今週のお題は「自由研究」ということですが、「自由研究」と言えば、やはり小学生の夏休みの宿題っていうイメージですね。
「研究」というものは、本来、あたらしい発見に向かって行うものであるのに対して、「自由」研究の「自由」という言葉には「新しくなくてもよいから、あなたが気になることやあなたの中での新しい気づきに向かって、自由に研究してみてちょ」って、いう優しさや寛容さが込められているように思います。
だから、日頃から疑問に思っていたことを、この際いろいろ実験や調査をして、答えを探していくということはもちろん王道であるし、
何かモノを作ってみて「分かったこと」「気づいたこと」をまとめるというモノづくり系の自由研究もいいのでしょう。
昨日はそんなものづくり系自由研究の参考として、ワークショップを利用する例を紹介しました。
自由研究に役立つ!ワークショップフェスに行ってみた。 - Voyage to the Future
そして今日は、日頃から持っていた疑問にアプローチする話について書いてみたいと思います。
■ 研究というものは「疑問」を設定することが一番難しい。
日頃から疑問に思っていることはなんですか?と聞いたときに、すーーっと出てくる子供がいたら、その子供は天才の卵かも知れません。
子供たちは、おそらく世の中の物事を知ることに必死になっています。
たくさんの新しい出会いや経験の中において、それがなぜそうなっているのか?誰がそれをどうやって作ったのか?ということにいちいちアンテナを立てながら過ごしていると、とても処理しきれないくらいの疑問に満ちてしまうでしょう。
だから、出会ったモノゴトに対して、それほど疑問を持たずに、どんどん受け容れて適応していくのでしょう。
それはそれで、大切なことですし、柔軟で、スゴイことですよね。
だから、「何か疑問に思っていることある?」って、急に振られても、子供たちは困ってしまうわけです。
まあ、そういうことを考えるきっかけを与えることが自由研究のねらいなのかもしれませんが・・。
■ 自由研究の「疑問」「課題」を設定するコツ
一般的に、研究の始めにある一番むずかしいことであり、かつ、大切なことは、「リサーチクエッション(RQ)を明確にすること」だと言われます。
つまり、自由研究においてもその「疑問」や「課題」を設定することが一番難しいのです。
逆に、それさえ決まれば、やることは見えてくる。
「疑問」や「課題」を設定するコツは、「実行可能性」と「興味」を考慮することです。
リサーチ・クエスチョンにたどり着くためには、2つの重要な要因を考慮しなければなりません。実行可能性と興味です。
たしかに、子供たちの思いつく疑問の中には、それに答えを出すために何をすればええねん!というくらい壮大なモノもあるでしょう。
例えば、「人は死んだらどうなっちゃうの?」という疑問は確かめようがないわけです。
つまり、自由研究としては、ほどよいスケール感で落としどころのある疑問が求められます。
■ 子供たちの「疑問」を引き出す方法
そういうコツというか落としどころを頭の片隅に置きながら、子供たちの疑問を引き出しましょう。それには、以下のような方法があります。
1.普段スルーしていることを、改めて一緒に考えてみる。
夏休みに入っても、いろいろと日常生活を送るわけですから、そこで普段スルーしてしまうようなことを立ち止まって、一緒に考えてみましょう。
そういう「なぜなぜ」の日を1日作ったりしてはどうでしょう?
・なぜ、目覚まし時計は鳴るの?
・虫歯ってなんなの?
・扇風機はなぜ回るの?
・ピアノはどうやって鳴るの?
・雨はなぜ降るの?
・台風ってなんなの?
・スーパーの袋要らないって言ったのはなぜ?
上記は、ほんの一例ですが、子供たちが興味を持っていることについて、いろいろ掘り下げると、なおいいかもしれません。
2.明らかに不思議な現象をみせて、なぜだか考えさせてみる。
上の方法は、日常の話を起点にしていますが、それが難しいという場合は、子供たちに明らかに不思議な現象をみせて、なぜだか考えさせるという、むりくりな方法もあります。
これには、最近ボクは初めて知ったのですが、NHKの考えるカラスのシリーズの映像なんて、うってつけでしょう。
考えるカラス [理科 小中高]|NHK for School
この番組は、本当に画期的だと思うのですが、不思議な映像を見せておいて、その理由をまったく説明しないのです。
「後は考えて。」というスタンスです。
先日の放送では「アリがノートに描いた線をよける」というのもあり、これを見た子供たちは、「えー、なんでやろー」と、手品を見た後のように不思議に思いながらも、理由を考えようとしていました。
こういう映像で疑問を引き出してしまうというのもいいと思います。
■ 疑問を決めた後にやること
疑問さえ、決まれば、あとは簡単です。
その答えをいろいろ考えてみて、こういうことではないか?という仮説を立てます。
その仮説が正しいかどうかを確認する方法を考え、確認します。
そうすれば、答えがでるというわけです。
研究の始まりと終わりには、この「疑問」と「疑問に対する答え」をハッキリと書きましょうね。
そうすれば、自由研究の仕上がりとして、ものすごく良くなると思います。
自由研究をやらされ感でやってしまってはもったいないので、この機会に親子の会話を増やして、普段では子供たちが考えることがないようなことに向き合う時間を作ってみましょう。
自由研究のヒントをさらにまとめた以下についてもぜひご覧ください〜。
今日は、いじょうでーす。