勝負はいつ決まるのか?
世の中には問題がたくさんある。
問題を抱えた人たちが問題解決に向けて奮闘する様子は、うまくいけば世の中では美談として語られるだろうし、失敗すれば責任を取らされることになる。
しかし、多くの場合、勝負はその前の時点で決まっているのだ
つまり、問題が起きる前。おそらく、それなりに順調にやれていたときに、どれだけ先のことを見越して手を打てていたか。それが今の状態を決めている。
GoodはGoodの敵
「GoodはGreatの敵」という言葉がある。
これは、ビジョナリーカンパニー2の言葉であり、Goodで落ち着いてしまうと、Greatには決して到達しないという一流になるための心得を語ったものである。
これは、以下の記事でも紹介したものだ。
一流の人になるための8つの習慣(「報われない人の9つの習慣」より)
しかし、この変化の激しい世の中では、「GoodはGoodの敵」つまり、何も行動しないならば「GoodはBadの始まり」なんではないかと思う。
良い状態に胡坐をかいていたら、2流にとどまるどころか、生き残れなくなることになりかねない。
だから、良い状態にあるときに、いかに変化の兆しをキャッチし、すばやく行動できるかが鍵なのだ。
緊急ではないけれど重要なタスクを大切にする
いわゆる、重要度と緊急度のマトリックスで、「緊急ではないけれど重要」という第Ⅱ象限のタスクが最も重要ということと同じことである。
「7つの習慣」セルフ・スタディ・ブック 第三の習慣:緊急度と重要度――あなたの活動を「時間管理のマトリックス」で考えてみる - 誠 Biz.ID
行動を始めるタイミングを考えさせる具体例
このことをまざまざと感じる具体的なケースを3つ挙げておくこととする。
ケース1:ソニーの赤字拡大
ソニーは一時期、世界でもそのブランド力を発揮するほど、人々のカルチャーに大きな影響を及ぼす製品をつくってきた。
ボクが学生のころは、やっぱり人気の企業であり、就職する奴らは鼻高々だったし、待遇もよかったのではないかと思う。
それが、いまや赤字転落。
平井社長が対策に追われているようだが、おそらく、その前から問題の種はすでに生まれていた。というか、何もしなかったことが問題なのかもしれない。
以下の記事によると、出井社長が能力の高い中高年までリストラしてしまったのが痛かったと書いてあるが、目先の利益に追われ、スマフォやネットワークの世界への変化の兆しをつかみとれなかったのが原因だろう。
勝負は、もっと前に決まっていたのだ。
ソニー赤字拡大! なぜソニーはかつての輝きを失ったのか:PRESIDENT Online - プレジデント
ケース2:富士フィルムの大変革による生き残り
逆に、富士フィルムは良い例として挙げておこう。
デジタルカメラに移行していくだろうという予測の中で、富士フィルムが古森重隆社長の素早い決断により、フィルムメーカを脱し、多角化して医療用の製品などを稼ぎ頭にしていったというのは、日本人ながら、すばらしいと思う。
(スピードが必要な状況では、M&Aも有効だったようだ)
http://www.electronicjournal.co.jp/article/PDF/20120601.pdf
ケース3:地球温暖化への対策
一方、少し話は変わるが、地球温暖化を止めようという大規模なデモがアメリカのニューヨークで実施されているらしい。
この件も、もう手遅れになるぞーという地球市民の焦る気持ちがそうさせている。
大変なことになってからでは、やれることは限られてしまう。
だから、世界各国は、問題を先送りせず、自国の目先の利益のみにフォーカスせず、この問題に今こそ正面から向き合うべきだ。
いじょう、今日は、行動を始めるタイミングは、問題がまだ起こっていないときがよいという話でした。