Voyage of Life

3人の子育てパパが日常と読書から学んだコト

一億総活躍相は「ライフ・バリアフリー」にコミットせよ

一億総活躍相って何を目指すのでしょうか?
以下の記事があります。少子化に対しては人口1億人をキープするという方針も示されました。
 子育てや介護に苦労しないで多様な働き方ができる社会を実現し、生産性を高めてさらなる経済成長につなげる考えだ。日本経済新聞
これに対して、国民会議に招かれた菊池桃子氏は、一億総活躍という言葉を「ソーシャル、インクルージョン」としてはどうかと語ったようです。

ただ、ソーシャルという言葉はかなり広くて、別に働かなくても仲間とつながってる限りソーシャルの一員だとおもうのです。

そもそも「総活躍」という定義があいまいで、誰にとっての活躍なんだ?という疑問があります。

みんな働いて、子供もどんどん育てて、日本の経済規模をキープし、豊かな日本を目指そうということかもしれません。

しかし、どう生きたいかという価値観は多様になってるのだから、何かをやりたい人の障壁を取り除き、やった人は報われるという仕組みを作ることにコミットしてはどうでしょうか。
本当は、どんな姿を豊かな国と定義し、目指すのか。そこから始めるべきなのかもしれません。

一億総活躍というのに馴染めないのはボクも同じですが、スローガンとしては、「ライフ・バリアフリー」みたいな感じかなと思うのですが、どうでしょう?(ソーシャルインクルージョンより、馴染みやすいと思うのですが、イマイチかな)

ラグビー選手やサッカー選手が世界で活躍するには英会話能力が必須

f:id:gumojin:20151014232032j:plain

今日もいろいろ記事をチェックしていたら、なんと同じ日に、「ラグビー日本代表の時期キャプテンの条件には英会話能力が必須」という記事と、「元サッカー日本代表の宮本恒靖氏は高い語学力」ということが書いてある記事に出会ったので驚きました。
 
スポーツというアスリート的な身体能力やスキルが支配的に見える世界においても、やはり世界で戦うには英語力が必要だということを、第一線のスポーツ選手が実感しているのです。

審判とのコミュニケーション

しかもその理由が、ちょっと意外でした。
いずれも、審判とのコミュニケーションの重要性の話でした。
 
まず、今回のW杯ラグビーで旋風を巻き起こした日本代表キャプテンのリーチ主将は次のように語っています。
日本代表のリーチ主将は次期代表キャプテンの条件として、英会話能力が必須であるとの考えを示した。
 (中略)
南アフリカ戦とサモア戦では主審と良好な関係を築き、スクラムや密集で相手が反則を取られやすい状況をつくった。「英語をしゃべれないと苦労する。勝った要因でもある」と言い切った。(ラグビー主将 英語力が勝因(2015年10月14日(水)掲載) - Yahoo!ニュース
 
元サッカー日本代表で主将をつとめた宮本恒靖氏は、次のように評されています。
宮本恒靖は、サッカー界きってのインテリジェンスで知られる。最終ラインからチームを統率するリーダーシップに加えて、高い語学力で外国人審判とコミュニケーションを取ることも得意とした。シビアな国際試合を戦う代表チームの主将として、抜群の信頼感を獲得していた一人だ。

 (元日本代表・宮本恒靖が語る「信頼の条件」

 
ここで感じてしまうのは、「審判とのコミュニケーションって、こんなに大事なんだ」ということです。相手の厳しいプレーに対して笛を吹いてもらうためにとか、変にイエローをもらわないためには、審判と状況を共有しておくことが大切なのでしょうね。
何考えているかわからない奴らには、審判も警戒して、余計なアクションを取ったりしますもんね。所詮人とはそういうものですよね。
 
そして、そういう現場の待ったなしの状況で、心を通じ合わせるためには、自分で英語を話し、会話できる力が大切だということです。
 
 

