ学べるかが大切なのです。
4.上手くではなく、熱く伝える。
僕が本を書くときに大切にしているのは、読み終わった時に走り出したくなるような熱いものがあることです。
中谷さんは、こういう気持ちで本を書いているようです。確かに、この本を読んだ後、そんな熱いものを感じることができました。
仕事で報告をしたとき、うまくまとまっていて、確かに現状はよくわかったけれど、「で、君はどうしたいの?」と、問われることがあります。
会社が何かを導いてくれるわけではありません。
個人の思いが、会社を動かしていきます。
へたくそでも、70点でもよいから、周りの人へ「熱いもの」を伝えることが大切なのです。
5. 人を見いだすために、自らが成長する。
30代は、人を見出していくことにエネルギーを注ぐのです。・・・みずから成長している人でなければ、他人のいいところを見つけることはできません。成長をやめた人は、人をほめることも、いいところを見つけることもできなくなるのです。
成長をやめた人は、成長していく若者を疎ましく思ってしまうのかもしれません。
足を引っ張り、悪口を言うとか、そういう方向にエネルギーを割くのではなく、自ら成長することに、エネルギーを割きたいものです。
6.生意気な部下や後輩を受け容れる。
もっと新しいこと、創造的破壊をし、ぶち切れて、抵抗勢力でなければならないのが30代です。往々にして30代は、すでに体制派に取り込まれて、革命家としてのエネルギーを失いがちな傾向があります。30代でも過激な革命家であるためには、生意気な部下や後輩が必要です。
30代は、少しでも気を抜けば、社内の抵抗勢力から、体制派に取り込まれてしまうというのは、本当にその通りだと思います。
体制派の方が楽に違いありません。悪口も言われません。周りにも気に入られるでしょう。
しかし、人生を面白くするというベクトルに対して、角度が離れていきます。
世の中はめまぐるしく変わっているのですから、未来を見据え、新しいことを考えて、どんどんチャレンジしていく必要があるのです。
自分の可能性をどんどん試していく。
体制派の中で、内なるエネルギーを失わずに突き進むことは簡単ではありません。
しかし、悔いのない人生にするためには、それしかありません。
一度きりの人生ですから。
そして、いつ死ぬのかなんて、わからないのですから。
あなたと価値観の違う反対意見を出された時に、「そういう考え方もあるのか」と思うことです。「そうは言うけど、僕の言っているアイデアも面白いと思うけどな」と、生意気な後輩を説得できる材料を一生懸命考える時に、クリエイティビティが生まれます。生意気な価値観に言いくるめられるのも、あなた自身が新しいアイデアに到達できるチャンスです。
過激な革命家であるために、生意気な部下や後輩が必要とのことですが、こういう後輩は、あんまり出逢えません。
むしろ、僕よりも、数段大人で、そんな後輩と過ごしていると、逆に、もう少し大人にならないといけないのかなと思ったりしていましたが、この本を読んで、エネルギーを失わずに、うまく壁を突き抜けていきたいと思いました。
同じような熱い気持ちのある後輩がもし居たら、きっと生意気でしょうが、可愛いだろうなと思います。
7. 会社の外の世界にも目を向ける。
「会社は小さな金魚鉢である」ということに気づくのが30代です。
会社とは、世界の中のごく限られた小さな世界であることに気付き、会社の外の世界に飛び出すことが大切です。
そして、外の世界でも生きていけるようになりたいものです。
そうすると、より自由な気持ちになり、会社の仕事にも思い切り、立ち向かえるはずです。そうすると、よいサイクルが回り出すのです。
8.親戚のつもりで人と付き合う。
今、何げなしに一緒に仕事をしている人も、ルーツをたどれば親戚である可能性があります。
これは、ちょっと面白いし、イメージしやすい発想を頂きました。 ひょっとしたら、この人は、遠い親戚かもしれない。そう思って接すると、確かに人と人との距離感が変わるような気がします。もっとやさしくなれるし、熱いものを共有したくなります。 実際、遠い遠い親戚かもしれないのです。
9.制約を楽しむ。
制約の中でクリエイティビティはより輝きを増します。
すべての仕事に制約はあるのです。
ついつい、制約を外しにかかりたくなります。しかし、制約の中で、クリエイティビティはより輝きを増すのだそうです。
それがプロなのだと。
制約を課す人の事情をよくわかってあげるということなのかもしれません。
制約を与える人のことを信じるということなのかもしれません。
制約を与えてくれる人から逃げず、制約を楽しむような気持ちで、仕事をしていくのです。
10.叱られる側に行く。
叱られている間は、毎日成長している。
最近は、職場で叱られることが減ってきました。
叱る側の期待するレベルに達していないけれど、次に期待したいと思ったとき、人は誰かを叱るのでしょう。
叱られなくなったというのは、期待するレベルに達しているか、 達していないけれど、もう次を期待されていないかのどちらかです。
期待するレベルが、そもそも低くなったのかもしれません。
そんなぬるま湯にいては、成長がありません。 叱られることを恐れず、新しい世界に踏み出していきましょう。
11.毎日の小さな出会いを大切にする。
ほとんど思い出せないような小さな偶然の出会いの連続が、人生に影響を与えているのだと思います。
今日出会うかもしれない誰かが、明日の自分を変えるかもしれない。
そういうワクワクした気持ちで、毎日出かけたいものです。
30代とは、社会に出て10年以上の経験を積んで、かなりのことが分かっているし、かなりのことをできるようになっています。
その一方で、上手くやれてしまうが故に、情熱を失ったり、成長しにくい場所に隠れてしまったりすることもありえます。
叩かれることもあるでしょう。
ここに挙げたのは、ほんの一部ですが、この本には、熱い30代を過ごすためのヒントがたくさん載っていました。