Voyage of Life

3人の子育てパパが日常と読書から学んだコト

「レジェンド:葛西紀明選手と下川ジャンプ少年団ものがたり」を読んで(2015読書感想文課題図書)

先日の記事「読書感想文のコツと課題図書 2015」で、2015年の読書感想文全国コンクールの課題図書として挙げた「レジェンド:葛西紀明選手と下川ジャンプ少年団ものがたり」は、小学校高学年(5、6年)の部の課題図書になっているものです。 今日は、この本について、少し具体的に紹介したいと思います。

 

■どんな本か?

今や世界から「レジェンド」と言われる43歳の葛西紀明選手は、2014年ソチオリンピックのジャンプで個人、団体ともにメダルを取得し、名実ともにレジェンドとなりました。

この本は、そんな葛西選手の生い立ちから今に至るまでのノンフィクションのストーリーが描かれたものです。

■読むポイント

・貧しさに負けない家族の絆

葛西紀明選手は比較的貧しい家に生まれ育ち、苦労している母親を気遣いながらも、自分がやりたいジャンプへの道を歩んでいったようです。

妹の病気、長野オリンピック前の母の死、いろんなものをかかえながら、トレーニングに励み、世界に挑戦していくなかで、彼を支えていた大きなものの一つに家族の絆があったのだと感じました。

・努力は簡単には報われない

努力を続けていても、怪我をしたり、調子を崩して代表に選ばれなかったり、また、いいコンディションで大会に臨んでも、その瞬間風が味方しなかったり、不利なルール改正を強いられたりと、なかなか努力は報われません。

しかし彼は決して腐ることなく、努力を続けました。

努力は報われるとは限らないけれど、努力をしない人間はそのスタート台にさえ立つことはできないのですね!

しかし、こんな状況のなかで、自分ならこんなに前向きな気持ちを持ち続けられるかなぁと感じました。

・強い気持ちを持ち続けることの大切さ

1994年のリレハンメル五輪の団体ラージヒルで銀メダルを取ったあと、葛西選手がオリンピックでメダルを取ったのは2014年のソチオリンピックです。

リレハンメルでは、最終ジャンパーの原田雅彦選手が失敗ジャンプをしたことで、金メダルを逃したあの映像を思い出します。

その後、原田選手は、1998年の長野オリンピックで金メダルを取り、リベンジを果たすことになるのですが、葛西選手は調子がふるわず、個人7位に留まり、団体の代表からも外れました。

その後も、不利なルール改正の中で、もがきつつ、トレーニングを続け、20年ごしのソチオリンピックで、41歳という年齢にも負けずに、またメダルを取るにいたったのです。

20年ごしのオリンピックのメダルですよ!

しかも、このルール改正なんてものは、完全に外乱ですが、それにもへこたれずに自分の道を貫けるというのは、ホントにすごいなぁと思います。

■まとめ

信じられないほどの精神力と努力。

しかし、ノンフィクションだからこそ感じられる圧倒的な説得力がそこにあります。

まだ、葛西選手のチャレンジは続いていくようですが、アラフォー世代としてはホントに勇気をもらえますね。 

読書感想文を書く方は、次のようなところを深掘りすると良いかもしれません。

  • あなたが家族の絆を感じる時はどんな時ですか?
  • あなたは、努力をしたけれど報われなかった経験はありますか?そのあとも努力を続けることができましたか?
  • あなたの努力が報われた経験は、どんなものですか?
レジェンド! 葛西紀明選手と下川ジャンプ少年団ものがたり (世の中への扉)

レジェンド! 葛西紀明選手と下川ジャンプ少年団ものがたり (世の中への扉)