海外チームメイトとのコミュニケーション

もちろん、スポーツ選手にとって語学力が大切なのは、審判とのコミュニケーションだけではありません。むしろ、こちらがメインだと思いますが、海外チームに所属する海外組にとっては、チームメイトとの信頼関係を育むために語学力が重要なのです。
例えば、サッカー日本代表の本田圭佑選手は、イタリア語を使うことで、チームに溶け込み、結果につなげているという例もあります。
「昨季の本田はチームメートとの関係が冷え切っていたが、今は完全に溶け込んでいる。チームメートやインザーギ監督とも直接、会話できるし、もうロッカールームでも独りではない」と明かした。専属広報のバックアップでコミュニケーション能力が向上したことが好調を支えている。(4戦3発の本田、好調の陰に語学力向上!専属広報が“後押し” ― スポニチ Sponichi Annex サッカー
 
そういえば、ラグビー日本代表の外国人選手は、流暢に日本語を話せますものね。
彼らのプロフェッショナリズムには、ほんとに、脱帽です。
こうやって、必要と感じたものは、徹底的に取り組むという姿勢が体に根付いているから、急速にレベルアップできるし、プレーそのものも人より抜きん出ることができるんでしょうね。
 

これからの時代に求められる語学力

最近は、iphoneのSiriなどで見られるように音声認識能力はものすごい発達を遂げています。話したことが、ちゃんと日本語の活字に変換されますものね。
そして、Googleの翻訳などで見られるように、日本語をボタン一つで翻訳することもだいぶできるようになっています。
このままいけば、素晴らしい翻訳ツールが開発されて、もう英語の勉強なんてする必要なくなる時代が来るのでは?と思ってしまう。
しかし、ドラえもんの「翻訳こんにゃく」のようなものでない限り、現場で、タイミングを逃すことなく、絶妙な間合いで言葉を交わすことは、まだまだ難しいでしょう。
結局、人と人の間に共感や信頼関係を生み出すのは、直接的な会話だし、その会話においては、間合いというものが大切になりますからね。
 
そういう意味では、グローバルなビジネスのシーンも増え続けている昨今、ボクも、プロフェッショナリズムを見習って、もっと英語で会話できるように、努力しないといけないなと思いました。
通訳してくれる人がいるので、ついつい頼ってしまいますし、限られた時間において、英語でどう表現するのかを考えることに脳みそを使わずに、今何を言うべきかを考えるのに脳みそをフルに使いたい。
そこはやっぱり変わらないのですが、ここは自分の言葉でちゃんと伝えるべきだということはバシッと直接伝えられないといけないなと感じました。
 
ちなみに、ラグビーのリーチ主将の発言に対しては、 別に、審判と話すのは主将でなくてもいいでないの?と思ってしまいますが、ちょっと意外な形で英会話の大切さを感じさせてくれた記事でした。感謝です。
 

社会保険料を下げるためには3月から5月の残業をヘタに増やさない方がよい

 

f:id:gumojin:20150526073024j:plain

給与明細を見るたびに、厚生年金保険料(ボクは会社員なので)や健康保険料が、じわじわと高くなっていることを痛感する今日この頃です。
年金の保険料のことを調べていて、少しでも保険料を下げる方法があるようなので、シェアしたいと思います。
 

年間の社会保険料は4〜6月の給料で決まる

厚生年金保険では、被保険者が受け取る給与(基本給のほか残業手当や通勤手当などを含めた税引き前の給与)を一定の幅で区分した報酬月額に当てはめて決定した標準報酬月額を、保険料や年金額の計算に用います。
現在の標準報酬月額は、1等級(9万8千円)から30等級(62万円)までの30等級に分かれています。
まず、保険料は報酬月額、つまり、毎月の給与で決まってきます。
これには、残業手当や通勤手当も含まれます。
 
