Voyage of Life

3人の子育てパパが日常と読書から学んだコト

健康になりたければ、副交感神経を高めればいい

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寒い冬。朝目が覚めると、喉が痛い。鼻水も出る。 そんなときには、グンとテンションが下がるのですが、僕のかかりつけのお医者さんは、熱が出ていない限り、絶対に抗生物質をくれません。

バランスが崩れているだけだよと、症状を緩和するような漢方薬をくれます。

バランスが崩れるとは、どういうことなのでしょうか。

この答えは、自律神経の研究の第一人者である、順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏の著作「なぜ「これ」は健康にいいのか?」にありました。ちょっと前の読書メモから、印象深かったところをまとめてみました。

 

1.副交感神経をいかに高く維持するかが人生の質を決める。

自律神経とは、自分では制御できない神経であり、交感神経と副交感神経からなります。

この交感神経と副交感神経が両方バランスよく働いている状態が、健康で、快適な生活を送るためには重要なのだそうです。

副交感神経は、血管を拡げ、血流を増加させ、胃腸の働きをよくするだけでなく、白血球のバランスを整え、免疫力を維持してくれます。

副交感神経が弱いと、白血球のうちのリンパ球が減り顆粒球が過剰となると、健康維持に必要な常在菌までも殺してしまうのだそうです。

これが、いわゆる、バランスが崩れて体調を壊すということなのだと思います。

ちなみに、副交感神経が優位になると、リンパ球が増えて、ウイルスに感染しにくくなるのですが、過剰になりすぎると、これまたよくないみたいで、リンパ球が余り過ぎて、わずかな抗原に反応してしまうアレルギー症状が出てしまうようです。

年を取るにつれて、副交感神経の働きが下がってくることから、この本は、副交感神経が過剰になることよりも、どうすれば高めることができるかというところを中心に書かれています。

 

2.どうすれば、副交感神経を高められるか。

副交感神経を高めるために、温かい気候などの環境も大切のようですが、何より、精神状態の影響が大きいようです。

この本で、繰り返し述べられている重要なポイントは、ずばり、 「余裕をもって」「ゆっくり」と行動することです。 余裕を生むためには、

  • しっかりと準備や練習をする。
  • 朝、早起きする。
  • ゆっくりと深い呼吸をする。

実は、ジョギングより、ウォーキングの方が体には良いらしいです。呼吸がゆっくり、深くなるからということです。

その他、以下のような習慣が大切なようです。

  • 怒らずに笑うこと。
  • 水を飲むなど、胃腸に刺激を与えること。
  • 夜は、ちゃんと寝ること。

 

3.朝は運動しない

朝、ジョギングをしようかどうかというのは、常に迷うところでした。

この本では、朝の運動を推奨しないことがきっぱりと書かれていて、これを読んでから早朝にジョギングをする気持ちは無くなりました。

朝は交感神経が優位なので、血管が収縮し、血圧も高く、体も硬いので、運動したときにケガや心筋梗塞などを起こすリスクが高いから ということです。

運動するよりも、脳の活動が活発なので(夜の副交感神経の働きも比較的残った中で、交感神経が高まっていくタイミングがよい?)、物事を深く考えたり発想力をつかうようなことをやる方がよっぽどよいみたいです。

 

4.お酒を飲んだら、風呂に入らない。

熱い風呂に入り、身体が脱水状態になると、脳や心臓の血流を確保するために、交感神経が優位となり、抹消の血管を収縮させるとのことで、脱水状態になりがちなお酒を飲んだあとに、お風呂に入ると、心筋梗塞などのリスクが高いので、よくないとのことです。

 

まとめ

特に気になったところと、僕の習慣にしよう!と思ったところを中心に書きましたが、この本では著者ご自身の経験も踏まえて、説得力のある説明が展開されていますので、ぜひ読んでみてください。

世の中のお医者さんからは、まだまだ自律神経に着目した治療などの話を聞くことは少なく、何かとたくさんの薬を処方されることが多いように感じます。

そんな医療に疑問を感じていたのですが、この本を読んで、自分の身体に起こってきたことが、自律神経という視点でうまく説明できることに驚きました。

自律神経とは、教科書的には、本来、自分ではコントロールできない神経ということですが、これを何とかしていくことで、質の高い人生を実現しようという視点は、これからの医療には欠かせない視点になってくるような気がします。

その本質は、「ゆっくりとした深い呼吸」にあり、誰でも心掛け次第で手に入ってしまうので、お医者さんとしては、商売になりにくいのでしょうが、敢えて、そこを掘り起こそうという著者に、感謝したいです。

 

なぜ、「これ」は健康にいいのか?

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