Voyage of Life

3人の子育てパパが日常と読書から学んだコト

家や学校で眠くなる原因は○○不足かもしれない

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秋の夜長とはいえ、家にいて、本を読んでるとすぐ眠くなる。歳のせいかなぁとか、いろいろ考えてみたが、ネットで調べてみると、衝撃の事実にぶち当たったので、紹介しておきます。

 

眠さに関係するもの

眠くなる要因としては、夜寝れてないとか、太陽浴びて疲れすぎたとか、いろいろあるのだろうが、Fitbitで計測した睡眠状態を見る限り、それなりに寝れている。それほど健康に不安はないし、平日もオフィスで仕事してるから太陽をあまり浴びれていない。

はて、どうして、まだ22時にもなってないのに、眠気に襲われるのか。

 

たまに職場の環境測定なるものが行われている。そういう景色を見ながらの会話の中で、空気中の二酸化炭素CO2の濃度が高くなると眠くなりやすいということを聞いたことがあった。

そうか、CO2 濃度が関係しているのではないか。そんな仮説を立てた。

 

夏がめちゃくちゃ暑かったり、強い台風がたくさん来たりすると、地球温暖化がいよいよヤバイのではないかという単純な連想をしてしまうわけだが、温暖化に関連して、大気中のCO2濃度が確かに上がっているというニュースを見たことがある。

確か400ppmくらいだった。これは0.4%にあたる。昔学校で習った、二酸化炭素は空気中の0.3%という微かな記憶は、完全に塗り替えるべき状況になっている。

少し探してみた。この環境省の速報だったかな。もう2年前の話だった。

環境省_全大気平均二酸化炭素濃度が初めて400 ppmを超えました ~温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)による観測速報~

これが原因かなぁ。

 

眠くなるレベルの二酸化炭素CO2濃度とは?

 この400ppmが、もうすでに眠くなるレベルの濃度なのだとしたら、世の中みんなが全体的に眠くなってしまうということだから、温暖化以前の話として、それはありえない。

そのしきい値についてもう少し調べてみると、1000ppmという数字に行き着いた。

これは、建築物環境衛生管理基準で定められている二酸化炭素濃度に対する管理基準だ。(上から3行目)

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(出典:建築物環境衛生管理基準について|厚生労働省

 

海外では2500ppmとか、もっと高い基準を用いている国もあるようだ。

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(出典:「室内空気環境基準の現状」)

 

2500ppmを許している米国のカリフォルニア大学バークレイ校のMarks MendellとWilliam Fiskは、3種類のCO2濃度を保った部屋で被験者たちのパフォーマンスを調べる実験を行っている。

その結果は、600ppmに比べると、1000ppmではパフォーマンスがやや低下(図の青のプロット)。2500ppmでは著しくパフォーマンスが低下する(赤のプロット)というものだった。

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出典:Elevated Indoor Carbon Dioxide Impairs Decision-Making Performance

 

もう少し、眠気との直接的な関係がわかるものがないかを調べていくと長野県伊那北高校の研究である「室内CO2濃度と眠気・集中力の関係」に行き着いた。

1000ppmを超えると、授業中に眠っている人が三人を超えてきたというデータが得られている(シンプルな実験だがわかりやすい)。

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(出典:「室内CO2濃度と眠気・集中力の関係」)

 

というわけで、とにかく、400ppmくらいでは問題ないが、1000ppmを超えたら、少し注意だぞということがわかった。 

 

室内では簡単に1000ppmを超えるらしい

ところが、上記の研究にもあったとおり、学校の教室などでは狭い空間にたくさんの人間が息を吐きだしているものだから、二酸化炭素濃度は比較的すぐに1000ppmを超えるらしい。

以下は、東京都内の公立小学校を対象にした測定結果であるが、冷房導入前と後という切り口で整理されている。

冷房導入前は、平均672ppmとまずまずだが、時々1000ppmを超えることがあったようだ。

暑いと授業にならないから、冷房を導入したのだろうが、その後、二酸化炭素濃度の平均はほとんど1000ppmを超えていて、最大値は5000ppmにも達するときもあったようだ。

先ほどの研究からすれば5000ppmは、それなりに影響が出るレベルのはず。

冷房導入によって、部屋を締め切っていて、換気回数が減ったことがCO2濃度が高くなっている原因のようだ。

これはやばい。

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(出典:「冷房導入前後の小学校普通教室における夏季の温熱・空気環境の実態に関する研究」)

 

住宅だって簡単に1000ppmを超える

マンションなどの住宅についてはどうだろうか?むしろこちらが本題だった。

北海道のとある住宅での測定データであるが、この住宅は基本は連続換気が行われているので、ときどき1000ppmを超える程度で済んでいるが、換気を停止(入浴時のみ換気を実施)した2月21日と22日は、いとも簡単に2000ppm近いCO2濃度となっている。

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(出典:「北海道における集合住宅の計画換気システムに関する調査

 

ぞっとした。

冬は寒いし、夏は冷房が効きにくい。春や秋は花粉も入ってくるから、我が家にある換気システムは、あまり作動させてこなかった。

なんだか眠いし、いまいち頭が冴えないのは、やはり室内のCO2濃度が高まっていたせいなのかもしれない。

 

自動車だってすぐに二酸化炭素濃度が上昇する

調子に乗って、というか、もうちょっとこわくなってきたのだが、車の中のCO2濃度についても調べてみた。あれほどの閉鎖空間で、子供三人も乗っけて出かけることが多い我が家の車内環境は、いったいどうなっているのか!

参考になりそうなデータがあった。

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(出典:自動車車室内の空気質の知覚に関する基礎的検討

 

やはり、恐ろしい結果だ。

これまでボクは、外気取り入れモードだと、臭い外気が入るのが嫌なので、なんとなく車内循環モードにしてきた。

なんてことだ。

眠くなったり、判断力が鈍ったりする環境をつくり、事故の可能性をわざわざ高めてきたのだ。さすがに眠くてたまらなくなると、窓を開けて、頭を冷やすことがあったが、ある意味それは正解だったわけだ。

 

結論:室内で換気することは想像以上に重要

ということで、そんなの当たり前じゃん。という人もいるのかもしれないが、ボクにとっては衝撃的なデータを知ることになった1日でした。

まとめておきます。

  • 二酸化炭素濃度が1000ppmを超えると、眠気が生じたり、集中力・判断力が低下することが増える。
  • しかし、ボクらや子供たちが過ごす室内空間は、締め切っていると、すぐに二酸化炭素濃度は1000ppmを超える。2000ppmを超え5000ppmになったりもする。
  • 換気をすれば、急激に濃度は下がる。
  • 換気が不足している!もっと換気を心がけよう。

 

学校の教室は特に気になる

特に、たくさんの子供たちが狭い教室で過ごしていると言う意味では、学校は気になりますね。

先生方も、気にしてくれているのかもしれないが、エアコンのおかげで、気温という意味では過ごしやすくしてくれている反面、CO2濃度を高めてしまい、生徒の集中力を低下させることになっているかもしれない。そうだとしたら、誰も望んでいない結果となる。ましてや、定期テストなどの本番で、換気が足りない部屋で試験を受けることになれば、パフォーマンスを発揮することが難しくなるのだ。

とにかく換気を習慣化することだ。

昔、突然、おーい。お前ら、窓開けろー。みたいに言う先生いましたが、正しかったわけだ。

調べてみると、ハンディーなCO2濃度計が2万円くらいで買えるようだ。学校や職場には、換気のタイミングを測る指標として、導入してみてはどうだろうか。

今日は以上です。