また、毎年9月に、4月から6月の報酬月額を基に、標準報酬月額の改定が行われます(定時決定)。
なお、定時決定の算定月以後に報酬月額に大幅な変動(標準報酬月額の2等級以上)があった場合には、標準報酬月額の改定が行われます(随時改定)。
そして、保険料算定のベースとなる標準報酬月額というのは、基本的には4月〜6月の給料で決まるようです。
さすがに2等級以上の大幅な変動が年内にあれば随時見直されるようですが、基本は4〜6月の給料で1年の保険料が決まってしまうのです。
 

標準報酬月額の区分けはそこそこ粗い

標準報酬月額は30等級に分かれていて、平成26年9月からの保険料はその額に約17.5%をかけたものを会社側と折半して支払いますから、およそ8.75%くらいを支払うことになります。
具体的には、以下のような計算表が出されています(この率が少しずつ上がってるのですね)。
 
月給がそこそこ高くなると、この標準月額の等級メッシュも荒くなってきて、標準報酬月額が2万円や3万円単位で変わってきます。
つまり、4〜6月でたまたまピーク的な残業がかさんでしまうと、標準報酬月額の等級がヘタに上がってしまい、例えば3万円高い等級にランク付けされると、その8.75%の3000円くらい、毎月の保険料が上がるというわけです。
 

健康保険料も基本は同じ

健康保険料も、等級の上限や保険料率は違いますが、基本は同じです。
こちらは約10%の折半の5%が個人負担なので、ヘタに3万円高い等級にランクインしてしまうと、月額1500円くらい、保険料が高くなります。
 

年金受給額は標準報酬月額プラスボーナスで決まる

年金については、完全に損するわけではありません。

年金を計算する式が日本年金機構のホームページに掲載されています。

平成15年度以降は、標準報酬月額にボーナスも加えて算出された平均標準報酬額が受給額のベースとなるので、標準報酬月額がそのまま年金受給額の増加につながるわけではありませんが、それなりに報酬月額が高くなれば、もらえる年金の額は増えることになります。

ですから、年金に期待するのであれば、逆に、少しでも高い報酬月額にランクインすることを狙い、4〜6月の給料を増やす努力をすることもありです。

一方、健康保険については、受けられる恩恵は同じですから、保険料は低いに越したことはないですね。

まとめ 

ボクたちが65歳になるころ、本当に年金はもらえるのでしょうか?
少子高齢化を前提とした仕組みに修正される中で、子育て世代の給料が年金の保険料としてもっていかれる額が増えています。そして、これから先、年金を受給できる年齢は70歳とかに上がっていき、そんな年齢で元気に生きてないかもしれません。
そんななかで、今、義務として払わなければならない、年金保険料を少しでも下げることは意味があるかもしれません。そして、健康保険料は低いにこしたことはない。
まあ、ささやかな話かもしれませんけど、4000円とか、子供の習い事を減らさなくても良いとか、子育て世代にはそれなりに効いてくる額になります。
そんなにうまく残業が調整できるわけではないし、それを気にして低い給料を望むのは本末転倒かもしれませんが、ちょっと頭の片隅においていて損はない話です。
  

携帯電話の料金明細に間違いがあった件

f:id:gumojin:20150515212137j:image

やっぱりこういうこともあるんだな、危なかった〜ということがあったので、紹介しておきます。


携帯料金が思ったより増えていた

先日、小学二年生の次女のために携帯電話を契約しました。
習い事などで一人で行動する時間が増えてきたので、購入に踏み切ったものです。
 
今月、初めての請求がメールされてきました。
大人二人分、子供二人分で、13000円。
 
これまで、大人二人と子供一人分なら8000円くらいだったので、え、結構上がったなぁと、念のため明細を確認してみました。

ネガティブな深読みはその人を信じていない証拠である(麻生大臣発言より)

f:id:gumojin:20141209233821j:plain

麻生さんの「子供を産まないのが問題」という発言が失言であると騒がれている。
 
 
まずは発言の雰囲気を動画でチェックしてみた。
 
動画を見た限り、肩を持つわけではないが、そんなに悪意があるとも思えない。
 
麻生さんは、確かに舌足らずで、言葉をもっと丁寧に使うべきなのだが、子供がなかなか産まれないという事実が課題だと言いたかったのだろう。
 
少子化という課題は突き詰めると、「子供を産まない」という事実なのだから、間違ってはいない。産まないのが悪いとは言ってないし、生活環境や身体のことなどいろいろな理由があってのことなのだ。
 
