先日の記事「読書感想文のコツ」でも、2014の読書感想文全国コンクールの課題図書として挙げた「ちきゅうがうんちだらけにならないわけ」は、小学校中学年(3年・4年)の部の課題図書になっているものです。
中学年の部の課題図書は、わりと文字が多いのですが、これは少ないのですぐに読めます。
今回はこの本について具体的に紹介します。ネタばれが嫌な方はご注意くださいね。
■どんな本か?
いわゆるちょっと科学ものです。
課題図書「ひまわり」と同じような感じで、普段とてもなじみのある「ウンチ」というものの意外な側面を、絵と文字で説明したものです。
たくさんの動物の絵も細かく書かれているので、図鑑のような感じもします。
■読むポイント
・ウンチだらけにならないの?という素朴な疑問
このタイトルにある「なぜ、ちきゅうがウンチだらけにならないのか?」という素朴な疑問をまず考えてみましょう。
そういえば、そうだよなあ。なんでだろ。
そして、答えはこの本にありますから、じっくりと焦らずに絵を楽しみながら読んでください。
細かい絵の中に新しい気づきもあるかもしれません。
・地球の生き物はつながっているということ
ウンチが自然の中でどう役立っているのかというのを想像すると、自然の摂理というか、「うまいことなってるなー」という感心の気持ちが湧いてきます。
いわゆる、いろいろな生物は「つながっている」ということです。
これを機に、以下のようなことも考えてみましょう。
- 微生物、植物、草食動物、肉食動物が食を通じてつながっているという食物連鎖(しょくもつれんさ)
- 生物が吐く息に含まれる二酸化炭素を、植物が吸い込んで光合成して酸素を出すこと。その酸素を生物がまた吸い込んでいること。
- 支え合っているから、どこかでつりあっているが、何かのきっかけでバランスが変わると、つりあうところが変わってしまうこと。
なんか、そういうことを感じるきっかけになればと思います。
・ボクのウンチは役にたっているのかな?
本の最後に、突如として、主人公が考えさせる一言をはきます。
動物たちのウンチはとてもみんなの役に立って使われていっているのに、人間のウンチはトイレに流されていく。
何にも役に立っていないのではないか?ということです。
この視点は面白いですね。
人間は、便利さとか豊かさを求めて、自然の摂理とはある部分では切り離されてきていて、一応、自然のバランスをできるだけ崩さないようにしようと思っているが、なかなか難しい。
現実には、木を切り倒し、化石燃料を掘り起こして、二酸化炭素を植物が吸収できないくらいに吐きだして、地球の気候をおかしくしたり、肉や魚用に動物を捕獲しすぎたりしていっているわけです。
■まとめ
この本は、とてもシンプルですが、以下のようなふかーいことを感じさせるものでした。
・自然はつながっている。
・自然のバランスに対して、人間はどういう存在なのか。
・モノゴトは知っているようで知らないことがたくさんある。
読書感想文でありながら、かつ、自由研究のテーマが生まれそうな(自由研究のコツ 子供たちの「疑問」を引き出す方法)、そんな一冊です。
■ほかに参考となる本
さいごに、今回紹介した本のほかにも、食物連鎖などを考えるきっかけになる本を紹介しておきます。
- 作者: ミック・マニング,ブリタ・グランストローム,藤田千枝
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1999/06/21
- メディア: 大型本
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たべることはつながること―しょくもつれんさのはなし (みつけようかがく)
- 作者: パトリシアローバー,ホリーケラー,Patricia Lauber,Holly Keller,ほそやあおい,くらたたかし
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 2009/05/30
- メディア: 単行本
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この本も挙げておきます。。
今日は、いじょうでーす。