最近ではすっかりお世話になっているGoogleフォトをリリースしたり、自動運転車を開発したり、Googleは勢いを失うことなく、次々に製品やサービスを生み出し、暮らしを変えつつあります。
これほどまでにGoogleが成長を加速させられる理由は何なのでしょうか?
思いつくのは、
- 規模を拡大させていったときの20パーセントルール:グーグルの「20%ルール」は死んだか « WIRED.jp
- マインドフルネスと瞑想の活用:グーグル、ゴールドマン・サックス・・・なぜ企業はマインドフルネスに取り組むのか | HBRマインドフルネスブログ|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー
これらのようなクリエイティビティを生み出すGoogleの仕掛けについての話はいろいろと聞きますが、いいアイデアを形にして世の中に打ち出していくその行動力の源は何なのかがとても気になっていました。
失敗も評価すると宣言し勇気を与えている
Googleで働いた経験を持つ、会計ソフトfreee社長の佐々木大輔氏が、GQ JAPANのインタビューで次のように答えています。
Googleは基本的に、何をやってもいいんです。効果が出るなら、多くの予算を使っても構いません。Googleでは失敗をシェアすることが重要で、失敗したチャレンジも評価されました。実験的なことを多くしていれば、「この方法はやらないでください」とか「もしやる場合はこの点に注意してください」と世界に発信することができますよね。その情報を価値あるものだとGoogleは考えているわけです。
普通、会社で何かを始めようとしたら、
この投資は何年で回収できるのか?
成立の見込みはどれくらいか?
という問いがバシバシ飛んできて、いかに失敗しないプランかを説明することで、やっと認められます。
これに対して、失敗してもいいから、どんどんチャレンジしなさい。でも失敗したら、ちゃんとフィードバックするように。失敗で学んだことは価値あることなんだから。
というのが、Google式です。
こんなこと、言われてみたいですし、言ってみたい。
潤沢な利益を基にして、優秀な社員を集め、自由を与えつつ、チャレンジする勇気を吹き込む。そしてまた、優秀な人材が集まる。
自由と責任はワンセットでしょうから社員にとっては決して甘い世界ではないのでしょうが、これが会社として言えるというのは、やはりすごい!
まだまだGoogleの独創状態は続きそうですね。
評価指標の設定はやはり大事
評価なんてくそくらえだ。
そう思いたいところですが、組織で人が居場所を得るためには、周りの人に存在価値を感じてもらうことが大切です。
また、組織の中でやりたいことをやるためにはそれなりの評価を得ておくことが大切になります。
こういうことをみんなうすうすわかっているので、会社が何を評価するのかという指標は、社員にそれなりに大きな影響を与えることになります。
だから、何を評価するのかという評価基準の設定は非常に大切なのです。
ただし、定量化しにくいことを評価することはとても難しいと思います。
だから、ついつい売上とかキャッシュフローとか、目先の説明のつきやすいことばかりに流されがちになります。
Googleが、チャレンジしたことを評価するというときに、具体的になにを見ているのか気になりますが、失敗からのフィードバックによる貢献という難しい評価にチャレンジしていることは確かだと思います。
斬新な評価指標が浸透していることの凄さ
評価指標は影響が大きいといいながら、やや逆説的ですが、失敗も評価するという斬新なメッセージを社員がしっかりと受けとっている状態をつくることは簡単なことではありません。
Googleのような新しい企業はやはり有利なのでしょう。
しかし、古い企業が評価指標を変えようという場合は、すでに社員たちに根付いている文化というものがあるため、そのハードルを越えていく必要があるのです。
だから、このような土壌を作るには、まずトップがそういう発想になって、メッセージをしっかりと発信し、現にそういうチャレンジして失敗した人材にも、ちゃんとした処遇を与えていく必要があるのです。
ということで、今日は、Googleが成長を加速させられる理由のひとつは、失敗も評価するのだと宣言し、それらが社員に勇気を与えているからだ という話でした。
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