これは、単なる事実を語ったり、事実を問うているだけの発言なのに、誰かを責めているとか、責められたというふうに受けとったせいで、ややこしいことになる典型的な例である。
これは、発言した人への信頼感が足りないか、悪意を持っているために起こる。
あるいは、受け取った人の心が疲弊していて、被害妄想に包まれているのかもしれない。

圧倒的有利な選挙と言われても若者が投票にいかなければならない理由

 
前回の第46回衆議員選挙から、早2年なんですね。
 
振り返ってみると、当時も、多くの人にとって、民主党の政治が機能していないように感じられていたせいか、自民圧勝という予想でした。
 
そういう中での投票率って、どうだったのでしょうか?

ハロウィンのトリックオアトリートの意味

 

f:id:gumojin:20141031154006j:plain

我が家にも、ついにハロウィーンという行事が入り込んできました。

近所を、仮想して回って、トリックオアトリートと言えば、お菓子をもらえるらしいのよと、子どもたちは興奮気味で出かけていきました。

お菓子好きの次女は、もう目を輝かしています。

 

続きを読む

エボラ出血熱が日本へ入ってくるのは防ぎようがないかも

 

f:id:gumojin:20130718162939j:plain

エボラ出血熱の脅威が止まらない。感染の拡大に対処するためには、この60日が勝負になるということだ。

12月までの60日間が闘いになると語りました。この60日間は、感染者の70%を療養施設に収容し、死亡者の70%を二次感染なく埋葬しなければ、感染拡大は止まらないとしています。

Yahoo!ニュース - エボラ出血熱「あと60日が勝負。負ければ人類が敗北」 国連が悲壮な訴え (withnews)

 

この短期勝負では、とにかく疑わしきは隔離するしかないだろう。

最も一般的な症状は、突然の発熱、強い脱力感、筋肉痛、頭痛、喉の痛みなどに始まり、その後、嘔吐、下痢、発疹、肝機能および腎機能の異常、さらに症状が増悪すると出血傾向となる。検査所見としては白血球数や血小板数の減少、および肝酵素値の上昇が認められる。潜伏期間は2日から最長3週間といわれており、汚染注射器を通した感染では短く、接触感染では長くなる。(エボラ出血熱とは

しかし、潜伏期間が最長3週間ということなので、症状からは分からない。

続きを読む

小学1年生1学級あたり40人にするかもという話

 
今朝の日経新聞では、財務省が、小学1年生を40人学級にして、先生を4000人減らして、義務教育の国庫負担を約90億円減らそうと文科省に提案しようとしているらしい。
 
 
1年生ならまだいけると思っているのかもしれないが、うちの子のクラスは、ギリギリ35人になってしまっており、その様子をみる限りは、先生はかなり大変そうだ。
1年生だからこそ、まだ聞き分けがつかず、先生も一人一人を見れているかと言えば微妙だと思われる。
 
他の国を見てみると、1学級あたり20人くらいが当たり前だ。

アメリカのエネルギー自給率90%に比べて日本のエネルギー自給率は5%以下

f:id:gumojin:20141020213845p:plain

「エネルギー自給へ近づく米国」がよくわかるグラフ « WIRED.jp

先日10/17のWIREDの記事にとりあげられていたアメリカのエネルギー自給率やエネルギー消費のグラフが気になったので、チェックしておきたいと思います。

 

