Voyage of Life

3人の子育てパパが日常と読書から学んだコト

「人生の勝算」に学ぶSHOWROOM前田裕二氏の考え方

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ぐもじんです。

ハーバードビジネスレビューで、次代を拓く20人のリーダーにも選出された「SHOWROOM」の代表取締役社長・前田裕二さんのこれまでの生涯とSHOWROOM創設までを描いた著作「人生の勝算」を読みました。

 

前田さんが親を失い、子どもながらにストリートミュージシャンとして金を稼いでたときの苦労(というより工夫)の話を読んだとたん、彼がただ者ではない人物であることがグイグイ伝わってくる。そして圧倒的なエネルギーで行動を重ねてきたその姿から教わることがたくさんあり、ワクワクしながら最後まで読んだ。特に印象に残った話をいくつか挙げておきます。

 

人は、絆やストーリに価値を感じてお金を払う

表層的なコンテンツ価値以上に、絆、すなわち、心への強い紐付きや、裏側にあるストーリーに価値を感じて人が消費することは、前述の弾き語りの事例でお伝えした通りです。

ものが溢れているいまの時代の中で、人が価値を感じるのはどんなときか?

機能面で惹かれるときはもちろんある。しかし、機能そのものの進化はやや頭打ちであり、そのモノに込められた人に話したくなるようなストーリーやウンチクがあれば、ボクはイチコロである。

ちょっとした手作り品を売っているフリマのお店で、その作品の材料の話とか、作り手が実は脱サラだとか、そんな話を聞いてしまうと、ついつい買ってしまう。人の息吹みたいなものを感じたり、誰かに伝えたくなる面白いエピソードが埋め込まれていたりすると、うれしくなるのだ。

絆やストーリーに価値を感じて人はお金を払う/「人生の勝算」 - 1分★読書

 

才能がなくても、努力により絆は広げていける

絆やコミュニティ作りの成功において、先天的な要因はほとんど関係がないからです。コミュニティの成功に影響を与える最大変数は、後天的な努力の絶対量です。

才能は関係ない。

この本にあるエピソードで、歌が上手くなったわけではないけれど、弾き語りの少年(筆者)に1万円を支払う人が現れたのは、リクエストに答えるために、その人のために1ヶ月練習し、その人のために歌ったからだ。ストーリ、絆が、努力によって生まれるというのは、こういうことを言っているのだ。たしかに才能ではない。

コミュニティの代表例として筆者が挙げているのが「スナック」である。ママは、少し頼りないくらいがよい。完璧すぎると、関与する余地がない。むしろ、未完成だから、支えようという結束力が生まれるのだという。

コミュニティを作る上で欠かせないのは「余白」と「常連客」の存在。努力は大切だが、未完成くらいでちょうどいいという考え方、面白いと思った。

 

まず自分が人を好きになること。それはコントロールできる。

「前田くん、仕事で大事なのは人に好かれることだ」

「・・君一人でできることなんてたかが知れている」

「仲間を増やせば会社全体、そして世の中、地球だってうごかせるかもしれないんだよ」

外資系投資銀行(UBS)時代の筆者の先輩宇田川さんの言葉がグイグイと来る。

その敏腕の先輩が一番大事にしていたことは「人に好かれること」なのだ。外資系金融マンとはいえ、やっぱりそういうところに成功の鍵があるのだ。

そのために筆者が強調しているのは、まず自分が人を好きになる能力を磨くことだ。

好きだという想いの中で接してくれる人を、人はむげにしない。鏡の法則というやつで、こちらの感情がミラーニューロンによって共有され、好きになってくれるかもしれないのだ。

人に好かれるかどうかは、自分の意思ではなんともならないが、人を好きになることは自分次第だ。コントロールできることにエネルギーをかけるべきなのだ。

まず自分が相手のことを好きになればいい/「人生の勝算」 - 1分★読書

 

スキルよりも愛嬌

前田よ、仕事を舐めるな。お前は株を勉強して、お客さんに投資判断のアドバイスをすることが仕事だと思っているだろ。まったく違う。仕事はゲームだ。ゲームに勝つにはルールがある。そのルールをお前はちゃんとわかってない。だから成果が出ないんだ」

彼は営業だった。お客さんが電話を取ってくれるかどうかが勝負であるが、その勝負を決めるのは株の知識やスキルではなかった。お客さんに好かれているかどうかだった。

つまりはコミュニケーションがほぼすべてだった。

コミュニケーションとは、さらけ出すことだ。バカにならなければならない。プライドは邪魔になるから捨てることだ。

そして、相手に好意を持ってもらった上で、相手の立場に立って話をすることだ。

これは、業界にもよるのかもしれないが、競争の激しい業界では特に、優れたスキルを持つ人はたくさん存在するから、結局、誰に仕事を頼みたいかというところ、つまりコミュニケーションが決め手になるのだ。よほどの圧倒的な能力の違いがないのであれば、多かれ少なかれこのような世界となる。

 

頑張るとは見極めてやりきること

自分の進む道は、現時点では少なくともこれで間違いないと言える、信じ切れる、というところまで見極め作業を徹底すれば、モチベーションは身体から湧いてきます。

宝はどこに埋まっていそうか。それをまずは見極める。見極めた以上は、迷わず、全エネルギーをかけて、そこを掘る。

それが、筆者のいう頑張るということだ。最初の見極めの大切さを強調しているのが特徴的だと感じる。

正解がわからない世界では、やりながら考え、修正していく方が早いということがよく言われるが、本質をよくよく考えて、そこに宝があるかどうかをまずは見極めるという考えなのだ。大事にすべきことは、それが成功するかということではなく、本当にそこに自分のやりたいことがそこにあるのか?ということかもしれない。

 

当たり前なことを圧倒的なエネルギーでやり続ける

思いやりを持って人に接することが大事だ。

そのために勉強や準備を怠らないことが必要になる。

準備と言っても特別なことをやるのではない。基本的なことをしっかりとできる人はそんなに多くないから、当たり前のことをしっかりやるだけでよい。当たり前のことを圧倒的なエネルギーでやり続けることだと筆者は言う。まぁ、その圧倒的というレベルがハンパないのが筆者のスゴさだが。

 

人生のコンパスを持て

実りある人生を生きる上で、コンパス、つまり、自分は何を幸せと定義し、どこへ向かっているのかという価値観の言語化は、必要不可欠です。

人生のコンパスを持つこと。

そのために、優れた人に会い、その人のモチベーションの源泉を探り、自分と照らし合わせることが有効らしい。他人の考え方と比べながら、自分の価値観を明確にしていくという手があるのだ。

彼のお兄さんが「仕事より遊びより家族」という一貫した姿勢を貫いていることの凄さを紹介しているが、まさしく、コンパスとは、そういうことなのだ。

一番不幸なのは、方向性がブレまくって、隣の芝が青く見えたりすることだ。

自分としっかり向き合って、人生のコンパスを改めて持つようにしよう。

「スゴイなと感じる人のモチベーションを聞き出す」というのは、いい習慣だなと思う。

人生のコンパスを持て/「人生の勝算」 - 1分★読書

 

まとめ

「頑張った人が報われる。そんな世界にしていきたい」と前田さんは言う。

そんな筆者が大事なこととして最後にあげた2つは

  • 他者に対する想像力、共感力といった思いやりの気持ちを持っていること
  • 人生のコンパスを持っていること 

 であった。

よし、もちょっとだけ、頑張ろう。

 

人生の勝算 (NewsPicks Book)

人生の勝算 (NewsPicks Book)