64万部を突破したという「伝え方が9割」の第2弾を読みました。
似たようなタイトルの本を読んだことがあったこともあり、なんとなく第一弾も、これまで読まずにいたのですが、前書きをちょっと読んだら、とっても魅力的だったので読んでみることにしました。
あ、読みたい!と感じたのは、伝え方を改善するメリットが超わかりやすく書いてあったからです。
頑張ってやることをしっかりやっているのに、あまり成果が見えてこなかったり、世の中からの認められ方がイマイチだったり、仕事がスムースにいかなかったり。
その原因は、伝え方(かも)
それを改善すれば、いっきにうまくいくかもしれないよという話に、まんまと乗ってしまったのです。
そして、著者のコピーライター佐々木圭一さんが、新人時代にいいコピーが全く浮かばなくて、焼け太りみたいになるくらいまで悩んだけれど、たくさんの成功例を分析したら、ある日よいコピーを書けるいくつかのルールが見えてきて、それ以来、劇的に評価が変わったのだとか。その秘伝のレシピを惜しげもなく紹介してくれている本です。
ためになったところと感じたことを今日は書きます。
ノーをイエスに変えるための3ステップ
うすうすわかっていましたが、ここまでハッキリスッキリ書かれると、頭に刻み込むことができました。
何かを人に伝えたり、お願いするために、まずやってはいけないことは、
①自分の頭の中をそのままコトバにしない
ということです。そして、
②相手の頭の中を想像して、
③相手のメリットと一致するお願いをつくる
これだけです。
よく、いかに自分を捨てられるかが大切と言いますが、
いかに相手の視点に立てるかが9割なんでしょうね。
イエスに変える7つの切り口
相手のメリットと一致するお願いをするという3ステップ目では、7つのパターンがあるとのことです。
これは、人間というものが何に幸せを感じるかという価値観と直結していますね。
人のもつ以下のような特性を活用して、相手のメリットを考えようという切り口が紹介されています。
- 好きなことに向かって前進したい
- 嫌いなことは避けたい
- 選択の自由を持ちたい
- 他人から認められたい
- あなただけと大切にされたい
- いっしょにやろうと言われたい
- 感謝されたい
1つ目の好きなことというのは、幅広いですね。
とにかく安心したい相手には、安心させるようなコトバが有効でしょうし、成長していきたい相手には、ここさえ頑張れば成長できるよというコトバが勇気を与えるでしょう。相手のことをよく知ることが大切なわけです。
強い言葉を作る8つの技術(レシピ)
そして、強い言葉を作るための8つの技術(レシピ)も挙げられています。
反対の言葉をうまく並べるとか、繰り返すとか、数字を使うとか、聞いたことがあるものも含まれていますが、この8つは、かなり役立ちそうだと思いました。
使えますよ、これは。本当に使えます。
これまで耳にしたことのある名言や名コピーを例に挙げながら、このレシピの有効性をわかりやすく説明してくれているので、なるほど!と頭の上にビックリマークが立つ。そして試してみたくなる。そんな感じでした。
実際は、伝え方が9割というわけではないと思う
伝え方が9割と聞くと、残り1割は何なのさ。
まあ空気を読んで、普通に考えると、「良いアイデアを考えて、今をより良い状態にすること」でしょうか。
特に、ボクみたいな技術職の人間は、ここに価値を見出そうとしがちですが、そうでもないんだよということです。
昔、社内説明へのこだわりが西日本No.1ではないかというくらいの上司がいて、その人がこう言ってました。
どんなにすごいことを考えても、うまく伝えられなかったら、100×0で0なんだよ
そんな話に近いんでしょうね。
伝え方で勝負している代表選手としては、営業職の方が思い浮かびます。
製品や情報は自分では変えられない中で、それをどういう風にお客さんに伝えるかで勝負する。そして、それによって相手の受け取り方や世界までを180度変えてしまうこともある。ほんとに、営業ってすごい仕事だと思います。
これを感じさせてくれたのは、ボクの尊敬する同期やメーカーの営業マンの振る舞いですが、彼らを見ていると、伝え方以外にも大きいものがあると感じます。
彼らは、伝え方というテクニックの話以前に、お客さんと普段から話をしながら距離感を縮め、ハートをがっちりとキャッチしているのです。
超一流の営業マンが実践している3つのスゴイこと - Voyage of Life
これがとてつもない違いを生み出すのは間違いありません。
「超一流の雑談力」という本も売れましたが、あれはどちらかというと、こちらの話かもしれません。
相手の利益を考えて行動し続けるという態度や習慣そのものを含めて、筆者は「伝え方」と呼んでいるのかもしれませんけど、そういうマインドも十分にある人が、このような伝え方のコツを身につけたら、世界が変わっちゃうよ!ということなのかもしれないと、なんだかワクワクしてきました。