これは、アメリカのEnergy Information Administration(eia)というところが年1回、アメリカのエネルギーの展望をまとめているようで、そこからとってきたグラフのようですね。

Annual Energy Outlook 2014 - Energy Information Administration

 

気づいたポイントは以下です。

続きを読む

少子化を受けて小中学校の統廃合が促進されつつあること

f:id:gumojin:20050322071910j:plain

tpsdave | Pixabay

 

今日の日経新聞の1面には、「小渕経済産業大臣が週明けに辞任へ」というもののほかに、公立小中学校の統廃合を促すような指針の見直しについての記事がありました。

小中学校 統合促す :日本経済新聞

 

今の指針では、小学校は1学年2-3学級、中学校は4-6学級が標準とのことですが、すでに半数の小中学校がこれを下回っているとのことです。

 

続きを読む

中村修二氏の青色LEDによるノーベル賞受賞で考える企業から社員への特許報酬のこれから

 

f:id:gumojin:20120318123850j:plain

PixelAnarchy | Pixabay

 

中村修二氏をはじめとする3人が青色発行ダイオード(LED)の開発によりノーベル賞を受賞した。このニュースを聞いた途端、中村修二氏の特許訴訟の話を思い出した。

今日は、中村修二氏について思うところを書いてみたいと思う。(トピック「ノーベル賞」について)

 

☑青色LEDの開発はやはりすごい

青色発光ダイオードの実用化によって、ようやくLEDで白い光を作れるようになり、これが省エネに大きく貢献するLEDの実用化を加速させた。

青色LEDがノーベル賞に値する理由 « WIRED.jp

 

そういう意味では、青色LEDは赤色LEDと緑色LEDの3原色のうちの1つであり、赤色と緑色LEDを作った人も大切にすべき存在だとは思う。

単に青色が白色LEDのためのアンカーだったというだけでなく、それが難しい開発だったということが、ノーベル賞受賞の理由なのだろう。

省エネで長寿命。確かに、エジソンが白熱電球を作り上げたレベルに匹敵する大発明なのかもしれない。

 

☑中村修二氏の独特なスタイル

中村修二氏の独特なスタイルは、以下の記事から読み取れる。

ノーベル賞「青色発光ダイオード」はいかに生まれたのか 中村修二「青色レーザーを生んだ『考える』執念」【1】:PRESIDENT Online - プレジデント

「ノーベル賞」受賞は通過点の一つにしか過ぎない 中村修二「青色レーザーを生んだ『考える』執念」【2】:PRESIDENT Online - プレジデント

 

おそらく、非常に負けん気が強くて、粘り強い人なんだろうなと。

そして、家族をとても大事にしているっぽい。

それなりにいろいろチャレンジしているし、技術的にすごいものを持っているが、会社ではそれほど評価されなかったということが、怒りに変わり、これが結果的には、爆発的でチャレンジングな研究姿勢を産んだのだと思う。

 

そして、その怒りは収まりそうにない。

自分はあまりにも世間知らずだった。たしかにこれでは奴隷(スレイブ)だ。索漠たる思いとともに、会社を辞めようという気持ちが徐々に固まっていく。スレイブは、自由な身の市民(シティズン)へと脱皮を願うようになった。「会社に対する愛着とか忠誠心はないのですか」と聞いてみる。中村はあっけらかんとして答えた。 「全くないですね。いまはもう、よくもあんなところに20年間もいたなという感じです」

この発言からは、お世話になった日亜化学工業への感謝とか謙虚さとかは微塵も感じられない。

これだけの偉業を成し遂げたのだから、もう少し発言だけでも謙虚と感謝に満ちたものだったら、それこそもう一段、偉人として認められるだろうにと思うと残念だが、その怒りこそが発明の原動力だったのだから仕方がない。

 

