Voyage of Life

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フランスにおける新型コロナの状況: ワクチン接種は1月末に100万人へ

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こんばんは。

なかなか新型コロナの収まる気配がないわけですが、いかがお過ごしでしょうか。

フランスでは、相変わらず、1日に1万人以上の新規感染者が出ている状況です。

ワクチンの接種も始まっていますが、効果が出るまでには、やはり数が必要で、そこまでの状況には残念ながら至っていません。

この危機にどう立ち向かうかというのは、大事なテーマのはずで、とにかく備忘録として、少し状況を書いておきます。

 

概況

クリスマス休暇をこよなく大切にする欧米の方々には、ロックダウンを継続するのはさすがに難しかったようで、多少のリスクは承知の上で、フランスはロックダウンを解除しました。しかし、レストランは閉まったままでした。

 

ある意味、フランスは、少し早めにロックダウンの措置を始めたので、効果が出てきた状況でクリスマスを迎えたというわけです。それでも2万人以上の感染者が1日に出る状況でしたが。

うちの子の友人も、スペインやらオランダやら、いわゆる実家に帰ったりしていたようです。

 

年も明けて、予想通り、感染者がまた増えつつあるなかで、夜18時以降は外出禁止(例外を除く)という状況になりました。

田舎暮らしをしている分には、何も変わらないのですが、街中はそれなりの効果が出るはずと、期待しています。

 

フランスの政策発表はしっかりしている

最新の情報をもとに、大統領や首相が国民にテレビで熱弁をふるいながら、新たな対策を発表するという木曜日が、2週間に1回くらい、やってきます。

そこで感じるのは、根拠と政策がしっかりと、定量的に、理解しやすい形で伝えられるということです。

 

なんとなく、わかるでしょう?というような、空気感では欧米人には何も伝わらないからなのかもしれませんが、その分、しっかりと論理的に、わかりやすく、政策が伝えられるのです。

 

具体的な政策の例

少し長い引用ですが、一例として、先週発表されたカステックス首相らの記者会見が、領事館によって噛み砕かれて連絡されてきたものを以下に貼っておきます。(たびレジに登録した方には送られてくるものです)

 

すごく明確ですよね。

門限はこれまでからも多少はありましたが、ヨーロッパへ入域してくる人への検疫が強化されたのが、少し新しい動きだと感じました。

1 感染状況
・欧州において依然として感染は広まっている。
・仏においては、年末年始には爆発的な感染拡大は見られず、感染件数、陽性率で見れば欧州の中では低く抑えられている。
・先週の会見時からの1週間では、1日平均1万6千件の新規感染が確認されている。感染状況は落ち着いているが、先週に比して入院件数、蘇生病床の件数ともに増加しており、依然として懸念される水準である。
・取り得るべき措置を取っても感染状況が悪化する場合は、もう一度外出制限措置を取らざるを得なくなる。

2 英国・南アフリカの変異種
・英国の変異種は、従来のウイルスよりも30%から70%感染力が強いとされ、潜在的に子供に対する感染力も強いとされる。感染件数は多い一方、重症化は従来のウイルスよりも少ない。
・仏における研究調査では、仏では100件の感染のうち、1件から1.5件が英国の変異種によるものであり、毎日200件から300件の感染が発生していることとなる。
・南アフリカの変異種は、多くの情報は無いが、従来のウイルスよりも感染力が強い一方、重症化は従来のウイルスよりも少ない。
・地理的に近いマヨット及びレユニオンでの警戒が必要であり、警戒通知が発出されている。
・南アフリカの変異種は、モザンビークに滞在した者の罹患が確認されている。その接触者も感染しており、感染者の追跡を行っている。

3 仏入国・渡航時の検疫強化
・仏における変異種の感染は限定的であるが、感染拡大を阻止するためにあらゆる感染防止措置を取る必要がある。
・1月18日(月)より、EU域外から仏に入国する者は、出発72時間以内に検査を受け、航空機又は船舶の搭乗前に陰性証明の提示が求められる。
・EU域外から仏に入国した者は、仏に入国後7日間は自主隔離を行い、その後さらにPCR検査を受検する。
・出発国において検査が受けられない場合は、現地の仏大使館領事部にて渡航証明を入手する。この場合、入国後は政府が定める施設で7日間の隔離措置を取らなければならない。
・EU域内から仏へ入国する場合、1月21日に開催されるEU閣僚理事会において、国境を跨ぐ労働者への措置等、取るべき措置が話し合われる。
・海外県について、特にアンティル諸島、ギアナはアマゾン地域特有の危険があるため、現地事情に合わせた対策を取るとともに、陰性証明の提示など、現在仏本土に渡航する際に求められている措置を、同地域へ渡航する際も求めることとなる。
・コモロでは南アフリカの変異種が確認されており、先週末からコモロ上陸の際に検査を実施、リスクのある場所への移動制限など緊急対策が取られており、レユニオンでも必要な措置である。
・マヨット及びレユニオンから仏本土への渡航には、陰性証明が必要となる。

