関西文化の日というものをご存知ですか?
実は昨日と一昨日がそうでした。
関西のミュージアムが軒並み無料!というありがたい日です。
ボクは、芦屋市美術博物館で行われていた「広重展」へ行きました。
先日オーディオブックで聴いた「蔦重の教え」で、なんとなく江戸時代の浮世絵というものが気になっていたためです。
生誕220年。なかなかの時間が経ってますが、色あせてませんね。
生誕220年 広重展(芦屋市立美術博物館|兵庫)|ART NAVI EX
総じていうと、とても良かったです。
あまりアートになじみの薄いボクには、よい刺激になりました。素人ながら感じたこと、少しメモしておきます。
150点というボリューム感
まず、作品が沢山展示されてて、お腹いっぱいになりました。どれも細やかに細部まで描かれていて、こんなのを生涯で2万点描いたとは、ものすごいことだ。
空と海の色使いが天才的
空の上の方が宇宙のような濃さの青で、少し白んでいる中に雲があり、また海の近くで青くなり、海と接する。海の色も様々だし、細かい白のさざ波や泡まで描かれている。
空を描いてみたくなった。
雨ってそう描くのか
ふつう雨粒を描くのかなと思ってしまう。
しかし広重さんは線で描いた。
しかも、並行でもなく均等でもないことで雨や風の強さを表してる。
霧の立ち込めた感じをふんわりしたシルエットだけで描いてる絵もあったな。
人物の感情が伝わってくる
すごく細かく描かれた人物で顔はろくにかかれてないのに、その人が退屈してたり、本気になってたりという感情が伝わってくるから面白い。身体のちょっとした傾きなどがそれを生みだしているみたいだ。
いろんな東海道がある
東海道を描いた作品が、いろんな版元から出ていることを知った。
少しずつタッチが違うのは、広重が時代によってタッチを変えていたせいだろうか。
絵に唄を重ねるというバージョンが目を引いた。濃い背景に黒で文字書いたりしてるし、文字小さいけれど、それでもいいんだな。
版画ってどうなってるの?
版画ってすごい。どういう風にあのフワッとした境界やグラデーションや影を作り出すのだろう。やはりもともとは手彫りなんだよねぇ。
ちょっと調べてみると、浮世絵に色付けをしていく神業の動画を見つけました。
世界の木版画 浮世絵 Japanese Woodblock Printing, Tokyo JAPAN - YouTube
絵師はもちろん大事だけれど、彫り師と塗り師によってだいぶタッチが変わるだろうな。
というか、チームワークが問われそうだ。
ここをこんな風にできないかい?
それは難しいが、これならできる。
よしじゃあ、雨はこう描こう。
みたいなやりとりの中で、斬新な絵が生まれていったのではないだろうか。すごいなぁ。
保永堂版東海道五拾三次之内 蒲原 夜之雪
まとめ
ということで、広重展。よかったです。
たまには、アートもいいですね。
芦屋ではあと数日やってるみたいですよ。