☑特許訴訟は日本企業での技術者と会社の関係に一石を投じた

これだけのことを成し遂げたのだから、それなりの対価をもらうべきであるということで、彼は自分の会社、日亜化学工業に対して訴訟を起こした。

これについては、以下の記事にわかりやすく書かれている。

訴訟で600億円とも認定されていた中村修二氏の職務発明の対価-ノーベル賞 - 法廷日記

確かに、会社が1200億円とか、そういう利益を得ているのに、2万円の手当てで済まされるというのはおかしい。

結局最後は、彼の功績は5%程度であるという高裁の勧告書により和解されたようであるが、5%ということもないだろうに・・とは思う。

 

☑しかし、サラリーマンというのはそういうものだ。

 

しかし、忘れてはいけないのは、なんでもやりますーと言って、サラリーマンになることを選択したことだ。

たいして会社の利益に貢献していない間も、給料をくれつづけた会社への感謝は少しなりとも覚えておくべきだろう。

そして、個人的にはノーリスクで、開発費用を会社から出してもらい、好きな開発をさせてもらったわけだ。

1200億円も、利益を出しておいて、2万円ってことないでしょう?というのは言ってもよいと思うが、そこまで世の中に役立つ何かを生み出すことをサポートしてくれた会社に対して、感謝の念はあってもよいと思う。

 

☑企業は優秀な技術者を確保しモチベートできる独自ルールを作ればよい

 

来年には、特許は会社側に帰属し、社員への報酬を義務付けるという法改正がなされようとしている。 

社員の発明に報奨義務、法改正へ 特許は会社に帰属 :日本経済新聞

これによって、会社側は「相当の対価」を巡って訴訟を起こされるリスクを減らせるとのことであるが、結局は報酬をどうするのかの議論は残る。ただ、報酬を定めるためのガイドラインのようなものが特許庁により整理されるようだ。

 

中村修二氏の場合、この報酬(というか、相当の対価)を決めるルールを、会社側と社員側で共有できていなかったから、訴訟に至ったのだろう。

事前に、君たちはすばらしい発明をして、会社がとても儲かったとしても、2%程度しか報酬を与えないからね。という規定が出されていたら、それを分かっていて発明を頑張ったのでしょう?いやだったら、会社辞めたらよかったじゃない という風に、ある意味、スッキリするだろうから、まあ、ガイドラインが出されるというのは良いのかもしれない(大手企業では、ある程度計算ルールが明確になっているが、そうでないところも多いだろうから)。

 

だから、会社側は、この報酬ルールをうまく設計して、技術屋の底力を引き出すような仕組みをつくればよいのだと思う。優秀な技術屋を確保することにもつながるだろうから。

 

そして、ボクが気になるのは、中村氏の例(ひとりで結構いろいろやってしまっている)はレアケースであり、大抵は、大きな仕事は一人ではできない。研究はもちろん、研究のきっかけを与えたマーケティングや、大量生産につなげるための設計屋など、あらゆる人が少しずつ頑張って、モノができるのだと思うから、その旨味を発明者が独占してしまうのもどうかと思ってしまう。このあたりの配慮も必要だろう。

まあ、ゼロからイチを生み出せる技術屋は、それだけスゴイということなのだが。

 

今日は、中村修二氏の青色LEDによるノーベル賞受賞に際して、考えたことを書いてみました。

 

渋谷で散歩するシロクマ動画を見て考えた広告の未来

 

f:id:gumojin:20131105070037j:plain

 渋谷でシロクマが散歩しているという動画が話題になっている。

 

LALSHとかいう、ロシアのパフォーマンス集団?の仕業らしいが、とてもリアルだ。サーカスか何かみたいだ。

「平和な日本に住んでいる人!私たちが与える恐怖であなたは平和な日常生活により感謝するようになる!」というメッセージは、少し気味が悪いが、こういう出来事が渋谷から関西まで簡単に伝わってしまう時代なのだ。

LALSH | Facebook

続きを読む

丸紅がミャンマーに計画する最先端石炭火力発電所の建設

 

f:id:gumojin:20131223102635j:plain

丸紅がミャンマーで最新鋭の石炭火力発電所の建設を計画しているという記事を見ました。

☑丸紅が計画している火力発電プラントはどのようなものか?

