「木のすきなケイトさん」は、小学校中学年(3・4年生)向けの課題図書です。
どちらかというと、絵本に近いので、すぐに読めますね。
この本を読んで、グッときたところ、気になったところを挙げてみます。
好きなものを学べばいい
ケイトさんは、子供の頃から、とにかく木が好きだったらしいです。
そして、科学を学ぶために大学に入り、カリフォルニア大学で初めての女性科学者として1881年に卒業したというのです。
科学を学ぶ女性なんて、ほとんどいない時代だったのでしょうが、そんな時代に、周りの人がどうであれ、自分はこれを学びたいから科学者になるというのは、なかなか言えないことだと思います。
ケイトさんの話でボクが思い出した身近でグレートな存在は、サッカーの澤穂希選手です。
いまでこそ、なでしこジャパンとして、女子サッカーはメジャーになりつつありますが、彼女の子供時代には、サッカーをする女の子なんてほとんどいなかった。
そんな中で、自分はサッカーが好きなんだという思いを貫いて、男の子に混じってやり続けて、海外にも飛び出し、必死でプレーしていたら、時代が追いついてきて、なでしこジャパンを世界一に導くことができた。
そういう意味では、「今の時点で誰もやっていないから」というのは一切気にする必要がない。
一番大切なのは、自分がそれをやりたいのかどうか。好きかどうかなんです。
思いがあればやりたいことが見つかる
ケイトさんは、サンディエゴで先生の仕事をする中で、もっと木のことを調べたりする時間が欲しいなと思っていたようです。
そんな中で、サンディエゴという砂漠の街を緑豊かな街にしたいという目標を見出し、それを叶えていったのでした。
初めから夢や目標が見えているわけではないし、夢に向かって一直線に進んで行くとは限らないけれど、自分の思いがあれば、やりたいことに出会えるということなのかもしれません。
みんなが無理だということを無理ではないはずと思えた理由
こんな砂漠の街に木を植えて育てるなんて無理だよとみんなが言ったそうです。
しかし、ケイトさんは無理ではないはずと信じて、行動を起こしました。
その理由は、木のことを勉強してきたからだそうです。
砂漠でも生きられる木があるはずということを知っていたのです。
みんなが無理だと思うことを実現していくことでしか、世界は広がりません。
だから、みんなの無理だという常識に対して、実はできるんじゃないかと信じて、まずはやってみることが大切ですが、それを支えるのが、「勉強」なんですね。
まとめ
ということで、ケイトさん(キャサリン・オリビア・セションズさん)は、確かに素晴らしいですが、常識にとらわれずに努力し続けて偉業を成し遂げたすごい人という意味では、個人的には、澤穂希選手の方がよほどイメージしやすいです。
まあそれはさておき、
読書感想文を書くことを意識してこの本を読んだ子供たちには、次のような投げかけをしてみたいなと思いました。
- ケイトさんにとっての「木」くらい、あなたが好きなことって何?
- みんなに無理だよと言われたら、あなたはどうする?
- ケイトさんみたいに、何か難しいことを実現しようと目指して頑張っている人に、声をかけるとしたら、なんて言う?
- サンディエゴの街を緑でいっぱいにできたケイトさんの気持ちはどんなんだったと思う?
ちなみに、ケイトさんが育てたバルボア公園を調べてみました。かなり大きくて緑の多い公園ですね。バルボア・パーク