本物のリーダーが備えておくべき７つの力／「なぜ、あなたがリーダーなのか」

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リーダーシップ論は、仕事だけでなくて、親としてどうあるべきかということにおいても参考になるので、ついついそれ系の本を手に取ってしまうのですが、今回は、「なぜ、あなたがリーダーなのか[新版]――本物は「自分らしさ」を武器にする」を読みました。

今年話題となった「ＬＩＦＥ　ＳＨＩＦＴ（ライフ・シフト）―１００年時代の人生戦略」の著者、リンダ・グラットンも推薦する本書には、変化していくあいまいで混沌とした世の中において、さらに期待が高まっている「本物のリーダーシップ」とはどういうものかについて、豊富な実例を盛り込みながら、細やかで複雑な現実についての一通りの「あるある話」も盛り込まれていました。現場のこと、よくわかってるわ、この人。

どういうことが書いてあるかというと、リーダーには、自分らしさを見極めつつ、いかにそれを体現するかが求められるということです。

それが足りてないと、一匹オオカミになったり、はいはい言ってるだけの小役人になったり、最悪はただの壊し屋（デストロイヤー）になってしまうのだ。

今日は、その中から、良いリーダーに求められる７つの要素をまとめておきます。

１.自分らしさを持っていること

あなたがリーダーなのは、なぜ？他の人と何が違うの？ということをリーダーは問われてしまう。お飾りの人形ではなくて、何かをやろうという本気の思いや、こういうところを大事にしたいという価値観。そういうものが周りにも伝わらないといけない。借りてきた言葉を喋っている政治家とか、保身ばかりを気にしている上司に、1ミリも心を動かされないことと同じである。

リーダーは自分らしさを大事にしよう

２.ちょっとした弱みをみせられること

人間臭さが大事だ。完璧すぎたら怖くて、周りの人も本音も伝えられないと感じてしまう。ちょっとした弱みがあるから、魅力や可愛げが生まれ、人はついていきたいと思うのだ。だから、弱みは見せていい。もちろん、ついていくのが不安になるような弱みは見せてはならないのは当たり前だが。

リーダーはちょっとした弱みを見せていい

３.かすかな兆しを感じ取れること

相手ありきだ。

観察し、心の機微を感じ取りながら、まずは状況に適応することだ。

良い関係を築くことだ。

カメレオンのように、まずは溶け込むのだ。

自分の思いばかりを言い放っても、孤立してしまい、状況を変えていくのは難しいから。

リーダーは状況に適応しつつ状況を変えていく

４.ほどほどに妥協できること

状況や関係する人たちの思いを無視することはできない。ここは譲れないという一線をうまく引きながら、ほどほどの妥協をしつつ、状況をゴールに向かって変えていくことが大切だ。

５.周りとの距離感を操れること

フォロワーと親密でなければ、本音がつかめない。孤立しては、何もできない。しかし、近すぎると甘えや馴れ合いが生まれる。

「何をなすべきか」は距離感をもって言い放つとしても、「どうすべきか」については歩み寄って相談するという、絶妙な距離感のコントロールが大切だ。

６.組織のリズムやペースを感じられること

変化を急ぎすぎてはならない。孤立してしまうし、それどころか反発を食らうかもしれない。

しかし、のんびりしすぎても手遅れになる。

指揮者のように、メンバーのリズムをまずは感じながら、徐々にそろえていき、目標に向かって個々の力を引き出していく。そんな力が求められる。

７.コミュニケーションが得意であること

自分の強みや弱み、価値観をうまく伝えつつ、フォロワーの心を揺さぶって、今なすべきことを伝えられること。それには、まずは話を聞き、ユーモアやたとえ話をうまく使うことなどが求められる。

バラバラな意見の中に着地点を見出すために、心の通ったコミュニケーションの力が必要となる。

まとめ

リーダーシップは、肩書きは関係なく、組織の中のあらゆるシーンに求められている。

状況によるし、他の人たちとのつながりに立脚する。だから、これをやっとけば間違いないなんていう法則めいたものはない。

リーダーは、フォロワーに次のことを求められている。

本物であること
認めてくれること
胸の高まりを呼び覚ましてくれること
包み込んでくれること

リーダーが周りから望まれる4つのこと／「なぜ、あなたがリーダーなのか」 - １分★読書

そこに応えつつ、目標に向かって状況をうまく変えていくには、強みを打ち出しつつも弱みをさらけ出し、自分らしさを押し通しつつも相手を認めて同調し、親密に歩み寄りつつも突き放して距離をとるという、バツグンのバランス感覚と心を揺さぶる対話力が必要になる。

フォロワーとしても、正解のない世の中なのだから、リーダーにあまり明確な答えを求めすぎず、リーダーの弱みを補って判断のサポートをしていけという現実的なアドバイスも書かれていた。何か決めて早く動かないと手遅れになっちゃうよというもどかしいシーンは多いのだが、フォロワーの立場になったときも、やれるサポートはしていこう。というか、そう思ってる時点で、ぼくはすでにリーダーなのかもしれない。リーダーシップに上司とかそういう肩書きは関係ないらしいから。