丸紅株式会社(以下「丸紅」)は、ミャンマーにおいて環境負荷が低く、エネルギー効率の高い発電技術を前提とした石炭火力発電事業の検討を始めることでミャンマー電力省と合意し、2014年10月9日に本事業の開発に係る覚書を締結しました。http://www.marubeni.co.jp/news/2014/release/20141010_jpn.pdf

 

以下の日経新聞の記事にも出ています。

こちらは、もう「建設する」と言い切っていて、上記の丸紅のホームページの「事業の検討を始める」というものと、少しトーンが違います。


丸紅、ミャンマーで最先端火力発電所 タイにも送電 :日本経済新聞

 

これらの記事から注目したところ、感じたところは以下の点です。

  • 現在のミャンマーの電力需要は180万kW。これに対して、水力発電中心で、今の供給能力は130万kW。電力不足に悩んでいる。電力需要は年7-8%のペースで拡大していく見通し。
  • この電力供給量の数字は、以下のサイトとは少し違うようだ。(http://www.jcoal.or.jp/coaldb/shiryo/material/h24_06.pdf
  • 今回の発電所の発電能力は200万kW。しかしその8割はタイに送るらしく、その2割ではまだ足りないかもしれない。
  • 2016年建設開始し2020年の運転開始をめざす。
  • 総事業費は3500億円だから、17.5万円/kW。石炭火力にしては、そんなに安くない。しかし、効率がよいからすぐ取り戻せるのでしょう。
  • 超超臨界圧の石炭火力発電を採用しているので、二酸化炭素排出量が一般の石炭火力よりも2割抑えられるらしい。
  • ガスタービンではなく、石炭を選ぶのは、上記サイトにあったとおり、やはり自国で安く自給できるからなのかもしれません。
  • これから、三菱日立パワーシステムズやIHIや東芝などのメーカに参画を呼び掛けるということだから、こういうビジネスは値段ありきで枠組みを決めてしまって、その中で、メーカが乗ってくるかどうかというやり方のようだ。

☑超超臨界圧石炭火力発電とは

経済産業省のホームページに、国家プロジェクトとして開発されている超超臨界圧石炭火力発電技術の紹介がありました。

http://www.meti.go.jp/committee/summary/0001640/034_05_09.pdf

 

材料技術の進歩が大きいのだと思いますが、ボイラの出口ガスの温度を約700℃、圧力を35MPaという超高温高圧でタービンを回すことで、発電効率が46-48%となり、2割効率が上がる分、CO2排出が抑えられるというわけです。

 

ただ、このページを見る限り、開発完了が2016年度。

丸紅のプラントがミャンマーに建設開始する時期とほぼ同じだから、すごいスピード感ですね。メーカーはついていけるのでしょうか・・。

 

☑しかし、それでも地球温暖化が加速していく

こうした動きは、インドネシアでも活発なようですね。

http://eneken.ieej.or.jp/data/3942.pdf

 

こういう発展途上国の電力需要がどんどん増えていくなかで、やっぱり、いくら最新鋭とはいえ、石炭火力が採用されていく状況を考えると、やっぱり地球温暖化の問題が気になってしまいます。

こういう国では、再生可能エネルギーとかを選択する余裕は、まだないのでしょうね。とにかく、早く安く電気に困らない状態にしたい。地球がどうのというところまで考えられない。石炭もそれなりに自給できる国だったら、なおさらです。

せっかく日本が売り込むんなら、温暖化ガスをぐっと抑えれる発電システムを提案できないものかと思うのですが、結局、安い発電所が選ばれてしまうのが現実です。

技術革新がなければ、地球はますます温暖化していってしまうでしょう。

 

なんとかならないものか。。

今日は、いじょうでーす。