どうも、ぐもじんです。
「世界一受けたい授業」というTV番組に著者が出演し反響をよんでいるという、「自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング」という本を読んだ。
いわゆる、ナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」に代表されるような引き寄せ系の本だが、筆者は意外にも、少し前のベストセラー「話を聞かない男、地図が読めない女」という本を書いたアラン・ピーズである。
彼とその奥さんは、過去に詐欺にあって莫大な借金を背負い、うつ病にもなり、どん底の状況にあったそうだ。そんな状況の中から、この本で紹介しているような思考とやり方によって、気持ちをたて直し、英国に渡り、 住まいを探し、出版のチャンスを得て、ベストセラーを生み出していくに至ったプロセスが、実践の証として、克明に描かれている。
引き寄せ系の話はいろいろ読んできたが、この本は「頭に目標をしっかりと描いたら実現するよ」というおまじない的な話ではなく、脳科学的な話にも触れながら、行動につなげられるように丁寧に書かれているという印象である。
夢を自動的にかなえていくための9ステップとして、ポイントをざっくりまとめておく。
1.やりたいことを紙に書く。
億万長者か小銭もちかの分かれ目を調査するアンケートの結果、彼らの共通点として、やりたいことや目標を持っていることが挙げられたが、はっきりと違ったのは、それを「紙に書い ているかどうか」だったらしい。
なぜ書くことが大切かについては、少し脳科学に触れながら書いてある。
ヒントは、脳幹にある網様体「RAS」という組織だ。
世の中には情報があふれている。その情報をすべて頭に入れた上で処理することは困難だ。だから人は、たくさんの情報の中から、生きていくために必要なものをふるいにかける機能を手にした。その機能を有するのが「RAS」だ。
99.999%の情報は脳から消えている/「ブレイン・プログラミング」 - 1分★読書
赤いバスを探そうと言って街に出たら、いつもよりたくさん見つかったりする、いわゆる「カラーバス効果」と同じ話なのだろうが、とにかく人は、いろいろ見えているようで、全く認識せずにスルーしている情報が山ほどある。
それでも脳は多くのエネルギーを消費する機関であり、身体全体で消費する全エネルギーのうち2,3割を占めるほどらしい。だから、インプットする情報をしぼらなければ、処理しきれないし、エネルギー的にもやっていられないのだ。
そして、そのフィルターをうまく活用すれば、必要な情報が勝手に集まってくるという。
その起点が、目標を紙に書くということなのだ。
2.どうやったらやれるか?は考えず、まずは書く。
なにかをやりたい!と思ったときに、でもなかなか難しいとか現実的ではないと、引いてしまうのは、これまでの自分が有している情報を前提に考えるからである。
まずは、その手段や実現可能性は考えずに、やりたいことを紙に書くことから、それまで見逃していたさまざまな手がかりやチャンスが頭に入ってくる。集まってくる。ただ、あまり漠然と大きな項目を挙げるよりは、細かくステップに分けた目標を書くのが行動しやすくて良いらしい。
脳のフィルターRASを活かせば夢はかなっていく/「ブレイン・プログラミング」 - 1分★読書
3.忘れないようにそのリストを毎日目にする。
それでも人は忘れてしまう。
あの瞬間、これやりたい!とあんなに思ったのに、日々の仕事に追われていると、その思いを奥の引き出しにしまいこんでしまい、思い出せなくなるのだ。
そうなると、さすがにRASの働きは期待しにくい。
4.優先度が高いやりたいことに期限を設定する。
何度もそのリストを見返して、そろそろこれは!と思ったものは、「優先度:高」のリストに移して、期限を設定する。期限を設定したら、脳が本気になり始めるから、いよいよ無意識の中での活動が本格化していく。
5.実現している自分をイメージし、言葉で動機付ける
チャンスが巡ってきたときにすぐに行動するための準備やその意識を高めるために、目標を実現している自分をリアルにイメージするのがよい。映像をみるのも良いらしい。脳は想像したことと体験したことの区別がつかないので、イメージするだけでその資質が鍛えられるし、逆に、イメージできるということは、その資質がすでにある程度備わっているということらしい。
会社の社長になりたいと、その自分の姿を思い浮かべることができるならば、社長になれる基本的な資質がすでに備わっているのだ。
それくらい、イメージすることは、実現可能性とつながっている。
そして、心のブレーキをさらに外すためには、それが実現したときの状態を言葉にして、自己暗示をかける。
いわゆるアファーメーションというものだ。
サーカスの象は、鎖につながれているから逃げ出せないと思いこんでいるが、本気になれば、その鎖ごと杭を引き抜いて逃げ出せるという話がある。
ぼくらも、さまざまな心のブレーキに縛られており、そのブレーキを外すことで、やれないと思い込んでたことがやれるし、その一歩を踏み出せるのだ。
6.自動的にチャンスや必要な情報が到来する。
ここまでやったら後は信じるしかないが、目標に対して高い意識を保てていれば、自動的に、チャンスとなる情報や話が到来する。引き寄せられる。
それまではスルーしていた情報を、RASが集めてくれるというのだ。
7.それを逃さずに行動する。
そのタイミングでチャンスをしっかりとつかんで、行動に移すのだ。無理だからという心のブレーキはしっかり外しておこう。
自分にはやれると信じて、思い切って行動していく。
8.誰かにお願いしたいことは、ちゃんとお願いする。
一人でやれることには限界がある。だから、他人にお願いしなければならないことがある。
しかし、断られるだろう。
ただ、忘れないでほしいと筆者が語るのは、数の論理という話である。
10人にお願いしたら1人は聞いてくれるとか、そういう確率的な話が世の中にはちゃんと存在する。
だから、断られても落ち込むことなく、とにかくまずは10人にしっかりとお願いすればいいのだ。
9.人生の責任は、すべて自分自信にあるという決意で行動する 。
筆者は、熱くこう語っている。
誰かにやめておけと言われたからやめたとか、こういう制約があるからまだ無理なのだとか、自分の外側にできない要因を求めるのはやめにしよう。
本当にやりたいことが何なのかをはっきりさせたなら、あとはやってみるかどうか、それを決めるのは自分しかいないのだ。