4 夜間外出制限
・16日(土)より、18時からの夜間外出制限措置を全国的に導入。本措置は、少なくとも15日間継続される。
・18時からの夜間外出制限措置は既に25の県で導入されており、感染拡大防止に効果が出ている。経済活動、学校生活、移動ができるよう、全国的に予防措置として導入する。
・18時からの夜間外出制限においても、例外的に外出が認められる理由は従来と変わらず限定的。仕事からの帰宅や保育園への子供の迎え等は可能であるが、個人的理由による外出はできない。
・商店や商業施設は18時には閉店となる。
・本件措置によって商店等での営業時間が短縮されることで多くの人が密集しないよう、昼休憩時の開店を推奨する。また、県知事による地方関係者との協議を経て例外的に日曜日の営業も認められる

5 初等・中等教育
・学校は引き続き開いているが、食堂での衛生措置の強化、屋内でのスポーツ活動の停止、1週間に30万人規模での検査を実施する
・11月から3分の2の高校で実施されているハイブリッド授業(対面授業と遠隔授業の両方)を1月20日以降も継続する。また、最終学年の高校生については可能な限り対面授業を実施する。必要に応じて中学校でもハイブリッド授業を実施する。
・小学校の食堂においては、クラスの異なる児童が一緒になることは認められず、食堂の利用時間をずらすなどして、同じクラスの児童同士で、同じテーブルで毎日食事をとることとする。また(食堂からの)食事の持ち帰りもあり得る。中学校についても同様であるが、高等学校については人数が少ないので時間調整は必要ない。
・スポーツ活動については、学校内外の屋内での活動が停止される
・今後1か月で学校関係者と児童生徒100万人に対して検査を実施するとともに、3人以上の感染者が確認された学校には検査チームが派遣される。また、必要に応じて学級閉鎖や中学校、高等学校の閉鎖を行う。

6 高等教育
・1月25日の週から、1年目の学生を対象に、小グループ授業については半数での対面授業を認めるとともに、状況が許せば、他学年も同様とする。
・明日(15日)に大学学長会議と学生組合に対して、詳細を説明する。
・精神的にも経済的にも厳しい状況にある学生に対しては既に種々の対策を取っているが、カウンセラーの数を倍増していく。
・まもなく抗原検査が大学の保健部局で受けられるようになる。

7 ワクチン接種
・12月27日より始まったワクチン接種キャンペーンでは、1月の第一週までには10万人がワクチン接種し、本日木曜は7万人が接種、これまでで合計31万8千人が接種済み。
・今すぐにはワクチン接種しないとの声もあるが、ワクチン接種は、感染予防のほか、重症化しないという効果がある。ワクチン接種が進めば、病院が重症者で溢れるリスクも低くなる。
・1月18日より、予定されていた75歳以上の高齢者に加え、年齢を問わず重症化リスクの極めて高い疾患を有する人(がん、慢性の腎臓病の患者など約80万人)への接種を開始。これらの患者がワクチン接種を受けるためには、かかりつけ医の処方箋が必要。これにより、計640万人が対象となる。1月末には当初の接種目標の100万人を越えるだろう。
・また、18日からは700か所以上のワクチン接種センターが開設される。
・ワクチン接種の予約には、次の3つの方法がある。1.最寄りのワクチン接種センターへの問い合わせ、2.専用ダイヤル(15日(金)午前8時に開設、電話番号0800-009-110、6時-22時で定休無し)、3.政府のサイト(www.sante.fr )。
・2月末までに250万人分のワクチンが確保され、今後、他のワクチンも承認される見込みであり、承認されれば追加的に400万回分のワクチンが確保される。

8 テレワーク
・テレワークを推奨する方針は昨年10月末から変わらず、通勤、就業時の接触を減らすことが重要である。
・一方、テレワークが困難な職場があることも事実であり、事情に合わせて衛生プロトコルを整備してきた。
・新たな衛生プロトコルは1月7日から有効であり、その中では、100%テレワークを行う従業員であっても、職場への出勤は週に一日認められている。

9 結語
・感染状況が厳しい中、この危機を脱出するにはワクチン接種が優先課題であり、過去に無いワクチン接種計画となっている。
・同時に、ワクチンの効果が表れるには数か月を要し、その間は忍耐、感染予防措置を取るなど責任ある行動が必要である。

 

ワクチン接種について

日本ではまだワクチン接種が始まっていないようですが、フランスでは、1月末までに100万人をめざすそうです。

それでも、人口からすれば、大した割合ではないので、相当スピード感をもって対応しようとしていることが感じられます。

こういう中で、日本のニュースをみていると、動きが遅いなと感じざるを得ません。

確かに、リスクはありますし、何が功を奏するのかわからないのでしょうが、意思決定プロセスが遅いということだけならば、残念な気がします。

 

まとめ

まだまだ先が見えませんが、しっかりと対策して、乗り切るしかありません。

こういう危機の状況で、各国のリーダーの動き方の違いが気になる日々です。

日本は、大丈夫でしょうか。。