夏休みに入ったので、子供たちの夏休みをサポートする記事も増やしていきたいと思います。
先日の記事「読書感想文のコツと課題図書 2015」で、2015年の読書感想文全国コンクールの課題図書として挙げた「はこぶ」は、小学校低学年(1、2年)の部の課題図書になっているものです。
今日は、この本について、少し具体的に紹介したいと思います。
■どんな本か?
「はこぶ」という目的を達成するための手段はいろいろあります。
1人で手で持って歩いて運ぶ。道具を使って運ぶ。フォークリフトで運ぶ。
トラックで運ぶ。貨物列車で運ぶ。飛行機で運ぶ。などなど
人間がものを「はこぶ」手段を、原始時代から現在までどういう風に進化させてきたかということを、1冊に凝縮してイラストにした絵本です。
■読むポイント
・人はこんなに運ぶ道具を進歩させてきた
スタートは原始人。とにかく、手で持って歩いて運ぶのが基本でした。
そこから、たくさんのものを一度に運べるように、人は少しずつ道具を進歩させてきたのです。
重たいものを運ぶには、二人掛かりで運びやすいように棒を使うことも考えました。
はやく運ぶために、フォークリフトや車なども開発しました。
そして、さらに遠くに運ぶために、最終的にはロケットまで使うようになったのです。
「はこぶ」手段の進歩・進化をいっきにイラストで見ていくことで、人間の知恵や工夫の凄さ、歴史というものを感じることができます。
・山を越えるには?海を渡るにはどうする?
今あるものがなかったときのことを想像し、この願いを叶えるにはどうすればよいかを考えることは、子供たちが創造力を鍛えるために、とてもよいトレーニングになると思います。
車はある。しかし、この山や海を越えて運びたい。じゃあどうする?
道路を作ろう。トンネルを掘ろう。橋をかけよう。飛行機で運ぼう。
こういう答えを考える中で、論理的な思考力も養われるのだと思います。
この本は、「今あるものがなかったらどうする?」という想像と思考をすることを助けてくれます。
・おなじ「はこぶ」でも、なぜこんなにいろいろあるの?
おなじ「はこぶ」ということでも、こんなに色々違うんだなあということを感じられると思います。
なぜ違うのか?考えてみましょう。
科学の進歩に応じて、やれることが増えてきたということもあるでしょう。
しかし、そもそものニーズが違うということも大きく影響しています。
速く運ぶには飛行機がよいでしょうが、安く運ぶには船がいい。
じゃあ電車と車の違いはなんなの?
目的や要求に応じて手段は変わるんだなあということを感じられたら、とてもよいと思います。
・この先、どこまで進歩させることができるだろう。
ついに人間は、ロケットを使って、宇宙空間にモノを運ぶということもできるようになりました。先日は、冥王星に無人探査機が近づいたというニュースもありました。
もっと遠くへ。
もっと速く。
もっと優しく。
人間の尽きない要求やはこぶ道具の進歩は、この先どうなっていくのだろうね。
こんなことを、子供たちと話してみたいと思いました。
■まとめ
この本は、「はこぶ」というシンプルな切り口で、たくさんの学ぶきっかけをあたえてくれるとてもよい本だと感じました。