家族こそが世界である
☑子供は命がけで親の愛や関心を引こうとする
子供にとって家族こそが世界であるとアドラーは言っています。
この本にも触れられているのですが、確かに人間の赤ん坊は極めて弱い状態で生まれてきます。親に放っておかれたら生きていけません。
そんな生き物である人間は、親の愛や関心を引くことの重要性を遺伝子レベルで知っているのでしょう。
☑兄弟姉妹は親の関心を奪い合うものである
特に、兄弟姉妹がいる場合は、親の愛や関心を奪い合う競争がうまれます。
イヌワシとかカツオドリのヒナは、親の愛というか持ってくるエサを独占したいがためか、強いヒナが弱いヒナを殺してしまうというのを聞いたことがあります。
一度にたくさんの子供を育てられない動物には、このような強い個体が選ばれる厳しい仕組みがあるのです。
(それでもイヌワシは絶滅の危機らしいですが・・参考:イヌワシについて | 日本イヌワシ研究会 オフィシャルサイト)
人の場合、ここまで兄弟/姉妹間の争いが厳しいわけではないのでしょうが、ある程度は同じような自然の摂理が働いているのかもしれません。
☑親の関心を得るための戦略が子供の性格形成につながる
つまり、子供にとって、どうすれば親の関心を勝ち取れるかという問題が日々のメインテーマになります。
勉強を頑張ることで親に認められた子供たちは、ますます勉強を頑張っていくとか、スポーツで活躍したことで親に喜んでもらえた子供たちは、ますますスポーツを頑張っていくのです。
いい子でいたら、いい子だねーと親に褒められた子供たちは、ますますいい子であろうとするのです。
何か頑張っても認めてもらえないと感じた子供たちは、問題行動をして、親の関心を無理矢理に得ようとしたりするのです。
お姉ちゃんが褒められたら、私だってすごいんだよと、妹は対抗してくるわけです。
そういう家族環境の中で、子供の性格は形成されていくということらしいです。
アドラー心理学では、そのような家庭環境を調べながら、その人の性格を見ていくというアプローチをとるほど、子供のころの家族環境は大切だということです。
ちなみに、子供3人などと兄弟が多い場合は、「第一子、第二子、第三子という境遇」がその子の性格に及ぼす影響がとても大きいらしいですよ。