お盆休みに読みたかった本「時間術大全 人生が本当に変わる「87の時間ワザ」」を読んだ。
世界一多忙と言われるGoogleやYouTubeという組織の中で、人間の習性を知り尽くしながら、サービスを開発してきた二人が、時間に対する日々の試行錯誤から得た知識をまとめた本である。
大全というタイトルから想像したのとは少し異なり、時間術のテクニック全般というよりもむしろ、「クレイジーなほどの忙しさをペースダウンする方法」「大事なことのために時間をつくる方法」について書かれている。
印象深かったところを読書ノートにまとめた。
1日のハイライトを決めること
目の前のことに迅速に反応せよ。
そのスピードと効率をとにかく高めよ。
それが仕事ができるということなのだ。
そんなデフォルトの考え方をボクらは刷り込まれてきたのかもしれない。
その果てに行き着いたのは、なんだろうか?
ただ、ますます忙しくなる。
それだけのことだったのではないか。
何をやっていたかわからないままに1年が過ぎたり、自分や家族や組織にとって本当に大事なことに時間が使えてなかったり、そんなになっていないだろうか?
GoogleやYouTubeというシリコンバレーのイケてる企業では、もっとクールに仕事をしているのかと思ったが、筆者たちも意外にも同じようにこの問題に直面していた。そんな中で、彼らが試行錯誤し続けて見出した、大事なことのために時間を作る方法とは、1日のハイライトを設けるという一見シンプルなものだ。つまり、
- ハイライトとは、やることリストよりは大きく、5年先の目標よりは小さい、中期的なプロジェクトに向けた活動である。
- ワクワクを感じ、終えた時に充実感を感じられるような活動を日々決めて、スケジュールを確保する。
- 緊急性、満足感、喜び。これらのうち、どれをメインに据えた1日にするかを直感で決め、ハイライトを設定すればよい。
- フロー状態に入れるくらいの60〜90分でやれることがよい。
- 無意識に淡々とこなしていくのではなく、これをやるんだと、注意を向けることが大事である。
- ちょっとした変化ではあるが、自分の優先事項を見極めて、そこに集中する習慣ができれば、人生は変わっていく。
- やるかもしれないことをリストアップ→ハイライトを選ぶ→スケジュールに組み込む(バーナーリストという使い捨てリストのアイデアもあった)。
集中を奪うコトを遠ざける
ハイライトを決めて、スケジュールの枠取りをすることだ。この間をしっかり集中できれば、まずは満足のいく1日になることだろう。
しかしながら、ボクらの注意を惹きつけるモノゴトがたくさんあり、そういうことが、地味ではあるが、確実に集中力を奪っていく。
これを避けることが大事であり、そのための戦術がたくさん載せられている。
気になったのは以下である。
- スマホを少し不便にする。通知は最低限にする。要らないアプリは消す。SNSのアプリも消せ(これはなかなか難しい)
- 朝一の判断力を失っている状態で、なんとなくSNSなどを巡回するのをやめる。
- スケジューラーで自分の時間を入力し、他人に奪われないようにする。
- メールチェックは時間を決める。1日3回などでよい。返信が遅い人として知られたほうがよい。その分、いい仕事をするのだ。
- 紙や音楽、タイムタイマー(期限までの時間を見えるようにする時計)を活用しよう。
- 早起きするには、光と用事とカフェイン。
- カフェインは疲れる前にとらないと意味がない。摂りすぎると、アデノシンが増え、カフェイン切れのときに逆に疲れるようになる。朝一は、コルチゾールによる自然な目覚めに頼るほうがよい。半減期は5時間程度だから、夜のコーヒーは飲まないほうがよい。
日々を振り返ること
計画は完璧に行くことなんてない。
これはうまくいったとか、あれこれ振り返りながら、続けていくことが大切だ。
日々アップデートしていくわけだ。
この本の巻末に載っている振り返りのノートフォーマットはなかなかいい。
- 今日のハイライトはなんだったか。
- その時間をつくれたか。
- 今日の集中度はどれくらいだったか。
- 今日のエネルギーレベルはどれくらいだったか。
- 今日試した時間の戦術はなんだったか。
- 明日試したい戦術はなにか。
- 今日の感謝の瞬間はなんだったか。
特に、一番最後がいい。
感謝の瞬間を味わって寝る。これは即取り入れたい。
嫁さんと盆休みに食べたパフェ、うまかったなあ。とか、そんなことでいいんだと思うが、毎日、通り過ぎかねない素晴らしい出来事や瞬間に意識を向けることができる。
人生とは、何に意識を向けたかで決まるのだ。