「エネルギー自給へ近づく米国」がよくわかるグラフ « WIRED.jp
先日10/17のWIREDの記事にとりあげられていたアメリカのエネルギー自給率やエネルギー消費のグラフが気になったので、チェックしておきたいと思います。
これは、アメリカのEnergy Information Administration(eia)というところが年1回、アメリカのエネルギーの展望をまとめているようで、そこからとってきたグラフのようですね。
Annual Energy Outlook 2014 - Energy Information Administration
気づいたポイントは以下です。
☑エネルギー消費が2001年頃から増えていない
紺色の線がエネルギー消費量です。
季節によって10%くらい変動するのですね。
この消費量は2001年くらいからほぼ横ばいになっています。
WIREDの記事によると、自動車の燃費向上によるものが大きいのだとか。
☑2009年頃からエネルギー生産量が増えている
一方、エネルギー生産量が2009年頃からぐっと増えています。
いわゆるシェールガス革命によって、アメリカが天然ガスを自給できるようになったのが大きいのでしょう。
これによって、アメリカのエネルギー自給率はぐんと90%に高まり、わずか10%程度しか輸入しなくてよくなったということです。
☑縦軸のquadrillion Btuとは
quadrillion Btu とは、アメリカとイギリスで使われている熱量の単位です。
月あたり9 quadrillion Btuということは、年間100くらい。世界全体で500くらいと言いますから、アメリカだけで2割のエネルギーを消費しているということです。
quad(quadrillion(1000兆)の略)は1015英熱量と定義される。1 quadは約1.055×1018 ジュールである。
☑日本の消費エネルギー量はどの程度か?
ちなみに、日本の最終消費エネルギーは、下図のとおり15×10の18乗J(約15 quadrillion Btu)ということなので、アメリカの1/7~1/6くらいの量となります。
それくらいの規模なんですね。
☑エネルギー消費効率はどうなのか?
ただ、エネルギー消費が下がっただけならば、それは経済活動を止めただけかもしれません。そういう意味で、指標となるのは、GDPに対する消費エネルギーです。
下図は、GDPあたりの1次エネルギー供給量の比較ですが、日本が1に対してアメリカが1.6なので、エネルギー効率はやはり日本の方が高いようです。
ヨーロッパとかもなかなか効率が高いです。
アジアやロシアはなんとかしてほしいですね。
☑日本のエネルギー自給率は5%以下!
そして、日本のエネルギー自給率は4.4%(2010年時点)らしいです。
アメリカの90%に対して、足元にも及ばないのが悲しいです。
日本は、95%のエネルギーを海外にお金を払って買ってきており、それで貿易収支が赤字になったとかいう話をしているのですから、相当ハンデを負っているということを改めて感じました。
アメリカ並みにエネルギーが自給できたら、国から出ていくお金が減りますから、国の中に回っていくお金がかなり増えるのでしょうね。
今日は、アメリカのエネルギー自給のグラフを見て、考えたことをまとめてみました。。