今年になって取り入れた新習慣。
それは、オーディオブックを隙間時間にちょっとずつ聴くというものです。
このおかげで、これまであまり読まなかったジャンルの本(僕の場合は小説とか)が読めて、なかなかいいです。
今日読み終わった「世界から猫が消えたなら(川村元気)」は、90万部を突破し、映画化もされるという人気の本。
心に残ったところをメモしておきます。ネタバレがイヤな方はご注意ください。
あらすじ
大きなストーリーは以下です。
ある日突然、余命わずかであることを宣告された30歳の僕。
僕の前にアロハシャツを着た悪魔が現れ、ある取引を持ちかけてきた。
「世界から何かをひとつ消すことで、一日の命がもらえる」という
そして僕は、僕の命と引き換えに、
電話、映画、時計、そして猫を消すことに・・・
特にグッときたところを以下に書きます。
人は制約を作ることで自由を手に入れている
時間という概念は、人が勝手に作ったもの。
猫には時間はない。ただ、陽が登り、沈み、毎日を過ごしていく。
時間という概念を作り、時計を肌身離さず持ち歩くことで、縛られているという側面はあるが、時間があるからこそ、今から明日の8時半までは何をしてもいい。という自由も手に入れることができる。
携帯電話はどうか?
この本では、携帯電話を結構悪者にしていたが、ボクにとってはスティーブジョブズが産み出したiphoneを始めとするスマホは、可能性を大きく広げてくれた。
たくさんの本を読めるということだけでもすごい。インプットの量を圧倒的に増やすことができていると思う。
遠くにいる人とも、顔を見て話すこともできる。
しかし、その裏では、「考える時間」は失われているのかもしれない。
そして、目の前の人と、心を通わせながらじっくり話す時間も、犠牲になっているのかもしれない。
何かを手に入れることは何かを失うこと
この本で繰り返し出てくるフレーズがこれだ。
つまり、何かを手に入れることは何かを失うことであるということ。
トレードオフ。
携帯電話を持ったことで、手に入れたこともあるけれど、失ったこともある。
この学校に入ったことで、手に入れたこともあるけれど、失ったこともある。
この会社に就職したことで、手に入れたこともあるけれど、失ったこともある。
結婚したことで、手に入れたこともあるけれど、失ったこともある。
子供が生まれたことで、手に入れたこともあるけれど、失ったこともある。
ブログを書いていることで、手に入れたこともあるけれど、失ったこともある。
さすがに、40歳を過ぎた僕には、あたりまえやんという話ではある。しかし、この本に出会うであろう10代20代の若者たちにとっては、とても大切なメッセージになるような気がした。
うちの6年生の娘も、この本を知っていたけど、おそらく、何かを手に入れることは、何かを失うことなんだよということなんて、知らないと思うから。
どう生きるかが大事
かわいがっている猫を消して、自分の命を1日伸ばすか?という選択を迫られた彼は、その選択をしなかった。
命は、長くなっただけでは仕方がない。
今、どう生きたか。自分が納得して生きれたかが大事なのだ。
母の愛と父の思い、自分の不甲斐なさ
随所に出てくる、母の愛。
死ぬ前の手紙には、自分が死ぬ前にやりたいこと10個あげようとして、結局、息子のいいところ10個挙げる手紙になってた。
そして縁が切れかかっている不器用なオヤジさん。時計が消されたあとに、時計屋だったオヤジさんがどうなったのかとても気になる。
そして、そんな両親に対して、たいしたことをしてあげられなかった自分。
なんとなく自分と重なる。
人は皆、こんな感じなのかなあ。
この本を聞いてると、結構声優さんが心を込めて話すので、心にグサグサきて、駅からの帰り道に泣きそうになってしまった。というか、たぶん泣いてた。
なんか、心を耕したなあという感じ。
小説も読むもんだなあ。
まとめ
「世界から猫が消えたなら」。
面白かったです。
時々は、世界から〇〇が消えたら、、と空想してみるのもいいかもしれない。
そして、明日死ぬかもしれないということも忘れないように、今日を生きたいと改めて思った。
たぶんこの本、死ぬということと縁遠い10代20代にとっては、また全然違う響き方をするような気がします。
オーディオブックは、amazonのオーディブルもなかなかいいけれど、最新の本を多く配信している、febeの本もなかなかいいです。ぜひ一度試してみてください。
普通の本はこちらです。