Voyage of Life

3人の子育てパパが日常と読書から学んだコト

眠らなければ脳の老廃物が溜まっていくらしい 「TED:One more reason to get a good night’s sleep」

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睡眠をなんとか良いものにしたいとJAWBONEのUPまで身に着けて寝ているボクですが、睡眠が重要な理由を深く理解できているわけではありませんでした。

UP24(JAWBONE)を5日間使ってみたら眠りの質を高める方法に興味がわいたので調べてみた - Voyage to the Future

今回紹介する脳科学者のジェフ・イリフ氏のTEDのプレゼンは、これまで想像もしなかった睡眠のもつ意味を教えてくれるものでした。

簡単に紹介しておきます。

 

 


Jeff Iliff: One more reason to get a good night’s sleep | Talk Video | TED.com

 

脳が電気活動に使うエネルギーは全体の1/4なのに質量は体重の2%しかない。

体重60kgの人ならば、脳の重さは1.2kg。そんな脳が人の動きや感情や何もかもを司っている。

エネルギー密度が高いといったらよいのか、すごい組織である。

脳には老廃物が多く溜まる。

だからこそ、老廃物が溜まる密度も多いわけです。

しかし、脳には老廃物を排出するリンパ系がない。

身体の中で脳以外は、老廃物をリンパ系で血液に流して回収している。

しかし、脳にはリンパ系がない。

脳内を流れる脊髄液が血管の外を流れることで老廃物を流す。

そのかわり、脳内を流れる脊髄液が、血管の収縮によって老廃物を流していく。

この状況をネズミの脳内の映像でTEDは見せてくれている。

脳の細胞が睡眠によって少し縮むことで脊髄液が流れる。

しかし、ここが重要であるが、脊髄液が流れるのは眠っているときだけである。

眠ると、脳の細胞が少し縮むらしく、そこでできた隙間によって脊髄液が流れることができるのだ。

これだけ密度の高い組織の老廃物を流すにはリンパ系では対応できなかったのかもしれない。

つまり、眠ることで脳の老廃物が排出される。

眠ることでしか、脳の老廃物は排出されないということだ。

こんなことが眠っている間になされているとは全く知らなかった。

老廃物のアミロイドベータ―の蓄積はアルツハイマーと関係がある。

老廃物が溜まったらどうなるのか。

勝手な想像としては、頭がボーっとしてしまうのかなと思う。

昼寝をして頭がクリアになるのは、この老廃物が流れるせいかもしれない。

スピーカであるジェフ・イリフは、アルツハイマーとの相関を語っている。

まだまだ研究中のようだが、老廃物のアミロイドベータ―が蓄積することはアルツハイマー病になることと無関係ではなさそうとのことだ。

眠ることはそういう病気を予防するための手がかりになるかもしれない。

そういう病気を防ぐためにも、眠ることは大切である。

まとめ

脳をよく使った日には、老廃物が溜まっているはずですから、ゆっくり寝た方がよいのかもしれません。

とにかく、今回のTEDは、ますます良い眠りを得ることを心がけていきたいと感じさせるものでした。科学的な理由がわかれば、モチベーションが得やすいです。

 

〈2018.4.12追記〉

その後、調べていると、なんと脳にもリンパ系が発見されたということです。睡眠時の脳の収縮による老廃物の処理ももちろん存在しているのでしょうが、それだけではないという奥深さがありそうです。リンパ管:巧妙に隠されていた脳の秘密 | サイエンス誌