ぼくは、たくさんの製品がからみあって構成されるプロジェクトの中の一製品の設計に携わっているのですが、プロジェクト全体の要求が流動的で、かつ優先事項が不明確な状況のなかで、仕事が錯綜・膨張し、いまの人員に対して仕事の量が過剰となり、日々の締め切りにおわれ、完全に後手に回っている状況です。
限られた一製品の範囲の中だとしても、リーダーとしてのじぶんができることを再確認したいと思い、本棚から手に取ったのが「徹底のリーダーシップ(ラム・チャラン著、柳井正(解説)」という本。
このなかに、「難局を乗り切るためにリーダーに必要な6つの資質」がシンプルにまとめられていましたので紹介します。
⒈ 誠実であり、信頼できる存在であること
現実に向き合って、課題に対して一つ一つ手を打つことです。そして具体的に踏み込むことです。
ダメなことはだめという誠実さも必要です。
責任をしっかりと背負う覚悟があるかどうか。その本気さは、周りの人に誤魔化しようもないくらいに伝わり、確実に行動に反映されます。
まずはそこからです。
⒉ 社員、部下を鼓舞し、勇気づける存在であること
難局においては、だれもが不安や不満をかかえています。
どうすればこの状況を抜け出せるのだろうかと逃げ腰で、言い訳を考え、リスクを背負おうとません。
そんなときに、一緒になって状況への不満を言って、何も変えようとしない人たちへの文句を言っても何も変わらない。
「この2ヶ月がいちばんしんどい。ここを一緒に耐え切ろう。」
「こういう工夫をしてみよう」
「ここを抜けると面白い世界が待ってる」
そういうことが言える存在に自分がなることです。
⒊ 現実と「生の情報」でつながっていること
現実がわかっていることが決定的に重要です。
現場の状況をわかってないのに、変なコメントや方針を出すことがいちばんの悪です。
それだったら、担当する人に全て丸投げして任せてしまった方がよほどマシです。
現場のことをわかった風に見せるだけでは無く
本気でわかろうとすることが大切です。
4.楽観的な現実主義者であること
不安を前向きな行動に変えられるような、気持ちの切り替えをうながすような楽観的な言葉をリーダーが発することです。
全て分かった上で、それでも今やれることを見出す力が必要です。
ただガンバレというのは、何も行動しないよりマシですが、まあ悪です。
現場で必死で耐えている人は、具体的な手立てを待っており、「それだったら誰でも言えるわ」と、不満が増幅することになるでしょう。
⒌ 細部にまで徹底的に踏み込んでいくこと
だいたい分かった。あとよろしく。と言いたいところですが、細部のちょっとした違いが天と地をわけるものです。
そこに踏み込む覚悟、チェックする根性がリーダーには必要です。
近年のめまぐるしい状況では、現場の人間がすばやく判断できるようなセルフリーダーシップを持つことと、権限委譲がやはり必要ですが、それでもリーダーは細部を把握し、わかっておく必要があります。
⒍ 未来に打って出る勇気があること
現状に手一杯ななかでも、今はない姿を信じて行動を起こすことです。
明るい未来を描けなければ、今を頑張りきれないのです。
少し先のことも考える視野の広さと行動する勇気を持ちましょう。
まとめ
以上、難局を乗り越えるためのリーダーの6つの資質について書きましたが、リーダーとしてこれを行おうとしたら、よほどの覚悟とハードワークが必要です。
その気概を生み出すモチベーションを維持することは簡単ではないです。
しかし、昔、先輩が言ってたんですよね!
「理不尽なことばかりだけど、仕事にだけは誠実にあたろう」って。