先日の記事では、人生の選択において、コレさえあればスッキリ決められるよという話を書きました。
【読書】自分のアタマで考えよう(ちきりん著)人生の選択をすっきりと行うヒント
自分の判断基準をクリアにして絞り込むこと。
そのために、めざす姿や目標を定めること。
それができていれば、物事を決められる。
就職だって、結婚だって、仕事だって、なんだって決められる。
簡単だ〜
という気になるけど、やっぱりそんなに簡単ではないと、ボクは思う。
例えば、就職活動(就活)のとき、とても悩んだ自分を振り返ると、「めざす姿さえ決めればいいよ」と言われても、全然納得できなかったかもしれません。
そもそも、自分のめざす姿はどうすればはっきりするのか。
これは難しい。今でもまだ、他にあるのかもという思いがときどきは浮かびますし。
そして、判断基準があったとしても、選択肢のことを知らなければ、それに見合う判断ができるわけでもないと思うのです。
そこで今日は、もう15年くらい前の話ではありますが、自分の就職活動の頃、あの時、自分はどうしたんだっけと振り返りながら、人生の大事な選択をする際に考えてみるべき5つのこととして整理してみました。
就活を切り口にしているので、就職活動で悩む方はもちろん、何か大きな選択や決断を迫られている方の頭を少しでもスッキリさせられたらという思いを込めて、今日は書きます。
1. 世の中のこと
ちょっと飛んでしまいますが、まずは世の中の状況を知りましょう。
世の中で求められそうなことは何なのか。
やっぱり、困っている誰かの役に立てたり、誰かが求めてることを提供して、喜んでくれたらうれしいものです。
そして、世の中の常識や仕組みを知り、移り変わりを見据え、面白そうな世界がどこにあるかを知っておきましょう。
すぐに困った状況に陥らないように、世の中の動きを把握しておきましょう。
世界は広いです。ああこんな世界もあるんだなということを広く知りましょう。
2. 自分の好きなこと
自分が日常の中で幸せだなあと感じるのはどんなときでしょうか。
そこに、あなたの価値観があります。
どんな感情や感覚が自分に幸せをくれるのか、その肌感覚や心の動きを右脳で感じてみましょう。
例えば、
誰かを喜ばせるのが好きでたまらないとか、
人前で話をすることが気持ちよくて仕方がないとか、
たくさんの人と関わりながら何か一つのことを作り上げることがたまらなく好きとか、
一人で実験をして何か新しい発見をするとゾゾ毛がたつほど興奮するとか、
どきどきしてしまうような新しいことは絶対に嫌で、ルーチン的な仕事をちゃっちゃとこなすことに集中している自分が気持ちいいとか、
じっくりと少しずつ長い期間をかけて何かを完成させたときの喜びがクセになってるとか、
人それぞれだと思うんです。
誰かに貢献することがうれしい
みんなとのつながりを持ちたい
どきどきワクワクしたい
安心して平穏に過ごしたい
成長を感じたい
オモロイな〜と思いたい
人が何に一番幸せを感じるかというのは、人それぞれだと思うんです。
それをまずは知りましょう。答えは日常の自分の中にあります。
自分のことを知りましょう。
自分の強みを考えることはもちろん有効ですが、やっぱり好きなことじゃないと幸せな気持ちにつながっていけません。
3. めざす姿と自分のフィルター
世の中を知り、自分を知る。
世の中で求められるものと自分の好きなこととが重なる領域を感じることで、「めざす姿」というものが見えてきます。
そして、自分の好きなこと・価値観が「判断基準」という形で見えてきます。
判断基準は、何を選ぶか、選ばないかという自分のフィルターであり、それがぐっと絞られていれば、ぶれることもないのでしょう。
しかし、凡人にはぐっと絞るのはなかなか大変なことです。
実際には、具体的な選択肢に対するイメージを膨らませながら、判断基準の優先順位をつけていくことになるような気がします。
4. 選択肢
いくつかの選択肢があるのなら、自分がどの選択をすればどんな状態になるかをイメージしてみてください。
イメージすることで、判断基準が自分にとってどこまで大事なものなのかがはっきりしてくるでしょう。
そして、イメージする力がなければ、その選択が自分のフィルターを満足するものなのかどうかさえわからず、選択できないのです。
