Voyage of Life

3人の子育てパパが日常と読書から学んだコト

必要なのは技術力よりも勇気〜世界の磨き職人小林一夫氏の言葉〜

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  先日、テレビを見ていると、世界が認めるすごい日本企業として、磨き職人の小林一夫氏が特集されていました。
 
19歳で小林研業を起業し、工場は決して大きいわけではないが、その磨きクオリティによって、今やiPodの背面鏡面加工などで世界に名を馳せるまでになった。
この番組ではざっくりとした短時間の特集でしたが、すごく心に残ったことがあったので、2点挙げておきます。

 

敵を知り、戦う場所を見極めることが大切

彼の転機は、中国の研磨工場を見学したことでした。ものすごい人数で広い工場で研磨作業がなされているのを目の当たりにした時、彼らと同じように、単に効率化を目指して数をさばき、価格勝負を挑んでも勝てるわけはない。こう痛感した彼は、大型の研磨装置を廃棄し、手作業をベースとした難しい研磨の領域で勝負することを決心したとのことです。
 
世界をうならせるほどの、手作業での磨き技量を手に入れることは簡単ではなかったと思いますが、その方針転換がとても大切だったのだと思います。
 
効率化とコスト低減だけでは戦えないというのは、日本の製造業全体に言えることだと思いますが、その思い切った舵取りや戦略がとれているかを我々も再考してみる必要がありそうです。
 

技術力よりも、やってみようという勇気

世界で神業と称される小林さんに、大切なことはなんですか?みたいな問いかけがなされたとき、彼は次のように語っていました。
 
技術力というものよりも、やってみようという勇気が大切
 
しびれました。
もちろん、技術力がない人には言えないセリフなのでしょう。
しかし、 難しい仕事に対して、勇気を持って受ける!というところに、彼は自分の価値を強く感じているようです。
iPodも、はじめは薄くて熱で歪んでしまって大変だったみたいですが、試行錯誤の末に、ああ、こうやればいいかも。というところにたどり着いたようです。 
 
こんなに一流の人でも、すごい技術があるからなんでもできるよ と余裕で仕事しているのではなく、難しくてできるかどうか不安になりながらも、よしやってみようかと勇気を振り絞りながら仕事をしているということに、少し感動してしまいました。
 
今の日本企業では、失敗や損失を恐れ、リスクを回避するとか、前例はあるのか?というところが問われることが多いのですが、このチャレンジしていく勇気の大切さを我々も見習わなければ、世界で戦える実力は身につけられないのでしょう。
 
技術力よりもまず、やってみようという勇気。
あるいは、
やってみなはれという勇気。
大事だと思います。
 
小林氏については、NHKの番組、プロフェッショナルでも取り上げられているようなのでまた、チェックしたいとおもいます。