先日、美しい動画として取り上げたナミキファルコンの万年筆の動画(下記)ですが、あれはペン先を柔らかくカスタム仕様した特別なものであって、普通に買えるものとは違うことに注意する必要があるというコメントを頂きました。
万年筆がいっきに欲しくなったナミキファルコン・エラボーの映像美 - Voyage to the Future
☑エラボーのノーマル品の書き味はどのようなものか?
いろいろ調べていると、ナミキファルコンのカスタム品ではなくノーマル品(日本で売られているエラボー)で使ってみた動画をアップされているすばらしい方がいましたので、ピックアップしておきます。
確かに力を入れたときのペン先の開きはやや硬いものの、それなりに表現力は持っているように感じました。
プロの方は、ノーマル品にこんな使い方をしていると壊れるよということを言われているのでしょうね。
いずれにせよ、動画で使われている万年筆は、微妙に仕様が違うようなので、そこに注意したうえで、購入したり、使っていかないといけませんね。
☑ナミキファルコンとエラボーの本質の違いはなさそう
ナミキファルコンとエラボーの違いを調べてみると、まず、2008年の以下の記事がありました。
NAMIKI FALCON (ナミキ・ファルコン)vs Elabo(エラボー): 私的電脳小物遊戯
書いていて、どちらも柔らかいという印象のようですが、おそらくこのエラボーは旧いもので、今売られている新しいエラボーについては、パイロットのホームページに詳しく載ってます。
万年筆の製造プロセスのところを見ていると、欲しくなってきました。
日本語に適した万年筆エラボー | 特集記事一覧 | PILOT LIBRARY | PILOT
これによると、日本語特有の表現を意識し、ソフトタッチでありながらコシがある書き味をめざして、ペン先に、14K合金を使っているということです。
エラボーはソフトタッチでありながら、強い筆圧にも負けない弾力性のあるペン先を持った万年筆です。
軽い力で字幅に強弱をつけることができる柔らかなペン先は、日本の文字特有の「とめ」、 「はね」、「はらい」の表現にも適しています。また、ペン先の中央部から隆起をつけることで筆圧に対する弾力も生み、 ソフトタッチでありながらもコシのある独特の書き味を実現しています。
ペン先の材料となる14Kの合金を、24 Kに銀や銅を混ぜて鋳造します。14 Kの金の含有率は58.5%で、24 K、18Kに比べてより硬さとしなやかさが出ます。万年筆のペン先には最も適しているといわれる硬さです。
しかも、ペン先には摩耗に強いということで、レアメタルであるイリジウムが使われているとは。こんなに材料的にすごいなんて知りませんでした。
このペン先の合わせなどにも気を使っているようですから、ここがずれると調子がわるくなるということなのでしょうね。
ナミキファルコンのペン先の材質も、amazonの仕様を見ると、14Kとありますから、本質は変わらないのだと思います。
☑まとめ
ということで、まとめますと、
あの動画に憧れるならば、カリグラフィーを勉強することを考えてみた方がよくて、その道具として万年筆をグリグリ使うのは耐久性の点でプロの方は不安ありということが、少しわかりました。繊細なプロダクトのようですから。
ただ、これをきっかけに、万年筆も使ってみたいなと感じてしまい、それはナミキファルコンという輸入品にこだわらずに、安いし同じモノであるパイロットのエラボーの方がよいのではないか?ということです。