昨日の朝、2020年オリンピックの東京招致決定のニュースが飛び込んできました。
東京に住んでいるわけではないのですが、なんだかうれしい話です。
経済効果が期待されるっていうけれど、どれくらいのものなのだろうか。
3兆円という数字を聞きますが、調べてみると、過去のオリンピックとその前後の所得、失業率、GDP成長率などの推移を調べた学生の論文(第32回法政大学懸賞論文優秀賞)が目に留まりました。
■ オリンピックがGDP伸びなどに与える効果は大きくない
この論文のデータや考察は、「え、そうなの?」と思うものでした。
オリンピックの経済効果(GDPなど)は、次のように、あまり大きいとは言えないから、多くの税金を投入することの妥当性をよく見極めるようにというのが、結論だったのです。
過去の日本におけるオリンピックの分析では、一国単位の分析からはオリンピック前での民間企業設備や民間最終消費支出の伸びによるGDPの伸びが観察された。また、開催地別のGDPの推移でも主に建設業によるGDPの伸びが観察でき、ある程度のオリンピックの経済効果が認められた。しかし、HPフィルターを用いた分析から明らかなように、やはりオリンピックによる効果は総じてそれほど大きいものではなく、開催後のGDPの反動減の傾向も考慮に入れると、経済効果はほとんどないと考えられる。
果たして、オリンピック開催に向けて多くの税金を投入することに本当に意味があるのか、経済不況の日本において、限りある資金の効率的な使い方であるのか、しっかりとした議論や見極めが大切である。
■ それでも招致する意味がある
そんなことはないのでは?各国が招致したがる理由があるはずです。
例えば、発展途上国がオリンピックを開催するというのは、一人前の国であることを認めてもらうという意味でとても意義が大きいと思います。
特に、インフラ整備をどうせやらないといけないという段階にある途上国は、その投資は全く無駄にはならないので、おいしい話です。
今回の2020年TOKYOの場合はどうかというと、やはり、経済成長が鈍り、福島原子力発電所の事故などで国際的なプレゼンスが下がっているのが現状ですから、それを回復するという意味で、オリンピックは意味があるのだと思います。
世界中の人々が、日本という国を、まだやれる国だと考えてくれれば、株や土地を買う人も増えてきます。
株価については、「東京オリンピックの経済効果および過去のオリンピック開催国の株価推移(日興アセットマネジメント)」の記事にグラフが掲載されています。
リーマンショックなどの影響もあって、よくわからないところもあるのですが、基本的なトレンドは、やはり上がっていく感じに見えます。
東京の地価についても、インフラが整えば価値が上がりますから、やはり上がっていくのでしょう。
■ このチャンスを活かして日本のファンを増やすことが重要
オリンピック開催が、日本への期待感を高め、株価を押し上げるとしても、実態が追いつかないと、単なるバブルになってしまいます。
我々は、このチャンスを活かして、さらに発展していくには、世界中から注目を浴びたときに、日本の文化や人間性や技術の高さ、先進的な取り組みなどをアピールして、日本のファンを増やすことが重要になってくるでしょう。
あと7年という月日は、おそらくあっという間にやってくるでしょうから、無駄なく、精力的に準備をしていく必要があるでしょう。
今日は、お、ちょっと面白くなりそうだ。と感じさせる、グッドニュースからのエントリーでした。猪瀬知事、やりましたね!
以上でーす。