実際にその選択をしたら、どんなことになるのか。
どういう暮らしになって、どういう過ごし方や動きをすることになるのか、どんなことに我慢をして、 何を喜びにできるのか。
よくよく想像してみましょう。
最近は、就職活動だとインターンシップというのも多いみたいですし、SNSを活用すれば、すでに就職している先輩や同じ就活する仲間との情報共有も簡単ですよね。
職場を見学できる機会があれば、逃してはなりません。
眼を見開き、毛穴を全開にして、職場の空気を感じ、働いている人の眼が輝いているかなどをチェックしまくりましょう。
自分の判断基準という切り口がはっきりしてきていれば、的を外さずに情報を入手できて、なおよいと思います。
5. デメリット
何事もメリットだけではありません。
デメリットは絶対にあります。
でもその悪いことも、取り方によっては良いことにもなり得ます。
自分の選択によって受けざるを得ないデメリットを知り、それも含めて受け容れる。
その覚悟が必要なんだと思います。
ただ、何かを選ぶ前の情報収集にはやはり限界があって、やってみなければわからないことは、たくさんあると思います。
しかし、あらかじめ、「デメリットもわかった上でこれを選んだ」と言える状態になっていることはとても重要です。
ちきりんは本の中で「1点豪華主義で選ぼう」ということを書いてました。
そのうち、悪いところは何かしら眼についてしまうものだから、とにかく自分はここがイイと思って選択したポイントがはっきりしているか。こういう切り口もありだと思います。
ボクの選んだ道(参考例)
何かの参考になればと、ボクが今の仕事を選んだときのことを少しだけ書いておきます。
ボクも、一般的なサラリーマン家庭に生まれ育ち、本当に世間知らずでしたが、大学にも行かせてもらい、いろいろなアルバイトをして(勉強もしましたけど)、就職活動の2年くらい前から、どこで働くかという目線で世の中のことを眺め始めました。
そして、ひねり出した「めざす姿」「自分のフィルター」「選んだ仕事」は次のようなものでした。
<めざす姿>
たくさんの人と関わりながら、今世の中にない新しいものを生み出して、ワクワクしながら、じっくりと環境・エネルギーの解決に役立つ仕事ができること。
<自分のフィルター>
・環境、エネルギーに関する仕事
・新しいモノを生み出せる仕事
・狭く深いのではなくて、広く浅い技術を扱う仕事
・一人じゃなくて、チームで取り組む仕事
・めまぐるしい分野ではなくて、じっくりと成果が出るまでの期間が長い仕事
あんまり絞り込めてないですが、こだわりが強かったのは、上位3つです。
せっかちなので、早く結果が出る方が好きという自分の気持ちを整理するのに苦労しましたが、モノづくりを考えたとき、家電のように、めまぐるしく新製品を世の中に投入し続けていく世界を仕事にするのは、あんまり好きではないかなという結論になったのを覚えています。
<選んだ仕事>
メーカー。設計開発者です。
そして、メーカーを選びました。
新しいモノを生み出すのは、やはりメーカーでしょ?ということで、ユーザーとか、インフラ企業ではないという結論になったのです。
そして、研究職ではなく、浅く広い知識を組み合わせて、専門家の知恵を集めながら製品を作り上げる設計開発という職種を選びました。
自分の選択を振り返ってみる
こうやって、久しぶりにあの頃のこと思い出して、今、自分の選択がどういう結果になったのかを考えてみると、まあまあ思ったことをやれているのかもしれません。
日々襲ってくる理不尽なことに揉まれる中で、そんなこと忘れそうになりますけど、やっぱり恵まれている方なのかもしれません。
忘れかけているとあらかじめ感じたのは、
・わくわくしているか?
・仲間と楽しめているか?
ということです。
もう一度、このめざす姿を思い出して、やっていこう。
就職以外の大切な決断にも
今回挙げた5つのことは、就職の話にとどまりません。
結婚や家の購入など、大事な決断をするならば、ぜひこの5つの切り口をじっくり考えてみてくださいね。
- 世の中のこと
- 自分の好きなこと
- めざす姿と自分のフィルター
- 選択肢
- デメリット