「チキン」
こんにちは。ぐもじんです。
この本は2017年読書感想文コンクールの課題図書(小学校高学年の部)になっているものです。
高学年にふさわしく、文の量は多めです。
印象に残ったポイントを挙げておきます。
自分の気持ちを正直に伝えることの難しさ
主人公のひいろくんは争いが嫌いな男の子でした。見て見ぬ振りや、自分の気持ちを押し殺しながら過ごしてきたのでした。
そこに転校してきた真中さんは、思ったことをストレートに言葉にする女の子でした。
そのせいで周りの人を傷つけることも多く、彼女は強いのですが、やはり自身も傷ついてしまってました。
正直でいることは不自由であり、見て見ぬ振りをすることでうまくやれる。ウソをつくことでうまくやれるというふうに考えていたようです。正直じゃないのはなんかズルイ!という気持ちがあったのかもしれません。
自分にウソをつかずに、正直に行動することは簡単なことではありませんから、そんな真っ直ぐな姿勢に惹きつけられる友達もいましたが、やはり彼女はどこかで傷ついていたのだと思います。
彼女が率直に行動し発言する理由
真中さんがそのような態度をとる理由が最後の方に書いてありました。
彼女のお母さんが亡くなる前に、次のような言葉を彼女に伝えたというのです。
「自分の目で見て感じたことに正直でいてね」
母との約束。
強い態度のその裏側には、悲しみを乗り越えてきた辛さや寂しさなどが感じられます。
人にはいろいろな事情や理由があるんですよね。
たくさん傷つけ傷ついて気づいた
真中さんはついに気づきました。
正直でいることとは押し付けることではなくわかってもらうことなのだと。
なんだかんだ巻き込まれながら、ちゃんと向き合ってくれたひいろ君の役割が大きかったのかもしれません。
正直でいることとそれをそのまま言い放つことは別の話であり、正直な気持ちを相手にわかってもらえるように伝えていかないと意味がないということです。分かりあおうという気持ちが大切だということかもしれません。
そして去っていった
常に真中さんに押されつつも冷静に応えてくれるひいろ君に、真中さんは心を開き、ひいろ君に手紙を送りました。
家族から逃げずに一緒に暮らすことにしたというのです。逃げずに正直に生きると言いながら、大切なことから逃げていたというのです。
じわっときました。
なんか「君の膵臓を食べたい」の二人が頭に浮かびました。
読書感想文のヒント
子どもの心ってまっすぐで、特に思春期の頃には白か黒かはっきりさせたくなる感覚、ありますよね。正解と思ってきたことが正解とは限らないことを感じるような痛い経験を重ねながら、少しずつ大人になっていく。
確かにそういう感じだったかもしれません。というか、ぼくは今でもそんな経験を重ねつづけてるのですが、、。おっと、脱線しました。
読書感想文を書く人のためにヒントを挙げておきます。
- 自分に正直に生きてますか?
- 友達や家族を傷つけたことはありますか?
- 自分の感じたことをどう相手に伝えればよいでしょうか?
- 自分の意見を相手に伝えることについて、この本を読んだ後に、何か考えが変わったことはありますか?
読書感想文を書くコツや、その他の課題図書については、こちらの記事もご覧ください。
グッとくる読書感想文を簡単に書く方法と課題図書(青少年全国コンクール)2017年版