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Voyage of Life

日々の読書、子育て、暮らし、仕事から学んだコト

ホワイトカラーエグゼンプション 成果主義の4つのデメリット

 

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最近話題の「ホワイトカラーエグゼンプション」。残業代ゼロ制度と言われ、日本の低い生産性を高めるために、成果主義を加速し、残業時間を短くさせるインセンティブを狙ったものであるが、世間の声は賛否両論である。

Yahoo!ニュース - 残業代ゼロ制度・ホワイトカラーエグゼンプションに関連するアーカイブ一覧

 

職場の環境や上司のスタイルによっては、残業が増えたけれど給料は変わらないようなケースもありうるので、良くなるか悪くなるかどちらに転ぶかは上司次第。

上司や会社を信じられる人は制度を受け容れられるだろうし、そうでない人は受け容れられない。それが賛否両論の原因かもしれない。

 

この制度の大前提になっている成果主義というのは、1980年代後半の不況の時代にもブームになり、その後、日本にはそれほど定着していないものだ。

決して、目新しいものではない。

今回は、成果主義のデメリットについて、改めて考えてみたいと思う。

 

 

 1.金銭的な報酬と結び付けられることで、逆にやる気を失うことがある。

人は面白いから仕事をするのだ。

(「虚妄の成果主義(高橋伸夫氏)」)

人は面白いから仕事をするのであって、金のためだけに仕事をするのではない。

まあ、宝くじ4億円が当たっても仕事をするの?と言われると悩んでしまうが、マズローの欲望の理論にあるように、生活などの不安がないレベルに行きついた後には、自己実現をどう成し遂げるかというステージに人は行き着くのだろう。

 

学生にパズルを解かせた、心理学者エドワード・デシによる有名な実験がある。

報酬ありの学生よりも、報酬のない学生の方が、休み時間を削って長くパズルを解いたそうだ。

そのものの達成感や面白さを感じることのできていた状態(内発的な動機づけの状態)が、外的報酬によって、「金銭的報酬を得ることを目的とした仕事」と化してしまったのだ。

 

金銭的報酬とパフォーマンスが連動していれば、その統制的側面が機能することになり、仕事は金銭的報酬を得るための手段と化してしまう。・・つまり、内発的動機づけは低下するのである。しかも金のために働くということは、ある一定の基準をクリアできるように働くということであり、ベストを尽くすことはなくなる。基本的に目の前の目標だけが気になり、周囲との競争には本質的に無縁になる。だから成果主義のやっていることは最悪なのである。その中でも罪が重いのは、成果主義が仕事それ自体の面白さや、楽しさをも奪ってしまうということだろう。(「虚妄の成果主義(高橋伸夫氏)」)

金銭的報酬と成果の連動というのは、それなりに大きなインパクトを持つが、内発的な動機を低下させてしまうところが悪である。

逆に我々は、そこに捕らわれないようにしないと、仕事の面白さを見失ってしまうということだ。これは気を付けなければならない。

 

2.スネル人が出てくる。

よほど営業や経営者など、結果が数字で出てくる職種を除いては、そもそも、誰もが納得できる評価なんて不可能である。

例えば、以下のようなことがあるかもしれない。

  • 上司にはあなたの全ての動きが見えていない。
  • たまたま、運が悪くて、最後の結果だけが出ない。
  • 何もしていないのに、たまたま成果が出た。
  • 5年後のために手を打ったせいで、今年は成果がでない。
  • 今の上司と合わない。
  • アピールのうまいやつが上司に認められる。

 そういう中で、悪い評価が与えられた人は、「俺はこの会社では認められない」とスネルことになるかもしれない。

中途半端な成果主義が、やる気を失ってしまう人間を増やすことになりかねない。

あるいは、なぜアイツが評価されてるのか納得できないという気持ちによって、チームワークに支障をきたすかもしれない。

 

3.チャレンジしなくなる

成果主義が根付くと、1年ごとに設定した目標をクリアすることに主眼を置くようになる。変にハードルを上げて目標達成できない場合の評価が逆に下がってしまうくらいなら、人はハードルの低い、達成できそうな目標を設定する傾向になるだろう。

チャレンジ精神を失ってしまうと、その企業にイノベーションは起きないだろう。

 

4.イエスマンが増える

評価を行う上司に嫌われてしまうことは、報酬的にも大きなマイナスになるとなれば、上司に嫌われまいとする人が多くなるだろう。

これは、成果主義とは関係なく、限られた管理者のポストを得ることを意識して、これまでも行われてきたことではあるが、管理者になることに興味がない人間には関係なかった。

しかし、金銭的な報酬に関係するとなったときに、この強い誘惑に負けて、上司に嫌われまいとする人が増えることになるだろう。

イエスマンを多く持つ組織は、生命力が弱い。

自由闊達に、様々な意見を吸い上げられる環境が組織を強くするのだ。

成果主義は、これにも逆効果を与えてしまう。

 

 ■まとめ

以上、成果主義の4つのデメリットを挙げました。

安倍首相が協力に推進しているホワイトカラーエグゼンプションにおいて、よほど成果がわかりやすい職種を除いては、上記のような弊害が出ないよう、成果と給料の連動をうまくマイルドなものにするような運用が求められると思います。