Voyage of Life

3人の子育てパパが日常と読書から学んだコト

騒音を抑えた超音速旅客機は実現できるのか

 

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超音速旅客機への期待

超音速ジェット機がもし開発されたら、今まで7時間かかった距離が4時間、東京からロサンゼルスまでも6時間とかで行けるらしい。これはものすごいことですね。
 

超音速旅客機の課題

超音速旅客機は、実用化されたことがあります。事故をきっかけに姿を消してしまいましたが、コンコルドがその代表例です。
つまり、スピードを出して音速より速く飛ぶことについては、すでに実現できるレベルにあるんです。
しかし超音速旅客機には、燃費の問題のほかに、ソニックブームという騒音の問題があります。
コンコルドが廃止になったのは、それが原因と言われているのですから、今後、超音速ジェット機を実用化するためには、この衝撃波によるものすごい騒音をなんとかしないといけないのです。
 
ソニックブームって、どんな音なのか、ここでおさらいしておきます。
以下の動画をチェックください。
すごい音ですよね。

 

静かな超音速旅客機の開発は日本が先行

この騒音を少しでも減らすために、主翼や機体の形状を工夫することなどが試みられてきました。
日本ではJAXA(宇宙航空研究開発機構)が富士重工と組んで開発を進めています。
以下の記事を読むと、難しさがわかりますね。戦闘機とは違って旅客機は長時間超音速で飛ばないと意味がありませんから、騒音と経済性を両立しなければならないが、それらが相反するところもあるみたいです。
機体の先端を丸まった形にすると、ソニックブームの音が弱くなります。しかし、先端を丸めると空気抵抗が大きくなり、飛行効率が悪くなってしまいます。機体の形状を工夫することと、コンピュータを使って効率的に設計することにより、その両者を満たす良い解決法を見つけたいと思います。

JAXA|静かな超音速旅客機を実現するために

 
しかしそれを少しずつ前進させて、2015年10月に、大規模な実験によって、機体形状の工夫で騒音が低減できることが実証されています。

fanfun.jaxa.jp

個人的にはエンジンを積んで試験してないところが気になります。

すごく高い上空から自由落下させた試験による実証の結果なので、エンジンを積むと、また機体としての空力特性は変わってしまうでしょう。

そして、航空機エンジンは、外国製に頼るという今の航空機の構図のなかで、日本の超音速旅客機の開発をどう進めていく構想なのでしょうか。

NASAの追撃

このJAXAの動きとの関係はわかりませんが、アメリカのNASAは、ロッキードマーチンと組んで、静かな超音速旅客機の開発を開始することをこの2016年3月1日に発表しています。

JAXAとNASAの協力関係が全くないのかよくわからないのですが、なんとなく、アメリカが日本の動きを見て、急いで来年度の予算をつけてきたという想像をしてしまいます。 それなりにこれまでも開発してきたはずですけどね。

www.nasa.gov

まとめ

というわけで、まだまだこれからの話かもしれませんが、20年後には超音速旅客機はそれなりに飛んでいる気がしてなりません。

それに向けて、本気で動き出したアメリカに日本が勝てるのか。

国際協力や企業の巻込み方などが大切になる大規模な開発事業において、JAXAは、実用化に向けた粗写真をどう描いているのか、今後も目が離せません。