先日の記事(アンガーマネジメント 怒りをなんとかする5つの方法)に引き続き、アンガーマネジメントに関する話です。
今回は、日本アンガーマネジメント協会理事の戸田久実氏の「アンガーマネジメント 怒らない伝え方」からの学びを整理してみました。
怒ってもいい
怒りは自然な感情であり、怒りを感じてもいいし、怒ったっていい。
まず、こういうことが書いてあって、なんだか楽になりました。
だから、怒りに対して「邪悪な感情が出てきてしまった〜」などと感じたり、変に押さえ込もうと意識しすぎなくてもいいんです。
怒りを溜め込むのがよくない
怒ってもいいとはいえ、怒るのは疲れるし、それで問題が解決するわけでもない。
逆に、怒りを溜めて、怒った勢いで行動してしまうことが自分のゴールを遠ざけてしまうことにもなりかねません(「頭に来てもアホとは戦うな!」参照)。
だから、怒りを溜め込んだらダメなんです。怒りを溜めこむ前に、感情をうまく伝えていくことが大切です。
そもそも怒りとはなぜ生じるのかを知る
そもそも怒りが生まれる元には、人それぞれが持っている価値観があります。これはこうあるべき。こうすべき。ここは譲れないという価値観。
それが覆されたり、無視されているような状況におかれたら、どうでしょう。
我慢することによるしんどさやストレスに加えて、「なんだか違う」、「このままではやばい」、「この先に何が待っているかわからない」という焦りや不安も生じてきて、最後は怒りの感情が生まれてくるのです。
例えば、
- やりたいことがうまくできないとき、「こんなのうまくやれるべきなのに」という価値観があるから、怒りが生まれるのです(初めからうまくやれるわけないと思っていれば、怒りは生まれない)。
- やりたいことがやれないとき、「自分がやりたいことをやる自由や時間をちゃんともつべき」という価値観があるから、怒りが生まれてくるのです。
- あまり仕事しない人がいるとき、「やるべきことはちゃんとやるべきだ」という価値観があるから、怒りが生まれてくるのです。
だから、まず、この怒りは、自分のどんな価値観から出てきたのかを知り、それが本当に守るべきものであったら、しっかりとそれを伝えれば良いのです。
変に我慢して溜め込んだりすると、怒りが爆発してしまって、よくない状態になります。伝えるべき怒りや感情かどうかを客観的に整理して、伝えるべきものはクールにしっかりと伝えることが大切です。
相手にとって、唐突になってもいけないし、理解されないので、普段から自分の価値観を他人に伝える努力をしておくことは大事なんでしょうね。
そして、自分の価値観(こうあるべきと考えていること)を書き出して、それって、他人にとっても押しつけるものなのかを見極めたり、こだわるほど重要なのかを考えておくことで、怒りが生まれにくくなるかもしれません。
怒りを溜め込まずに感情をうまく伝える
そのように怒りという感情を爆発させずにうまく伝えられる人には5つの特徴(5つの法則)があるということです。
- 許せる/許せないの境界が明確で安定している。
- 気持ちを表現する言葉をたくさん持っていて、相手にうまく伝えられる。
- 自分の感情を客観視できる。
- 相手がぶつけてきた怒りを聞き流す/冷静に何が言いたいかを確認できる
- 自分の当たり前は、相手にとっての当たり前ではないことを知っている。
まず、自分のことをよく知ることが大切なのでしょうね。そして、世界にはいろいろな人がいるし、そんな人と人が作ってる世界なんだから簡単にはうまくいくわけはないということも知っておく。そうすれば、焦らず落ち着いて、冷静に行動できるのだと思います。
それから、気持ちをうまく言葉で表現できる人、職場のベテランにもいますね。
この人は、「ちょっとそう言われると焦りを感じてきました」とか、「そこは返事がないと不安になってしまう」とか、結構正直に、自分の心の状態を実況的に相手に伝えていくんですよね。
そうして、ちゃんと相手に思いが伝わり、怒りを溜めこまなくて済んでいるんだなあと、いつも感心させられています。
まずとにかく冷静になる
とにかく冷静になることが大事というのはよく聞きますが、そのためのテクニックとして紹介されている以下はちょっと面白かったです。
怒りを数値化する
あ、この怒りは、怒り度数60%やなとか、そういうことを考えることで、自分の怒りを客観視できます。
相手とやりとりしている自分から幽体離脱して、上から見ているような気持ちになれれば、もう言うことないのでしょうね。
頭の中を真っ白にして思考を止める
怒りで頭の中がいっぱいになり、次に何を言ってやろうとセリフが洪水のように頭を渦巻いてしまうと爆発寸前の状態になります。
その前に、あえて思考を止めてしまいましょう。
頭の中を一瞬にして白紙にするというトレーニング。ちょっとやってみると、うん。やれないことはなさそうですね。まさに幽体離脱的に映るかもしれませんが・・。
その場を離れる
幽体離脱もなにも、本当にその場から距離を置くということは、無用なやりとりをさけ、冷静になるためには大切ですね。
有酸素運動する
ジョギングやウォーキングやヨガなどの有酸素運動が怒りを沈めるのにもよいみたいです。幽体離脱するほど器用ではない人は、その場を離れ、ちょっと歩いてみるのがいいのかもしれませんね。
そして、どうして欲しかったかを具体的に対等に伝えればいい
冷静になれればこちらのものです。
怒りを声高にぶつけるのではなく、人格否定もせず、すねたりイヤミを言うこともせず、なにをどうして欲しかったかを具体的に伝えましょう。
その際、相手の価値観や主張、立場を大切にして、対等にコミュニケーションすることが大切なようです。
確かにそうですよね。
怒りではなく、「自分はこういうところは大切にしたいと感じているから、今回みたいなときは、こうして欲しいと思ったけれど、どう?」とか、ちゃんと話をすればよいのですよね。
ということで、「怒りを溜めこまないでうまく伝えるコツ」について、頭で整理したことを書いてみましたが、ボクの主観が含まれているところがあるので、気になった方は、ぜひ原著をチェックしてみてください。