Voyage of Life

3人の子育てパパが日常と読書から学んだコト

パナソニックの開発する人工光合成システム(効率0.3%)がすごい

 

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今日の日経新聞の1面は、パナソニックの開発する人工光合成の効率が植物の0.2%を超えたという記事でした。
 
 2012年あたりから見かけて、とても気になっていたこの開発ですが、ちゃんと成果を上げていっているのですね。
パナソニック、スゴイです。
 ・光電極に窒化物半導体を採用。光により励起された電子を二酸化炭素の還元に必要なエネルギー状態にまで一気に高めることに初めて成功。
・還元電極に電子が伝わりやすい金属の触媒を用いることで二酸化炭素の反応を促進。電気的な損失が少ないため、反応速度が高速化されるとともに、金属の種類を変えれば有機物を選択的に生成することが可能。

“反応に用いる電極を全て無機材料のみで構成するシンプルかつ高効率なシステム”である、という点が、パナソニックの独自技術なのです。
 人工光合成のことをボクが知ったのは学生のときですが、これさえあればエネルギー環境問題は解決できるじゃないかとワクワクして調べたのを覚えています。
しかし、当時主流だった光合成技術は有機物を利用するもので、わけのわからない化学の式がたくさん出てきて、工業化には程遠い印象でした。
 
今回のパナソニック先端技術研究所の技術は、無機材料のみで行えるということで、工業化への夢が膨らみます。
 
実験装置が以下のように公開されてますので、これでイメージがつかめると思います。光と酸素を供給すれば、二酸化炭素がメタンなどのエネルギーに替わるというのは、本当にスゴイですね。

 
 
 
良く知らないので、イメージだけですが、CO2って、腕が4本の炭素原子と腕が2本の酸素原子が、がっちりと2本ずつの腕で結合しているので、そうそう外せなさそうというイメージでしたが、それが還元されるのはスゴイなという感じがしました。
 
触媒と半導体という組み合わせは、パナソニックの強みを活かしたわけで、二酸化炭素をギ酸やメタンやエタノールに変える以外にも、いろいろと応用が効きそうな気がします。
 
課題としては、やはりシステムとしての経済性でしょう。
変換効率というのは、ここでの定義は、100%の光エネルギーを受けたときに生成される燃料の有するエネルギーのことのようです。
これがたとえ1%というのであれば、それなりの二酸化炭素を処理して、それなりの燃料を作り出すためには、広大な面積が必要になります。
それこそ、森のような面積の装置にうまく太陽光をあてて、二酸化炭素を供給し、燃料となるガスを回収しなければならない。(ヘタをすると、メタンの方が温室効果が高かったりして、何をやっているかわからないことになります)
 
だったら森を作ればいいじゃないという世界から、グンと差をつける必要があるのですが、それが植物の5倍の効率というのでよいのでしょうか。
 
また、触媒側へ供給する二酸化炭素は、どのような濃度(純度)でもよいのでしょうか?実験で使用されている二酸化炭素の純度が高くて、効率がこれに依存するのであれば、二酸化炭素の純度を高めるプロセスも入ってくるでしょうから、それも考えたうえで、植物の効率というか合理性に打ち勝たねばなりません。
 
いろいろ気になることを書きましたが、地球温暖化の問題をおきざりにして、とにかく二酸化炭素を排出しまくる世界の状況に対して、子どもたちの未来は危ういと考えていますので、とにかく、このようなチャレンジに、ボクは期待しています。頑張ってくださいー。
 
今日はいじょうでーす。