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Voyage of Life

日々の読書、子育て、暮らし、仕事から学んだコト

競争戦略で大事なのは一見非合理な打ち手を全体でカバーするストーリー

本・読書 仕事

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久しぶりに、戦略系の本を読みました(オーディオブック(febe)ですが)。

楠木建さんの「ストーリーとしての競争戦略」です。

とても長い本なのですが、切り口がとても面白くて、人に話したくなるような内容でした。

少しまとめておきます。

 

戦略の本質とは違いを作り、打ち手をつなげること

まず、戦略とは、「競争がある中で、いかにして他社よりもすぐれた収益を達成し続けるのかについて、その基本的な手立てを示すもの」ということです。

その本質とは、

いかに他社との違いをつくるか。(ポジショニング(どこで戦うか)と組織能力(どのようにやるのか))

そして、そのための打ち手をどうつなげていくか。(ストーリーがあるか)

です。

 

優れた企業にはストーリーがある。

優れた企業には、ストーリーがあるといいます。

その例として、スターバックスコーヒー、マブチモーター、サウスウエスト航空、アマゾン、アスクル、ブックオフ、デル、ガリバーなどのストーリーが語られており、とても面白かったです。知らなかった。

 

ストーリーの5つの柱

5つの柱(5C)は、以下のようなものです。

 

1.Competitive Advantage 競争優位

利益を生み出す型としては3種類あります。

・支払いたい価値をのばす。

・コストを抑える。

・無競争のニッチに徹する。

 

どういう形で、利益を出そうとするのかを、はっきり決めなければなりません。

 

2.Concept コンセプト

誰に何を売っているのかをはっきりさせなければなりません。

それは、誰に嫌われるかをはっきりさせることでもあります。

スターバックスコーヒーのコンセプトは「第3の場所」。

仕事場でもなく、家でもない、ゆったりとくつろげる場所を提供するというコンセプトで、注文を受けてからじっくりと準備をして提供するので、急いでいるビジネスマンには嫌われてもよいということを選んでいるのです(そういう人は、ドトールへ)。

よいコンセプトをつくるための鍵は、「人間て、こうだよね」という人間の本性への理解が大切になります。

 

3.Components 構成要素

そのコンセプトを実現するためのアイデア・打ち手が構成要素です。

小型モータに特化して標準化するとか、一極集中の営業体制とするとか、ビジネスを支える一つ一つの構成要素をどのようにするかということです。

 

4.Critical Core クリティカル・コア

構成要素の中で、競争力の源泉となる中核的なものを、筆者はクリティカルコアと呼んでいます。

例えば、スターバックスコーヒーで言えば、店舗をフランチャイズではなく、直営方式にしているということ。

フランチャイズであれば、ついつい目先の利益を考えてしまうし、そこまで管理しきれないので、回転数を上げたいというところが、表に出てきてしまい、コンセプトが損なわれてしまうのだと言います。

このように、一石何鳥にもなるし、一見して非合理であるということが、大きな特徴です。

アマゾンが、自前の倉庫を持つなんて、アウトソーシング全盛期の時代に、非合理極まりないと思われたのですが、それをテクノロジーで凌駕して、スピーディーかつ合理的な配送システムを構築し、結局、大きな競争力の源泉になったというわけです。

そんな無駄なことして、どうするの?というところに、競争力の源泉があるという話が、この本で一番印象深かったところです。

 

5.Consistency 一貫性

クリティカルコアを中心に、それぞれの構成要素が縦横につながるよい論理があり(それがストーリーがあるということ)、絶妙なバランスによって成立っている。

それが、一貫性があるということです。

「良いこと」と「違うこと」は、トレードオフの関係にあり、他社との違いを作っていくためには、誰もが良いことと思う選択をしない勇気が求められるのです。

これを、「賢者の盲点をつく」と筆者は言っていますが、この部分的な非合理を、ストーリー全体の流れのなかで、全体としての合理に変えることができた企業が大きな競争力を手にしているのです。

逆に、外から見ていても、ストーリー全体は見えにくいですから、見えている範囲で、あの企業のここだけを真似しようとして、一つの構成要素をパクってみても、かえって弊害を生んだりする。

これからは成果主義だよねと、それだけを真似しても、今までのバランスが崩れたりするわけです。

自前の工場を持つのは止めよう。できるだけ外注しよう。と言い始めたら、とたんに競争力や開発力を失う可能性もあるわけです。

全体のストーリーをしっかりと考えて、それっぽい非合理論に振り回されずに、道を切り開いていく必要があります。

 

まとめ

一見して良いことなんて、みんなやっている。

違いを作るには、一見非合理な選択を、全体のストーリーの中で強みに変えられるかどうかが大事なんだということが、とても印象に残りました。

賢者の盲点をつきましょう!